加熱式タバコの代名詞といえばフィリップ モリス ジャパンの「アイコス(IQOS)」。現行機種「アイコスイルマ(イルマi)」で使用できるたばこスティックのメインブランドが、『テリア(TERIA)』シリーズです。現在22種類まで拡大している『テリア』の味わいをヘビースモーカーの筆者が全部吸い比べて、選び方も考えてみました。
- 加熱式タバコブームの火付け役「アイコス」のおさらい〜2021年「アイコスイルマ」登場で大幅に味が変わった!
- 『テリア リッチ レギュラー』
- 『テリア レギュラー』
- 『テリア スムース レギュラー』
- 『テリア バランスド レギュラー』
- 『テリア ウォーム レギュラー』
- 『テリア ルビー レギュラー』
- 『テリア ハイブリッド パール グリーン フルーツ』
- 『テリア ハイブリッド パール スムース ミント』
- 『テリア メンソール』
- 『テリア ミント』
- 『テリア ブラック メンソール』
- 『テリア オアシス パール』
- 『テリア サン パール』
- 『テリア ブラック パープル メンソール』
- 『テリア ブラック イエロー メンソール』
- 『テリア ブラック トロピカル メンソール』
- 『テリア ブラック ルビー メンソール』
- 『テリア フュージョン メンソール』
- 『テリア パープル メンソール』
- 『テリア イエロー メンソール』
- 『テリア トロピカル メンソール』
- 『テリア ブライト メンソール』
加熱式タバコブームの火付け役「アイコス」のおさらい〜2021年「アイコスイルマ」登場で大幅に味が変わった!
テレビのバラエティ番組「アメトーーク!」で取り上げられたことをきっかけに、2016年頃に加熱式タバコ・ブームが訪れました。当時は「ポップコーン臭」と呼ばれるローストされた蒸気の独特のニオイに違和感を感じ、ブームでありながらも紙巻きタバコからの移行を断念する人も同じくたくさんいました。
そうした背景から、より紙巻きタバコユーザーが違和感なく楽しめるように開発されたのが、2021年にデバイスの内部構造を一新して登場した「アイコスイルマ」と、専用スティックの「テリア」です(翌2022年には廉価版スティック「センティア」も登場)。
その画期性は、タバコ葉がこぼれないようにスティック先端を封印して、スティック内部に金属を入れ、誘導加熱で中心からも加熱するという独自方式です。いわゆるポップコーン臭の原因となる加熱されたタバコ葉のクズをスティック内に封じ込めてしまったのです。
デバイス自体も直接タバコ葉に触れないがゆえにメンテナンスフリー。繰り返し使用することでデバイス内部にたまって異臭を放つタバコ葉のクズも発生しなくなりました。当然味わいも以前の「アイコス」とは一線を画す洗練された味わいに。「イルマ」専用たばこスティックは、加熱式特有のクセを極限まで抑えることに成功しました。
今回はそれまでの加熱式タバコの味わいに新風を吹き込みながら、全22種類にまで拡大した「アイコスイルマ」専用たばこスティックのメインスティックシリーズ「テリア」を、ヘビースモーカーの筆者が試していきたいと思います。
選び方のヒントになるように、それぞれ種別に分けてレビューしていきます。
●王道レギュラー系(20本入・税込580円)
紙巻きタバコではレギュラーでも、特有のクセから加熱式ではメンソールタイプを選んだという人も、「テリア」ではちょっと様相が違います。改めて味わいたい王道レギュラー5種。
『テリア リッチ レギュラー』
喫味の強さ、最強を望むならこの『テリア リッチ レギュラー』。深煎りコーヒー的なロースト感・コクもありつつ、行きすぎたクセのない上質なリッチ感があります。吐いた蒸気はどこかにシガー的なニュアンスも感じるのが、大人です。
『テリア レギュラー』
第1次「アイコス」ブームの中心にいた「レギュラー(当時はマールボロ・ブランド)」。当時はいろいろ悪態をつかれた風味ですが、年数が経ってみると懐かしさと共においしさを感じるから不思議。
