キャンピングカーでの長期旅行の際などによく使うため、筆者はメスティンが大好きです。実際のところ、メスティンだけで8個ほど所有しており「もう買わない!」と思っていたのですが、どうしても気になって、新たに入手したのが「Pegoo メスティン フッ素加工」になります。いわゆる1.5合サイズのメスティンが、なぜそんなにほしくなったのか? 実際に使い勝手はどうなのか? をみなさんに報告させてください。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
9個目でもほしくなった理由は!
吹きこぼれ抑止溝と内側のみのフッ素加工のふたつが決め手
筆者の家のアウトドア機材保管庫をざっと見回したところ、キャンピングカーでの旅行の際にメスティンの比較記事などを多数書いたためか、少なくとも大小様々なメスティンが8個あり、もう買い足すこともないだろうと思っていました。
過去の記事
▶【ダイソー・3号タイプメスティン】湯沸かしから炊飯、ラーメン作りまで大活躍 税込1,100円は破格
▶【ダイソーのメスティン】1.5合用フッ素加工で1,100円は破格!後片付けも簡単なアウトドア調理器具
しかし、何気なくアマゾンでおもしろいアウトドアグッズはないかと探していたところ、見つけたのが「Pegoo メスティン フッ素加工」です。Pegoo(ペグー)と読むらしいのですが、まったく知らないブランドで、東京にある日廣産業が展開するアウトドアブランドだといいます。
今回入手した「Pegoo メスティン フッ素加工」は1.5合タイプ、すでに複数個持っているサイズですし、実はフッ素加工タイプのメスティンも所有しています。
しかし、それでも筆者が気になったのが「吹きこぼれ抑止溝付き」とフッ素加工がメスティンの内部にのみ施されており、上に掲載した写真でも分かるように外観はフッ素加工なしの一般的なアルミ製メスティンに見えるふたつのポイントからです。
なおフタとしてハンドル部分を折りたたんだ状態での大きさは長さが約16.5cm、高さが約7cm、幅が約9.5cm、ハンドルを伸ばすと長さが約29cmとなり、フタを含む全体の重さは約170gです。価格はアマゾンで2,640円(税・送料込み)と決して安価なメスティンではありません。
筆者の場合、キャンピングカーのなかでカセットこんろでメスティンを使ってご飯を炊くことも多く、その際に吹きこぼれると後片付けの手間が増えてイラッとするわけです。「吹きこぼれ抑止溝付き」で吹きこぼれがなくなれば、後片付けの手間も、ストレスもなくなります。これはぜひ試してみたい。
さらにメスティンは思う存分水が使えない環境で使うことも多く、ウエットティッシュなどでも後片付けが可能なフッ素加工はとても便利でおすすめです。
しかし、筆者の持っているフッ素加工のメスティンは外側もフッ素加工がされており、見るからにフッ素加工済みとなっています。これがちょっとなんか軟弱な感じがして格好悪く感じます。これに対して「Pegoo メスティン フッ素加工」はフッ素加工は内側のみなので、外観は完全に一般的なアルミ製のメスティン、この点が気に入って入手したわけです。
実際に吹きこぼれないのか? 汚れは簡単に落ちるのか? 実際に炊飯を行って試してみました。
「Pegoo メスティン フッ素加工」で炊飯
カセットこんろでも吹きこぼれないかを実験
まずは筆者がキャンピングカーやアウトドアでもっともよく使うカセットこんろで炊飯して吹きこぼれないかを実験してみました。
カセットこんろは最近入れ替えたイワタニ最新の「達人スリム+」で従来よりも小さく薄くなったのに3.3kWの高火力を誇るおすすめのアイテムです。沸騰までの時間が短く火力も強いので、かなり吹きこぼれやすい条件といえるでしょう。
うす型!ごとく高さ74mm カセットフーシリーズの中で最もうす型のこんろです。調理時も食べる時もラクラク。 回しやすい点火つまみ 点火つまみをつまみやすく、操作しやすいデザインにしました。 ムダ火を抑制するタテ型炎口バーナー 鍋底からこぼれる炎が少なく燃料節約! 細部にまでこだわった使い勝手 …
「Pegoo メスティン フッ素加工」のは上の写真のように炊飯用の目盛りが付いており、米と水を目盛りの位置まで入れて、1時間ほど給水させた後、炊飯するだけで簡単にご飯を炊くことができるようになっていて便利です。
また、米や水の量のメモリの上にあるのが「吹きこぼれ抑止溝」のようですが、確かにこの溝がないメスティンもありますが、1.5合サイズクラスだと多くのメスティンで、この溝加工が行われているように感じます。どの程度の効果が期待できるのでしょうか?
