多くの人は老後を公的年金に頼って生活することになるでしょう。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分の年金の情報を確認することができます。ただし、実際に受給する際は、世帯ごとの年金収入に応じて所得税や住民税、介護保険料、そして国民健康保険料が天引きされることになります。

[別記事:【終活】お金・住まい・健康の3つがポイント!楽しい老後を送るための必要な「活」の準備→

本稿は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

ねんきんネットなどで年金の額を確認する

老後も働く人や投資を行っている人を除き、多くの人は老後を公的年金に頼って生活することになるでしょう。

終活をしつつ安定した老後を送っていくには、ある程度の資金が必要になります。それには、自分の老後の収入はどれくらいになるかを、確認しておくべきです。

年金に関する情報をチェックする方法は2つあります。

1つ目が、国民年金・厚生年金保険に加入中のすべての人に届く「ねんきん定期便」です。これは毎年1回、誕生月に届き、年金加入期間や年金見込み額をチェックできます。

2つ目は、 日本年金機構が運営するウェブサイト「ねんきんネット」です。インターネットを通じて、年金の情報を24時間いつでも確認することができます。毎年1回しか届かない「ねんきん定期便」と比べて手軽に利用できるため、ぜひとも登録することをおすすめします。

ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)

画像: サイト利用には「ねんきんネット」への登録が必要。サイトのユーザIDを取得するか、マイナポータルからの連携で、登録できる。

サイト利用には「ねんきんネット」への登録が必要。サイトのユーザIDを取得するか、マイナポータルからの連携で、登録できる。

ねんきんネットで確認できること

①公的年金制度(国民年金、厚生年金保険、船員保険、共済年金)の加入履歴
②国民年金保険料の納付状況
③厚生年金保険の加入記録
④船員保険の加入記録

年金の記録に誤りがないかチェックする

年金の記録は厳正に処理・管理されていますが、誤りがない訳ではありません。もし問題点を見つけた場合は、「ねんきん定期便」に同封されている「年金加入記録回答表」に追加・修正項目を記入し、返信用封筒を使って日本年金機構に送付しましょう。記録の調査・確認が行われます。

画像: 年金の記録に誤りがないかチェックする

企業年金のもらい忘れを確認する

企業によっては、「確定給付企業年金」や「厚生年金基金」など、企業年金を実施している場合があります。

企業年金の普及率はそう高くありませんが、もし自分が働いていた企業が実施していたのであれば、もらい忘れに注意しましょう。

特に「厚生年金基金」は、2014年に解散して「企業年金連合会」へ移管された関係で、多くの人がもらい忘れているといわれています。

画像: 不明な点があれば企業年金連合会に連絡しましょう

不明な点があれば企業年金連合会に連絡しましょう

毎月の支出・老後資金をまとめておきましょう

毎月の支出が収入を上回れば、当然、貯金を切り崩すことになります。「入るお金」と「出るお金」をきちんと把握しておき、エンディングノートなどにまとめておくといいでしょう。

【老後に「入る」お金】
・公的年金
・退職金
・手持ち資金
<該当する人のみ>
 ・企業年金
 ・確定拠出年金
 ・その他収入(不動産など)

【老後に「出る」お金】
・基本生活費(食費や居住費)
・その他の支出(趣味やレジャー)
・ライフイベント
・万一のお金(医療費など)

ねんきん定期便ではわからない天引き後の手取り

自分の年金受給額は、ねんきん定期便で確認することができます。

ただし、実際に受給する際は、世帯ごとの年金収入に応じて所得税や住民税、介護保険料、そして国民健康保険料が天引きされることになります。

それらが天引きされたあとの実際の手取り額はねんきん定期便ではわかりません。

下項では、いくつかの事例を元に世帯別の年金受給額をシミュレートしています。自分に近い世帯構成を参考にすれば、実際の手取り額をある程度は把握できるのではないでしょうか。

なお、ここで手取り額が思ったより少ない、老後が心配だ、と感じた人は、年金の受給額や老後の収入を増やす方法(別記事参照)を実践してみるとよいでしょう。

画像: ねんきん定期便ではわからない天引き後の手取り

世帯別の年金受給額をシミュレート

以下のシミュレーションでは、小数点第2位以下を四捨五入して計算しています。したがって「天引きされる年間の金額」や「世帯の手取り」等が、見かけ上の数値から計算した結果とは若干異なる場合があります。

会社員&専業主婦世帯の場合

世帯主
・4大卒・会社員
・生涯平均年収:600万円
・勤続(予定):37年
月額 16.7 万円
/年200万円

配偶者
・4大卒・元会社員・主婦
・就業時平均年収:300万円
・勤続:10年
月額 7.8 万円
/年94万円

天引き
【所得税/住民税】
月額 -1.3万円
/年間 -16万円
【介護保険料/国民健康保険料】
月額 -4.1万円
/年間 -49万円)

 
▼世帯の手取り
月間 19.1 万円
/年間229万円

会社員&パート世帯の場合

世帯主
・4大卒・会社員
・生涯平均年収:450万円
・勤続(予定):37年
月額 14.1 万円
/年169万円

配偶者
・短大卒・元会社員・主婦
・生涯平均年収:215万円
・勤続:10年/パート15年
月額 7.5 万円
/年90万円

天引き
【所得税/住民税】
月額 -0.8万円
/年間 -10万円
【介護保険料/国民健康保険料】
月額 -3.8万円
/年間 -46万円)

 
▼世帯の手取り
月間 16.9 万円
/年間203万円

自営業&パート世帯の場合

世帯主
・高校卒・自営業
・生涯平均年収:800万円
・勤続(予定):42年
月額 6.5 万円
/年78万円

配偶者
・短大卒・元会社員・主婦
●生涯平均年収:200万円
●勤続:5年/パート20年
月額 6.9 万円
/年83万円

天引き
【所得税/住民税】
月額 -0.2万円
/年間 -2万円
【介護保険料/国民健康保険料】
月額 -3.1万円
/年間 -37万円)

 
▼世帯の手取り
月間 10.2 万円
/年間122万円

会社員世帯の場合

本人
・4大卒・会社員
・生涯平均年収:400万円
・勤続(予定):37年
月額 13.3 万円
/年159万円

天引き
【所得税/住民税】
月額 -0.6万円
/年間 -7万円
【介護保険料/国民健康保険料】
月額 -2万円
/年間 -24万円)

 
▼世帯の手取り
月間 10.7 万円
/年間128万円

離婚経験者世帯の場合

本人
※結婚期間10年、元夫の離婚時平均年収を500万円、勤続15年と仮定。
・4大卒・元会社員・パート
・生涯平均年収:300万円
・勤続:10年/パート17年
月額 10.6 万円
/年128万円

天引き
【所得税/住民税】
月額 -0.2万円
/年間 -3万円
【介護保険料/国民健康保険料】
月額 -1.7万円
/年間 -21万円)

 
▼世帯の手取り
月間 8.7 万円
/年間104万円

●本記事で紹介している情報は、2022年7月15日現在のものです。これ以降の法・制度改正等には対応しておりませんので、あらかじめご了承下さい。
●本記事で紹介している情報をもとに行動したうえで発生したトラブル・損害につきましては、一切の補償をいたしかねます。自己責任の範囲内で検討・実践してください。

■監修/小泉 寿洋(終活カウンセラー1級・ファイナンシャルプランナー(AFP))
■イラスト/宮坂希
※この記事は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)に掲載されています。



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