「毎日の買い物はまず『ダイソー』から」をモットーにする筆者が発見した気になるアイテム。今回紹介するのは『多目的クレンザー』。コゲやサビの掃除に大活躍のクレンザーだが、まさか110円でここまで汚れを落とせるとは思わなかった。その実力をレビューする!
小さな粒子でコゲやサビを削りおとす!
キッチン周りの掃除で苦戦するコゲやサビ。クレンザーはこれらの頑固な汚れを落とすために使われる家庭用洗剤だ。成分の中に非常に小さな粒子(研磨剤)が配合されており、ヤスリのように汚れを削り落としてくれる。
筆者は自炊するものの1人暮らしを始めてからおよそ10年もの間クレンザーを使ったことがなく、鍋の裏がコゲで真っ黒になっている。元々はシルバーだったはずなのに……。
流石にこれはまずいと思いクレンザーを購入しようと思い立ったとき、ダイソーで運命的な出会いをする。それが『多目的クレンザー』(9cm×9cm×4.4cm/150g・希望小売価格 税込110円・発売中)だ。
クレンザー成分・液性を表で比較 〜研磨剤含有率45%で110円ってすごすぎる!
クレンザーならわざわざダイソーにこだわらなくても「ジフ」とかでいいんじゃない? と考える人も多いだろう。そこで、『多目的クレンザー』(ダイソー)と、『ジフ』(ユニリーバ・ジャパン)と、成分配合率が似ている『ハイホーム』(日本珪華化学工業)の特徴を表にまとめてみた。
注目してほしいのは、研磨剤の含有率。一般的にクレンザーは、80〜90%前後(粉末タイプ)と20〜50%前後(クリームタイプ・ペーストタイプ)に分類され、この割合が高いほど研磨力が高いという傾向がある(3商品はいずれも後者)。
『多目的クレンザー』は含有率45%なのに対し、「ジフ」は研磨剤含有率20%。単純な研磨力なら『多目的クレンザー』に分がある。ただし、「ジフ」はそもそも傷つきにくさを売りにしたクリームクレンザー。研磨材にもやわらかい素材を採用しており、目的が違うクレンザーなのだ。
一方、天然の珪酸の華(湯の花)にヤシ油使用の石鹸を配合した、石鹸クレンザー「ハイホーム」の研磨剤含有率は50%と近い割合。研磨材の種類も同系統となっている。それにもかかわらず『多目的クレンザー』の価格は10分の1だ。むろん研磨材の細かな違いや界面活性剤、その他との配合バランスなどで使い勝手は変わるだろうが、この値段差でここまで寄せるのはすごい。
なお、液性はいずれも弱アルカリ性。油汚れを中和する作用があるためキッチン周りにも使いやすくなっている。
フライパンのコゲを磨いてみた!
それではさっそくコゲを落としてみよう。『多目的クレンザー』を適当に取り、コゲ部分に塗る。ペースト状だから水に薄めずに使えるし、垂れないから無駄にせず使えるのがうれしい。ちなみに、今回ブラシに使ったのはダイソー「シンク用隙間お掃除シリコーンブラシ」(税込110円)。
ゴシゴシとこすっていくと、クレンザーが白から茶色に変わりコゲが落ちていく。フライパンは微妙に凹凸していて細かい部分は磨けないが、平らな部分はすぐにきれいになった。これは気持ちいい。(画像は右側のみ磨いたもの)
ただし、非常に頑固な汚れは平らな部分でも簡単には落ちない。5分ほど磨き続けると多少マシになったが、もうすこし根気強くこする必要がありそうだ。
少し疲れたので気分転換にシンクを磨いてみた。すると、使用前は水はけが悪い状態だったシンクの撥水が明らかに変化。
シンクは水垢や傷が原因で水が滞留するらしいが、クレンザーによって水垢を削ぎ、傷をなめらかにできたのだろう。今までの掃除ではこうはならないので、改めてクレンザーのすごさを実感できた。
結論:とりあえず買うなら問題なし! 頑固な汚れは要検討
突き詰めると奥の深いクレンザーの世界だが、クレンザーを持っておらずこだわりがないのなら『多目的クレンザー』で問題ないと感じた。筆者は10年来の頑固すぎるコゲを相手にしたため落としきれなかったが、それでも80%くらいは落とせたし、シンクであれば全く問題なく使える。もちろん、新品レベルにまできれいにするなら別商品を購入したほうがいいだろうが。