筆者の場合、メスティン+カセットこんろで炊飯するときは、十分に吸水させた後、強火で沸騰するまで温度を上げ、沸騰したら極弱火に変え、水分がほぼなくなったところで火を止め、タオルなどにくるんで30分程度逆さまの状態で蒸らして、完成としています。
「達人スリム+」のように火力の強いカセットこんろでは、ほかのメスティンでもかなり確率で吹きこぼれてしまうのですが、残念ながら「Pegoo メスティン フッ素加工」でも上の写真のように吹きこぼれてしまいました。比較的程度は小さいですが、完全に吹きこぼれが防げるといったレベルではないようです。
ただし、この後、フタの位置を戻して、まったく問題なくご飯は炊けました。
多少の吹きこぼれはあったものの、まったく問題なくご飯は炊けました。ただし「Pegoo メスティン フッ素加工」の目盛りどおりに炊飯すると、かなり硬めかもしれません。筆者は硬めのご飯が好きなので問題を感じませんが、柔らかめが好きな方には硬すぎるかもしれません。目盛りを基準に好みに合わせて調整することをおすすめします。
吹きこぼれないか? 固形燃料でも再チャレンジ
カセットこんろのなかでもかなり火力の強い3,000kWオーバーの「達人スリム+」の強火でいきなり沸騰させて「やっぱり吹きこぼれるじゃない!」では、さすがに乱暴過ぎるので、メスティンとの組み合わせでの半自動炊飯の定番ともいえる固形アルコール燃料での炊飯でも吹きこぼれないかを観察してみました。
ダイソーで購入した25gタイプの固形燃料が燃え尽きるまで待って、タオルで包み、約30分メスティンを逆さまにして蒸らす方法でご飯を炊きました。
「達人スリム+」のような強い火力は出ませんが、上に掲載した写真のようにかなりの量の水蒸気が発生しますが、確かに吹きこぼれは発生しませんでした。厳密にいえば数滴水蒸気から発生した水滴は落ちていましたが、フタも外れることなく吹きこぼれて周りが汚れることもありません。気持ちよく炊飯ができました。
炊き上がったご飯。「Pegoo メスティン フッ素加工」+「固形燃料」では、吹きこぼれも発生せず、気持ちよくご飯が炊けました。
ただし、ご飯の炊き具合には、かなり好みがあるので一概にはいえませんが、筆者は強火の「達人スリム+」で炊き上げたご飯のほうがシャッキリしているように感じ好みです。とはいえ硬めのシャッキリ目のご飯が好きというのは少数派のようなので参考にはならないかもしれません。
フッ素加工は本気でおすすめ
内側だけがフッ素加工なのが本当にいい感じ
キャンピングカーや車中泊の旅行では、ふんだんに水が使える洗い場が確保できないこともよくあります。そのためウエットティッシュなどで拭くだけで後片付けが簡単にできるフッ素加工のアイテムは本当に便利でおすすめです。実際、筆者もフッ素加工済みのメスティンがいちばん好きなのですが、なんというのでしょうか? それを気にすること自体が格好悪いことも認識しているのですが、男子的? なギア・ガジェットとしては、鉄のフライパンの方がフッ素加工済みのフライパンよりプロっぽくて格好いい的な価値観が働き、メスティンもフッ素加工済みよりもアルミ製の方がどことなく格好よく感じてしまうわけです。
そのため「Pegoo メスティン フッ素加工」のように中側のみフッ素加工の方が全面フッ素加工よりも人に見られたときに格好いいと思ってしまいます。見た目も性能の一部ということでしょうか?
そんな「Pegoo メスティン フッ素加工」のフッ素加工の効果を、ご飯を炊いた後の片付けをウェットティッシュ数枚で行い試してみました。
結果は上々で、べたつくご飯粒などもフッ素加工のおかげで簡単に落ち、本当にウエットティッシュ数枚で後片付けが終わります。思うように洗い場を確保できないことのあるキャンピングカーや車中泊での旅行では非常に便利です。
さらに外側はアルミそのままなので、使用した後の焦げ付きなどしっかりと残り、使い込んだ経年変化も残るのでギアやガジェットとしての満足度も得られます。筆者としては、とてもうれしい結果です。
まとめ
【フッ素加工の力】お米がくっつかないメスティン。Pegoo(ペグー)ブランド入荷しました。 安いメスティンと比べてみてください。きっと驚くと思います。 底面が高級フライパンと同じ素材フッ素加工なのでシーズニング不要・お米がくっつきません。
【コンパクトで使いやすい!】ばらつきがちな小物類の収納としても使えて便利。容器の中に必要な調味料や調理器具などを収納すれば、コンパクトに持ち運ぶことができます。…
どれかひとつ持っていくなら「Pegoo メスティン フッ素加工」にするかも
今回追加した「Pegoo メスティン フッ素加工」を含めて、筆者はおそらく9つのメスティンを所有しています。
「Pegoo メスティン フッ素加工」以外の8つでは「どれかひとつを持っていくとしたら?」と聞かれると「キャプテンスタッグ アルミ角型クッカー」もしくは「ダイソー メスティン1.5合 フッ素加工」で悩むところでした。しかし「Pegoo メスティン フッ素加工」と「ダイソー メスティン1.5合 フッ素加工」が同じサイズであることを考えると、今後は「Pegoo メスティン フッ素加工」か、「キャプテンスタッグ アルミ角型クッカー」で悩むことになりそうです。
筆者の思い込みかもしれませんが、フッ素加工というとちょっと軟弱なキャンプギアという印象がありますが、後片付けまで考えると非常に実用的で本気のキャンプギアといえます。
また「吹きこぼれ抑止溝」の効果については、実は1.5合タイプよりも大きなメスティンには、同じような溝が付いてるものが多く、効果のほどは不明ですが、確かに固形燃料での炊飯では、ある程度効果があったといえるのでしょう。
筆者の場合「Pegoo メスティン フッ素加工」を入手するまでに8つのメスティンを使ってきましたが、実用性、見た目などの考慮したうえで、現在イチオシのメスティンです。フッ素加工の性質上、空焼きなどで高温に加熱するとフッ素加工が傷むので注意する必要があるのは当然ですが、フッ素加工自体の耐久性はどのくらいあるか? といった気になるポイントは多少ありますが、現在のところ非常に気に入り満足しています。