【歯周病ケア】まずいのにロングセラーの歯みがき『クリーンデンタル』は本当にまずいのか

レビュー

「まずい」「おいしくない」と叫ばれつつも、35年以上ロングセラーを続けている不思議な歯みがき『クリーンデンタル』。そのまずい理由と、実際の味わいと使用感について、歯ぐき弱めの筆者があらためて試してみた。

人はなぜ歯を磨く?〜歯みがき粉の味はおいしくあるべきなのか

むし歯や歯周病にならないためには、口内を清潔にしておくこと。そのために人は長い時を超えて歯を磨いてきた。若い時代はむし歯予防がメインで、大人になってくると清潔感のある白い歯を求め、大人になりすぎると歯周病が気になるなど、目的の微調整はあるものの、とにかく磨き続けてきたのである。

そして歯みがき時には歯みがき粉をつけて、ブラッシングする。それはもう口の中に入れるものだけに、おいしいに越したことは無い。ただでさえ面倒くさいし。

 

歯みがきキャリア初期、幼い頃は「バナナ味」などにだまされて(?)、面倒くさがらずに歯みがきを習慣化した人も多いと思う。

 

ただ大人になると、ミントの清涼感など、嗜好も変わってくる。むし歯防止や美白機能も気になってくる。しだいにおいしさよりも、自身の欲しい機能を満たすものにシフトしていくのだ。

 

歯だけでなくて、歯ぐきが心配になる年頃(中高年)になって出会う大人の通過儀礼:『クリーンデンタル』のまずさの衝撃

筆者も中高年になってから、歯ぐきケアに意識が向いた。歯を磨いていても、ときおり歯ぐきが腫れるときが増えてきたから。そうなるとドラッグストアの”大人の”歯みがき粉コーナーの棚が、がぜん気になった。それまでも見ているはずなのにスルーしてきた、医薬品のニオイのするパッケージがずらりと並ぶ。

 

「歯周病」「歯槽膿漏」「知覚過敏」「歯石沈着」などの恐ろしげな見た目の漢字の熟語が踊っていて、なんとなくドキドキ。CMでよく聞く名前もあれば、どういう意味かわからないあやしげなネーミングのものもある。

そうした中から、何種類も自分にぴったりくる歯みがき粉を試していったのだが、はじめて第一三共ヘルスケア『クリーンデンタル』を使ったときの衝撃は忘れない。まるでいきなり歯科医院が口の中に侵入してきたようなケミカルな味わいに、「まずっ」と声が出た。そして初回の歯みがきの途中でくじけた。情けないことに投げ出して、他の歯みがき粉を使ったのである。

 

いまいちど『クリーンデンタル』のまずさに立ち向かってみた

あれから何年経っただろうか。歯ぐきの環境は一進一退で、歯周病知らずになったわけではない。そこで改めて2024年2月に、『クリーンデンタル® トータルケアシリーズ』としてリニューアルを果たしていたこともあり、メーカーより製品サンプル全5種を提供頂けたので、再び立ち上がったのだ。

 

ちなみにその際のリニューアルでは、イソプロピルメチルフェノールを2倍、殺菌成分「ラウロイルサルコシン塩」の増量もはかったという。他にも名称の一部変更や、各目的別の有効成分の増量・追加配合も行われたという。

 

まずは基本の赤い『クリーンデンタル トータルケア』を恐る恐る口の中へ!

かつてまずさショックを受けたのも赤い箱だった気がする。選び抜かれた10種の薬用成分を配合し、歯周病を予防してくれると『クリーンデンタル トータルケア』(100g・参考価格 税込1,452円・発売中・医薬部外品)の箱には書いてある。そこで心の準備と共にメーカーサイドにまずさについて、コメントを求めてみた。

今回のリニューアルにより処方が変更になっておりますが、基本的な考え方や取り組み姿勢は製品が誕生した約40年前の開発当時とは変わっていません。

目的は歯周病予防と、口内のトータルケア。むし歯、口臭予防、歯石沈着防止などに必要な薬用成分は多数あります。ただ成分同士が影響しない相性も考えなくてはなりません。『クリーンデンタル トータルケア』の薬用成分は10種類。それぞれ個性的な味をしていますし、薬品的な苦みもあります。

それらすべてをまとめるために、私たちは”塩味”をトップに持ってきたのです。その強力な塩辛さが、まずいと感じられる理由の中心にあるのではないでしょうか」(第一三共ヘルスケア)

なるほど…。頭では理解できた。 歯周病からむし歯まで、歯と歯ぐきをトータルケアできる歯周病予防歯みがきのまずさの源は、塩化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムのダブルしょっぱい成分の配合にあるのか。ただ長年にわたり改良も続けているというので、その辺は期待したいところ。

ではブラシに健康な赤ちゃんの歯ぐきを連想させるピンク色の『クリーンデンタル トータルケア』のペーストをしぼり出す。この時点では、「仁丹(じんたん)」や「龍角散(粉末の方)」のような、昭和感あふれる香り立ちだが、それほど嫌じゃない。

 

口に入れて磨きだしたら、塩辛い! 朝だったら目が覚めるほどの強烈さ。その後に仁丹的ミント感がフワッとくる。うーん、やっぱりまずい…。以前より大人になったというのに、口の中が、舌が、喉が嫌がっている(胃も)。ただ以前感じた歯医者さんが口の中に侵入している感覚はない。

磨いていると清涼感の嵐。かなり我慢して磨き上げる。しっかり口をゆすいでも続く、口の中のスースー。どこかに仁丹がいる気がして、もう一度口をゆすいでしまった。

 

メーカーいわく「3日で慣れて1週間でクセになる」は本当か?

