猫の世界にもボーイズラブはあるのでしょうか? 野生ではオスの成猫どうしが仲よくすることはありません。しかし去勢されたオスの飼い猫は中性化するケースも。猫の世界のボーイズラブについて、書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』著者の卵山玉子さんと監修の今泉忠明先生に解説していただきました。
解説者のプロフィール
マンガ・イラスト 卵山玉子(たまごやま・たまこ)
猫好きのマンガ家。愛猫は里親募集で迎えたトンちゃん、シノさん。著書に『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)、『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)など。アメブロ公式トップブロガー。
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監修 今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
哺乳動物学者。日本動物科学研究所所長。「ねこの博物館」館長。『猫はふしぎ』『飼い猫のひみつ』(ともにイースト・プレス)、『猫語レッスン帖』(大泉書店)、『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)など著書・監修書多数。
本稿は『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
編集・執筆/富田園子(ライター・編集者)
猫の世界にもボーイズラブはあるの?
野生ではオスの成猫どうしが仲よくすることはありません。メスを奪い合うライバルどうしですから、発情期には激しい闘いをくり広げます。
去勢されたオスの飼い猫は中性化する
しかし去勢されたオスの飼い猫は中性化し、いつまでも子猫のきょうだいのように仲がいいケースも多々。
カリフォルニア大学教授の研究によると、去勢されたオス猫の80~90%がケンカしなくなるそうです。攻撃性を高めるテストステロン(男性ホルモンの一種)の分泌が去勢によって抑制されるためです。
猫の世界のボーイズラブ
単なる仲よしではなく、性的な気分が絡んでいるケースもあります。オスがオスに交尾のマウンティングをする例が観察されているのです。
本来はメスに向かうはずの衝動が、メスが交尾を許してくれなかったり、そもそもメスがいない環境だったりすると、自分より若くて小柄なオスに向かってしまうことがあるよう。
おじさんがうら若き少年に求愛する……猫の世界にはそんなボーイズラブもあるようです。
猫のほんね
去勢済のオス猫どうしはきょうだいのように仲のよいケースが多々。同性愛のような行動も見られるよ
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なお、本稿は書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。猫好きのマンガ家、卵山玉子さんと哺乳動物学者の今泉忠明先生の強力タッグで贈る、猫のほんねがわかる本です。オールカラーのほんわかマンガで学べる猫の真実とは? 愛してるからぜんぶ知りたい、猫のきもちが100問100答で解説されています。猫も猫なりの理由があっていろんな行動をするのです。猫のほんねがわかれば、もっと理解できるようになりますよ。