燃焼させずにニオイを低減した、近年スタンダードになりつつある加熱式タバコ。現在国内展開しているのは3社。その主翼機種はPMJの「アイコス イルマ i(アイ)」、BATJの「グローハイパープロ」、そして今回レビューするJT(日本たばこ産業)による『プルームエックス アドバンスド』である。その要点をヘビースモーカーの筆者がまとめてみた。
加熱式たばこの利点〜火を使わないから引火しない、寝タバコでも安全。副流煙やニオイも少なめ!
加熱式たばこは、一般の紙巻きタバコのようにタバコ葉を燃やさない。高温で加熱することでニコチンを揮発させて吸入するタバコデバイスだ。そのメリットには、ニオイをまき散らしにくい、壁にヤニがつかない、服にニオイが付きにくい、タール値が9割方削減できるなどがある。
ただ紙巻きタバコと加熱式タバコを比べたとき、「火を使わない安全性」はとても重要だ。消防庁「令和3年版消防白書」によれば、未だに火災の原因のトップをマークしているのがタバコ(2位たき火、3位コンロ)である。自身、家族、周囲近隣の安全を守ることにつながるのだ。
『プルームエックス アドバンスド』とは?
ブームに火をつけたフィリップ モリス ジャパン(PMJ)の「アイコス(イルマ i)」、手軽な価格帯のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)の「グロー・ハイパー」に対して、同じくコンサバ庶民派路線を行っているのがJT『プルームエックス アドバンスド(Ploom X ADVANCED)』(約44mm×89mm×24mm/95g・税込1,980円・発売中)だ。
デバイス価格はPMJ「アイコス イルマ i」が税込3,980〜9,980円で、BAT「グローハイパープロ」が税込2,980〜3,980円に対して、『プルームエックス アドバンスド』は税込1,980円(一択)と低価格路線なのも特徴。
専用スティックの最低価格は「アイコス・イルマ」用「センティア」が税込530円で、「グロー・ハイパー」専用スティック「ラッキーストライク」が税込430円なのに対して、『プルーム・エックス』専用たばこスティックは「メビウス」「キャメル」ともに税込500円と中間だが、ワンコインの範疇で紙巻き定番ブランド「メビウス」が吸えるのは大きい。
喫味は「アイコス・イルマ」用が平均して一番キツめ。「グロー・ハイパー」はカプセルタイプの激辛メンソールなど攻撃性の高さがポイントだが、『プルーム・エックス』専用たばこスティックは良い意味で、激しすぎない喫味が特徴だ。
中でも紙巻きタバコで日本のホワイトカラーの定番として人気を集めてきた「マイルドセブン」を源流に持つ「メビウス」の味わいは、紙巻きタバコとはニュアンスが違うが、タバコ葉の旨味(旨味の強いタバコ葉の「ラミナ」を使用)に焦点を当てた、王道の味仕立てになっている。
『プルームエックス アドバンスド』はどんなタバコデバイスなのか
『プルームエックス アドバンスド』の使い方は、タバコ葉を仕込んだ専用タバコスティックを、本体に差し込み、本体中央を長押しすることで加熱をスタートさせ、バイブで震えたら、おもむろに吸い込む。ひと吸い目は熱い蒸気が出てくるので、舌をやけどしないように注意が必要だ。
喫煙時間は約5分だが、吸い込み回数が無制限なのが特徴で、チェーンスモーカーに向いている。「アイコス イルマ i」は約6分(もしくは14回)で、「グローハイパー」が約4分30秒(ブースト時3分)と考えると、真ん中の位置づけだ。
『プルームエックス アドバンスド』の構造は、約320℃に到達する最高加熱温度をコントロールしながら、空気の流れを制御する加熱技術「パワーヒートフロー」を搭載。確かな旨味と吸い応えを出す工夫がされている。
『プルームエックス アドバンスド』の吸い応えを高める方法 〜加熱式タバコの吸い方のコツ
紙巻きタバコから加熱式タバコへスイッチしたとき、感じる違和感はその白くモクモクしたものが、煙から上記に変わっていることである。その蒸気の白さは食品添加物としても使われるグリセリン類だ。
基本的に紙巻きタバコ同様に吸えば味わえるようになっているが、おいしく味わうにはちょっとしたコツがある。紙巻きの時よりは、蒸気の加熱が間に合うようにゆっくりめに吸い、しっかり蒸気を舌の上にため込んでから、一気に肺に入れる。
紙巻きタバコで言うところの、タール値の高い銘柄の吸い方「クールスモーキング」方式が、加熱式タバコの味わいをグンと高めるのだ。
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[タバコは20歳になってから]