最低でも3日、ということは朝晩2回だと6回。けっこう修行感があるなあと感じながら、『クリーンデンタル』生活を継続。変化が訪れたのは3日目の朝だった。いちいち覚悟して歯みがきを行っていたのだが、いつもの口、舌、喉、胃の抵抗勢力が弱まってきたのだ。

 

その上、口をゆすいだ後のさっぱり感が気持ちよくなってきた。歯ぐきの色も少し清潔感が出てきたような。触ると歯ぐきがキュキュッと引き締まった気がする。しっかりめに口をゆすぐ必要があるが、そのあとは口の中が新品になった気がするくらいスキッとしている。

 

「これなら悪くないかも」

 

メーカーの意図通り、確かにこの塩辛さに慣れ、しつこくゆすいだ後のさっぱり感を感じてしまうと戻れない気がしてきた。比較のために一度もとの刺激弱めの歯みがき粉を使ってみたら、物足りなくなってしまった。家にはけっこう歯みがき粉の種類を取りそろえているのだが、どれも『クリーンデンタル』の刺激には及ばないし、さっぱり感がどうにも物足りないのだ。

 

結局の所、『クリーンデンタル』は自分の中では嗜好品なのではないかと判断した。はじめてビールの苦さ、むせかえるタバコ、薬臭いケミカル感の「ドクターペッパー」を味わったとき、たいていの人はおいしいと思わなかったはず。だがそのクセが次第に離れがたいものへと変化していったはず。

 

しかも通常嗜好品はカラダに悪いものだが、この『クリーンデンタル』は口内環境に良いのだからクセになっても問題ないのだ。

『クリーンデンタル® トータルケアシリーズ』は、他に4製品が存在するので、順に味わってみよう。

 

電動歯ブラシ時代に最適な『クリーンデンタル 無研磨a』

通常の歯ブラシでの使用では問題なくとも、毎分約3万回を超えたりもする電動歯ブラシでは、研磨剤が含まれていると歯の表面のエナメル質を必要以上に傷つけてしまう可能性がある。そんなときに良いのが研磨財務配合の『クリーンデンタル 無研磨a』(90g・参考価格 税込1,408円・発売中・医薬部外品)である。もちろん歯ぐきが敏感な人なら、手みがきでもこちらの方が安心だ。

 

ゲルタイプになっており、するすると磨けるのが特徴。これはこれでまたまずさの種類が違って、慣れるまでの時間が改めて必要だったのに驚いた。

 

ゼオライトでニオイをストップ! 『クリーンデンタル 口臭ケア』

『クリーンデンタル 口臭ケア』(100g・参考価格 税込1,452円・発売中・医薬部外品)は歯周病だけでなく、気になるお口のニオイも予防できる製品だ。口臭防止成分(ゼオライト/鉱石の一種)がニオイを吸着し、気になる口臭を防止してくれるという。

 

爽やかなレモンフレーバーということで、抵抗なく味わえると思ったら、以外と塩レモンのようにおいしく頂ける感じではなかったのが残念。使用後はさっぱり。

 

もうアイスにビビらない! 『クリーンデンタル 知覚過敏ケア』

実は筆者は歯がしみやすい。いわゆる知覚過敏症状だ。なので『クリーンデンタル 知覚過敏ケア』(100g・参考価格 税込1,452円・発売中・医薬部外品)は一番気になっていた製品だ。

 

硝酸カリウムが、歯がしみるのを防いでくれる上、甘くないシャキッとしたフレッシュミントフレーバー。これは2回の歯みがきで慣れたし、気になる症状にもアプローチできて気に入った。

 

清潔感の基本はやっぱり歯! 『クリーンデンタル 美白ケア』

人の清潔感の大半は、歯の白さで決まるのではないだろうか。したがって『クリーンデンタル 美白ケア』(100g・参考価格 税込1,452円・発売中・医薬部外品)も気になっていた製品。

 

ポリビニルピロリドンがお茶やコーヒーなどでくすむ歯の蓄積汚れ(ステイン)を除去してくれる。マイルドなハーブミントフレーバーは、意外と抵抗なかった。

 

 

製品サンプル提供●第一三共ヘルスケア
【更新】2024年8月13日に一部表現を修正いたしました。

公式サイト

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