〈気になる心理学〉バーナム効果とは 占いはなぜ当たる? 二面性の提示で「必ず当たる」ようにできている

暮らし・生活・ペット

「A型は几帳面、B型はマイペース」などという血液型診断がありますよね。しかし、血液型と性格との因果関係は実証されておらず、科学的な根拠はありません。血液型診断を「当たる」と思ってしまうのは、「バーナム効果」のためといわれます。「バーナム効果」について、書籍『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 心理学』著者で文学博士の齊藤 勇さんに解説していただきました。

解説者のプロフィール

齊藤 勇(さいとう いさむ)

文学博士。立正大学名誉教授、日本ビジネス心理学会会長。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は対人・社会心理学。「それいけ‼ココロジー」(日本テレビ)の監修・コメンテーターを務めるなど、心理学ブームを牽引。『図解 心理分析ができる本』(三笠書房)、『図解雑学 見た目でわかる外見心理学』(ナツメ社)、『イラストレート 心理学入門』(誠信書房)など、著書・監修書多数。

本稿は『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 心理学』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

イラスト/桔川シン、堀口順一朗、栗生ゑゐこ

「バーナム効果」占いはなぜ当たる?

誰にでも当てはまるような性格記述でも、自分に当てはまると思いこんでしまう!

「A型は几帳面、B型はマイペース」などという血液型診断がありますよね。
しかし、血液型と性格との因果関係は実証されておらず、科学的な根拠はありません。
それでも、血液型診断を「当たる」と思ってしまうのは、「バーナム効果」のためといわれます。
バーナム効果とは、誰にも当てはまるような性格記述であっても、自分に当てはまっていると思いこんでしまう心理効果です。

そもそも人の性格には二面性があり、誰でも几帳面な一面や、マイペースな一面があります。
そのため、A型の人が、「A型は几帳面」と指摘されると、自分の性格を言い当てられたように感じて、「当たっている」と錯覚してしまうのです。
血液型診断に限らず、たいていの占いは、二面性を提示することによって、「必ず当たる」ようにつくられているのです。

▼バーナム効果

誰でも該当するような一般的な性格記述を、自分のことだと思いこむ心理作用。二面性を提示することで強く作用する。

「本当?」と思われながら、占いに人気があるのは、人は本能的に自分に関する情報を知りたいという欲求があるため。
これを「自己認知欲求」といいます。
自己認知欲求は、自分がすでに自覚している情報を再確認する「自己確認」と、自覚していない自分の情報を知る「自己拡大」に分けられます。
つまり、当たっていなくても新しい自分の一面を知ることができるのが、占いなのです。

▼「自己確認」と「自己拡大」

自分に関するよい情報でも、自己確認より自己拡大の方が、大きな満足度を得られる。

自己確認

自分が知っている自分

自己拡大

自分が知らない自分

◇◇◇◇◇

なお、本稿は書籍『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 心理学』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。心理学に興味をもって、「ちゃんと勉強してみよう」と思っても、専門書には専門用語が多く出てくるので、「むずかしい」と感じる人も多いのではないでしょうか? 本書は、これまで積み重ねられてきた心理学の研究を、知識ゼロでも楽しく読めるように、イラストや図解も豊富に使い、やさしく丁寧に解説しています。

イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 心理学
¥990
2022-04-12 14:21

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット