「光回線」は賃貸だと回線工事の許可が下りなかったり、地域によっては対応エリア外だったりなど、さまざまな事情で利用できないケースもある。そんなときにオススメなのが通信キャリアが提供する「ホームルーター」だ。今回はホームルーターの基礎知識を始め、「速度は?」「オンラインゲームはできる」等、よくある疑問に答えつつ、おすすめのホームルーターを取り上げていく。
回線工事が要らない「ホームルーター」とは?
「ホームルーター」とは携帯キャリアの電波網を介して、高速インターネットを提供する固定回線サービスだ。携帯電話やスマホなどと同じように基地局からの電波を介してワイヤレスでデータ通信をやり取りするため、回線工事は一切不要。ホームルーターをコンセントに挿すだけで自宅にインターネット回線を導入できる。
ホームルーターは通信キャリアが提供する固定回線サービス
多種多様な事業者が参入している光回線とは異なり、ホームルーターを手掛けているのは携帯通信キャリアのみとなる。具体的には「ドコモ」「au」「ソフトバンク」「UQ」の4社が挙げられるが、「GMOとくとくBB」「MEモバイル(カシモ)」「グッド・ラック(モバレコAir)」など、提携事業者が代理店として各キャリアのホームルーターを取り扱っている場合もある。
コンセントに挿すだけで利用できる
ホームルーターの配線は基本的には端末の電源ケーブルをコンセントに挿すだけ。コンセントさえあればどこの部屋でも利用できるため、自由に設置場所を変更できる。
手間のかかる回線工事も必要なし
ホームルーターはスマホや携帯電話と同じく、キャリアの基地局との通信を介してインターネット回線を実現している。光回線とは違って光ケーブルを自宅まで引き込むための回線工事などは一切不要で、契約後1週間ほどで利用可能だ。
また、光回線の場合、引っ越しをする場合はいったんサービスを解約しなくていけないこともあるが、携帯キャリアの通信網を利用するホームルーターなら登録住所の変更さえすれば移転先でもそのまま使用可能。職業柄、引っ越しが多いユーザーとも相性がいいサービスだ。
通常は登録住所以外でホームルーターを利用すると規約違反となるが、唯一の例外としてUQのホームルーターについては登録住所以外で使っても特にお咎めはない。電源さえ確保できれば旅行先のホテルなどでも使用可能だ。
スマホと違ってデータ容量は無制限
スマホの場合、一部の契約プランを除いて使用できる月間データ量には限りがある。一方、ホームルーターは以前は既定のデータ通信量を超えると速度制限を課されることもあったが、現在は基本的にデータ容量は無制限だ。
ただし、まったく制限がないわけではないので、その点は注意が必要。制限内容はキャリアによって異なるが、ざっくりといえば「一定期間内に大量のデータ通信をすると、回線速度が低下したり、通信が中断されたりする」「回線が混雑する時間帯は速度制限を実施する場合がある」といったところだ。このような速度制限は、光回線でも程度の差はあるが実施しているケースもあるので致し方ないところだろう。
ドコモの場合
ネットワークの混雑状況により、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。–
auの場合
定期間内に大量のデータ通信のご利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります
ソフトバンクの場合
ご利用が集中する時間帯は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
UQの場合
※エリア混雑状況により速度を制限する場合があります。
※ネットワークの継続的な高負荷などが発生した場合、状況が改善するまでの間、サービス安定提供のための速度制限を行う場合があります。
少々気がかりに思うかもしれないが、月間100Gバイト以上のデータ通信を利用するようなヘビーユーザーでもなければ制限に掛かることはない。一般的なインターネット利用であれば、さほど心配する必要はないだろう。
ホームルーターと光回線を比較!それぞれのメリットとデメリット
ホームルーターとなにかと比較されることの多い「光回線」だが、両者を比べてみた場合、当然どちらにもメリットやデメリットがある。本章ではホームルーターと光回線の最大通信速度や対応エリア、料金など、気になるポイントを解説するので、しっかり比較検討して自分に合ったサービスを選ぶ参考にして欲しい。
速度はベストエフォート
ホームルーターの通信速度は「ベストエフォート」。少々分かりにくいかもしれないが、日本語に訳すとベストエフォートとは「最大限の努力」といったところで、つまりはホームルーターの通信速度はできる限り高速になるように努力するが、サイトやカタログなどで謳われる最大通信速度はあくまで理論上の最大値に過ぎないということだ。
キャリア | 最大通信速度(5G・受信時) |
ドコモ | 4.2 Gbps |
au | 2.7Gbps |
ソフトバンク | 2.1Gbps |
UQ | 2.7Gbps |
各キャリアが提供する5Gホームルーターの最大通信速度を上に記載したが、これだけ見ると速度面は光回線に引けを取らないようにと思えることだろう。
しかし、実際には基地局からの距離や電波の混雑状況など諸条件によってホームルーターの実効速度は大きく変わる。さまざまな条件が考えられるため一括りにはいえないのだが、現実的には、最大通信速度の十分の一程度の速度が出ていればマシなほうだ。
もっともこれはホームルーターに限った話ではなく、スマホや携帯電話など、電波を利用した通信機器の宿命だ。普段、スマホを使っていて時間帯や場所によって速度が大幅に低下する経験をしたことがあると思うが、スマホもホームルーターもデータ通信の基本的な仕組みは同様なわけで、わかりやすくいえばこれと同じことがホームルーターでも起きうるということだ。
光回線もベストエフォート型のサービスで実効速度は環境によって異なってくるが、ホームルーターほど速度が著しく低下することはない。これはデータ通信に距離の影響を受けやすい電波ではなく、電波干渉などに強い「光ファイバーケーブル」を用いているため。それゆえ、最大通信速度に肉薄するギガ超えの実効速度を実現できる場合も少なくない。
対応エリアはサービスによってまちまち
光回線は「フレッツ光」のように全国をほぼカバーしているサービスもあるが、それでも人口の少ない山間部などの僻地では利用できないケースも少なくない。
一方、ホームルーターの対応エリアは、基本的にはキャリアの通信網に依存する。その前提で考えるとスマホや携帯電話が使えるエリアであれば、当該キャリアのホームルーターも利用できると思うだろうが、実はさにあらず。というのもホームルーターで使える「周波数帯(バンド)」は、キャリアによってはスマホや携帯電話より制限されている場合があるからだ。
まずドコモについてはホームルーターでも利用できるバンドは一部の5Gを除いてすべて使えるので、対応エリアは最も広い。人口カバー率でいえば全国で使えるといっても差し支えないだろう。
auとUQは使用できるバンドにいくつか制限があるものの、最もつながりやすい「800Mヘルツ帯」の「プラチナバンド」も利用可能だ。従って、対応エリアもほぼ全国をカバーしているといっていいが、800Mヘルツ帯は使用できるデータ通信量に制限がある点がネックだ。
ソフトバンクのホームルーターは利用できるバンドが非常に限られており、プラチナバンドにも非対応。ゆえに対応エリアも4キャリア中で最も狭い。もし契約を検討しているのなら、事前に公式サイトなどで対応エリアをしっかり確認しておいたほうがいいだろう。
4G/5G | バンド | 周波数帯 | ドコモ | au | ソフトバンク | UQ | 備考 |
5G | n28 | 700Mヘルツ帯 | × | ○ | – | ○ | |
n41 | 2.5Gヘルツ帯 | – | ○ | – | ○ | ||
n77 | 3.7~3.8Gヘルツ | – | ○ | – | ○ | ||
n77 | 3.9~4.0Gヘルツ | – | – | ○ | – | ||
n77 | 4.0~4.1Gヘルツ | – | ○ | – | ○ | ||
n78 | 3.3~3.8Gヘルツ | ○ | ○ | – | – | ||
n79 | 4.5~4.6Gヘルツ | ○ | – | – | – | ||
n257 | 27.40~27.80Gヘルツ | × | – | – | – | ||
n257 | 27.80~28.20Gヘルツ | – | × | – | × | ||
n257 | 29.10~29.50Gヘルツ | – | – | × | – | ||
4G | 1 | 2.1Gヘルツ帯 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
3 | 1.7Gヘルツ帯 | ○ | ○ | × | ○ | ||
8 | 900Mヘルツ帯 | – | – | × | – | プラチナバンド | |
11 | 1.5Gヘルツ帯 | – | × | × | × | ||
18 | 800Mヘルツ帯 | – | ○ | – | ○ | プラチナバンド | |
19 | 800Mヘルツ帯 | ○ | – | – | – | プラチナバンド | |
21 | 1.5ヘルツ帯 | ○ | – | – | – | ||
26 | 800Mヘルツ帯 | – | × | – | × | プラチナバンド | |
28 | 700Mヘルツ帯 | ○ | × | × | × | プラチナバンド | |
41 | 2.5Gヘルツ帯 | – | ○ | ○ | ○ | ||
42 | 3.5Gヘルツ帯 | ○ | × | ○ | × |
参考までに上に各キャリアのホームルーターの対応バンドを掲載したが、ざっくりと見てもらえれば分かるとおりドコモのホームルーターは一部の5Gを除いてほぼすべてのバンドに対応。4Gバンドはすべてつかめるので、対応エリアで難儀してなくても済むはずだ。
ただし、4キャリアすべてにいえることだが、今のところ5Gが使えるエリアは都市部などのごく限られた地域に過ぎない。郊外や山間部などでは4Gしか利用できない場合がほとんどなので、注意して欲しい。
オンラインゲームは苦手
オンラインゲームのうちアクション性の高いジャンル──例えば、アクションやFPSなどはリアルタイム性を重視しているため、安定した通信速度や高速な応答速度が要求される。
しかし、ホームルーターはデータ通信に電波を用いていることもあって環境や時間帯などで通信品質を左右されやすいため、オンラインゲームとは相性が悪い。リアルタイム性を重視しないゲームであれば快適にプレイ可能だろうが、現状、パソコンやコンシューマー向けで人気のオンライゲームはアクション系が主流。おそらくホームルーターで支障なく遊べるタイトルはそう多くはないだろう。
一方、光回線はデータ通信に光ケーブルを使用しているため、速度も応答速度も非常に安定している。オンライゲームをストレスなく楽しみたいのなら光回線を選ぶのがベストだ。
テレワークなどビジネス利用なら問題なし
データのやり取りやビデオ会議など、ビジネスシーンでのネット利用はオンラインゲームとは違ってシビアなリアルタイム性は要求されないため、ホームルーターでも問題なく利用できる。例えば、ビデオ会議は参加人数にもよるが小規模なグループなら5Mbps程度の実効速度を確保していれば、問題なく会話が成り立つはずだ。
料金は光回線とあまり変わらない
ホームルーターと光回線のどちらにせよ、料金はサービスによって多少異なるが、目安としてはおおよそ4000円~5000円程度。ホームルーターの料金プランのほうが若干安く思えるが、光回線でもNURO光のように2000円台の料金プラン(マンションタイプ)を実現しているサービスもあるので、平均的に見ればさほど変わらない。
キャリア | プラン名称 | 料金(月額・税込) | 備考 |
ドコモ | home 5G プラン | 4950円 | ・36ヵ月間の継続利用で 端末代は実質無料 |
au | ホームルータープラン 5G | 4620円 | ・「5Gルーター割(割引550円・ 加入後25ヵ月間)」適用時 ・36ヵ月間の継続利用で 端末代は実質無料 |
ソフトバンク | Air 4G/5G共通プラン | 4180円 | ・「SoftBank Airスタート 割プラス(割引1188円・ 加入後24ヵ月間)」適用時 ・36ヵ月間の継続利用で 端末代は実質無料 |
UQ | ギガ放題プラス ホームルータープラン |
4268円 | ・「WiMAX +5G はじめる割(割引682円・ 加入後25ヵ月間)」適用時 ・端末代は別途必要 |
ただし、ホームルーター、光回線のどちらもサービスによってはキャッシュバック等の大幅な割引を行っている場合もある。費用を少しでも抑えたいならこうした割引も検討しよう。
ホームルーターのおすすめ4選(2022年7月現在)
本章では各キャリアの最新ホームルーターを厳選して紹介する。ここで取り上げたモデルはすべて5G通信に対応し、エリアさえ対応していれば最大通信速度2.1~4.2Gbpsの高速通信を利用できる。
もっとも速度はベストエフォートゆえ額面上の最大通信速度を実現できるわけではないが、5G回線にも対応していたほうが少しでも速い実効速度を期待できるはずだ。
また、ホームルーターの価格だが、基本的にいずれのキャリアもそれぞれ独自の割引サービスを実施しており、端末代金は実質無料もしくは低価格で購入できるようになっている。それゆえ端末価格の高い・安いだけで契約先を選ぶのはあまり得策ではないので注意しよう。
なお、キャリアによっては4G回線専用のホームルーターも扱っているが、こちらを選ぶのは控えたほうがいい。というのも、ホームルーターの料金プランは5Gと4Gで共通となっており、料金目当てであえて4Gホームルーターを選ぶ理由はないからだ。
au/UQのホームルーターにはふたつのモードがある
auとUQの5Gホームルーターは「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」というふたつのモードを利用できる。両者の最大の違いは「利用できるエリアの広狭」で、auのプラチナバンド帯である「800Mヘルツ帯」も加えて使えるプラスエリアモードのほうがスタンダードモードより広いエリアに対応している。
となれば、広範なエリアで使えるプラスエリアモードを中心に運用したほうがいいと思うだろうが、それは現実的には難しい面もある。なぜなら、容量無制限で使えるスタンダードモードとは異なり、プラスエリアモードには月間データ通信量に制限があり、既定量を超えると月末まで通信速度が「128kbps」に制限されてしまうからだ。
プラスエリアモードの月間データ量は、auが30Gバイト、UQが15Gバイトといずれもかなりタイトだ。UQの2倍のデータ量を使えるauのほうが余裕はあるが、一方で月額料金はUQのほうが若干安めとそれぞれにメリット・デメリットがある。
いずれにせよ、プラスエリアモードはデータ通信量に制限があるため、インターネット固定回線としては運用しにくい。従って、au・UQのホームルーターを契約する場合は、データ容量が無制限で使えるスタンダードモードの対応エリアを前提にして検討したほうがいい。プラスエリアモードはスタンダードモードの補佐として使う程度に考えておいたほうが無難だ。
スタンダードモード | プラスエリアモード | |
月間データ容量制限 | 上限なし | 制限あり auは月間30GB UQは月間15GB |
対応エリア | WiMAX 2+エリア auの一部の5G および4G LTEエリア |
プラチナバンドの 4G LTEエリアを 追加利用可能 |
利用できる通信 | au 5G/au 4G LTE/ WiMAX 2+ |
ドコモ
HR01
シャープ
高さ170ミリのコンパクト筐体を採用した5G対応のホームルーター。最大通信速度1201MbpsのWi-Fi6に加え、特定の場所に向かって電波を集中して放射する「ビームフォーミング」にも対応するなど、Wi-Fiルーターとしての機能も盤石だ。
ビギナー向けの配慮も行き届いており、スマホとの接続は本体底面のQRコードを読み込んでボタンを押すだけ。さらに本体前面にリセットボタンを備え、動作が不安定なときなども簡単にホームルーターを再起動できる点も重宝する。
●製品情報
●おもなスペック
キャリア:ドコモ/発売日:2021年8月27日/5G通信:受信4.2Gbps・送信218Mbps、4G通信:受信1.7Gbps・送信131.3Mbps/Wi-Fi6:最大1201Mbps/同時接続台数:65台(Wi-Fi:64台/有線LAN:1台)/有線LAN:1基(最大1Gbps)/幅95ミリ×高さ170ミリ×奥行き95ミリ・720g
au・UQ
Speed Wi-Fi HOME 5G L12
NECプラットフォームズ
最大2402Mbpsの4ストリームに対応した5Gホームルーター。最新のWi-Fi6に対応し、複数台接続時も遅延の少ない安定した通信を実現する「OFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)」機能を搭載。さらに、省電力機能として「TWT(Target Wake Time)」を備え、通信待機状態になった子機をスリープ状態に移行することで余計なバッテリー消費を防げる。
●製品情報
●おもなスペック
キャリア:au・UQ/発売日:2021年11月5日/5G通信:受信2.7Gbps・送信183Mbps/4G通信:非公開/Wi-Fi6:最大2402Mbps/同時接続台数:42台(Wi-Fi:40台/有線LAN:2台)/有線LAN:2基(最大1Gbps)/サイズ・重量:幅101ミリ×高さ179ミリ×奥行き99ミリ・446g
au・UQ
Speed Wi-Fi HOME 5G L11
ZTE
高速通信が可能なWi-Fi6に加え、2基の有線LAN端子を備えるなど、スキのないスペックを誇る高性能モデル。Wi-Fi6では最大通信速度1201Mbpsの高速通信を実現するほか、省電力機能として「TWT(Target Wake Time)」にも対応しており、子機側のバッテリー消費を極力抑えながらワイヤレス通信を利用できる。
専用スマホアプリも用意しており、ルーターの設定を行ったり、データ通信量や電波状態の確認をしたりすることも可能。SSIDや暗号化キーなど、旧ルーターのWi-Fi設定をコピーして新しいホームルーター側に移し替えられるので、ビギナーでも簡単にWi-Fi環境を構築可能だ。
●製品情報
●おもなスペック
キャリア:au・UQ/発売日:2021年6月4日(UQ)/2021年8月6日(au)/5G通信:受信2.7Gbps・送信183Mbps/4G通信:非公開/Wi-Fi6:最大1201Mbps/同時接続台数:32台(Wi-Fi:30台/有線LAN:2台)/有線LAN:2基(最大1Gbps)/サイズ・重量:幅70ミリ×高さ182ミリ×奥行き124ミリ・599g
ソフトバンク
Airターミナル5
OPPO
最大2.1Gbpsの5G通信に対応したホームルーターで、独自技術として「アンテナセレクション」を搭載。8本の内蔵アンテナから特に強い電波を掴んでいる4本を自動的に選択することで、安定したデータ通信を実現している。さらにWi-Fi6を筆頭に、1Gbps対応の有線LAN端子を2基、暗号化技術として堅牢なセキュリティを誇る「WPA3」を備えるなど機能面も盤石だ。
●製品情報
●おもなスペック
キャリア:ソフトバンク/発売日:2021年10月/5G通信:受信2.1Gbps・送信非公開/4G通信:受信838Mbps/送信非公開/Wi-Fi6:最大2402Mbps/同時接続台数:130台(Wi-Fi:128台/有線LAN:2台)/有線LAN:2基(最大1Gbps)/サイズ・重量:幅103ミリ×高さ225ミリ×奥行き103ミリ・1086g
まとめ
諸事情により回線工事ができない人にとって、まさに救いの手ともいえるホームルーターだが、キャリアによって通信速度や対応エリア、料金などは思いのほか異なる。ざっくりといえば、通信速度や対応エリアはドコモが他社を一歩リードしているが、料金面では手頃なプランを提供しているauやUQ、ソフトバンクがお得感が高い。
重視するポイントは人それぞれだろうが、インターネット回線は快適につながらなければ意味がないという大前提は忘れてはならない。安い料金だけに釣られることなく、自分の住まいが対応エリアにしっかり入っていることは絶対に前もって確認しておこう。
また、今回取り上げた4キャリア以外にもホームルーターを扱っている事業者もあるが、これらは通常、キャリアの代理店という扱いだ。こうした代理店のホームルーターはサービス内容はキャリアと同等だが、多くの場合、料金プランが本家のキャリア版より安く、さらにはキャッシュバック等の大幅な割引施策を実施していることが多々ある。
ただし、キャリアの直販と比べると料金が安いぶん、サポート品質はそれなりであまり高望みはできない。ビギナーは手厚いサポートが期待できる、本家キャリア版のほうが無難だ。
◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。