実際に『テリア レギュラー』となって、雑味のない洗練された味わいになると、このクセが実はタバコ葉が本来持つ香りであり、旨味でもあるのだなと改めて感じさせられます。
『テリア スムース レギュラー』
タバコの味は苦い? 酸っぱい? スッキリとしたタバコが好みの人は、この酸味をうまく立たせた『テリア スムース レギュラー』がおすすめ。コクはしっかりあるけれど、酸味による切れ味の良さで旨味が引き立ちます。
蒸気の舌あたりの柔らかさが群を抜いていて、リラックスタイムにうってつけの芳醇な旨味が上品。
『テリア バランスド レギュラー』
おいしいコーヒーが苦味と酸味をバランスさせておいしさを表現するように、『テリア バランスド レギュラー』も絶妙なバランスで勝負しています。吸い応えに丸みはあるものの、吸った感と厚みのあるキック感が心地いいのが魅力です。
『テリア ウォーム レギュラー』
ウォームってなんぞやって思いますが、香ばしさの表現のようです。焙煎感とでもいうべき香ばしい香りがふわりと立って、まろやかにタバコ葉の旨味が喉まで広がっていきます。キック感は鋭くないものの、しっかりとした圧を感じて、ふんわり旨い印象。
●くせものレギュラー系(20本入・税込580円)
一筋縄ではいかないレギュラー3種。気に入る人は気に入るかもしれない、もう一つの可能性にチャレンジしています。
『テリア ルビー レギュラー』
レギュラーといいながら、ふわんとフルーティーな香りが鼻を打つ、異色のフルーティーレギュラー『テリア ルビー レギュラー』。フレーバーメンソールで人気のベリー系からメンソールを抜いた感じの味わいです。
どちらかと言えば海外のシガー系のフィール。タバコ葉をベリージュースにつけ込んだような味わいは、クセと思えばクセですが、嗜好品としてはアリかも。
『テリア ハイブリッド パール グリーン フルーツ』
「普段はレギュラー(の紙巻きタバコ)だけど、加熱式タバコの時はメンソール/フレーバー派です(本当はレギュラーがいいけど)」という人のために生まれたいいとこどりの『テリア ハイブリッド パール グリーン フルーツ』。
ちなみに2つの『テリア ハイブリッド』、海外では先行して発売していたものだそう。
レギュラーだけど、途中で気が変わったらフィルターに仕込まれたカプセルを指や歯で潰して味変できます。この『テリア ハイブリッド パール グリーン フルーツ』はそのまま吸うと『テリア バランスドレギュラー』的な王道レギュラー味。
でも敏感な人は、後半になるに従って加熱式ならではの酸味が強く出てくると感じる人もいるでしょう。そんなときにはカプセル・オン。草原のようなグリーン感を秘めたフルーティーさが広がって、クセを消去して新鮮な味わいを提供してくれます。
紙巻きタバコからの切替組で、レギュラーかフレーバー、メンソールかで迷っている人にもちょうどいい。
『テリア ハイブリッド パール スムース ミント』
レギュラーとメンソールを両方ポケットに入れて、気分に合わせて楽しんでいる人にもうってつけな『テリア ハイブリッド パール スムース ミント』。これなら1箱で両方楽しめます。
カプセルを潰すと、スペアミント的な甘みのある清涼感が喉にグッときます。辛味と刺激の強いペパーミントではなく、じわっときて甘みのあるスペアミントタイプの清涼感なので、タバコ葉の旨味を上書きせずに、しっかりおいしいメンソールタバコ味となるのが素敵です。
●王道クラシックメンソール系(20本入・税込580円)
スースーしなければ話にならないというメンソールタバコの王道系。
『テリア メンソール』
王道メンソールとして定番人気の『テリア メンソール』。吸ってみるとメンソール強度はけっこう強め。気付けの一服に適した、メンソールメインのタバコ味という感覚。ペパーミント系の辛さと、喉奥までグンと広がるスースー感。鼻の奥までしっかり寒くなるところがポイントです。
余計なものはいらない、しっかり刺激して、キック感も味わいたいという人にとっては最初の1箱にぴったりかも。
『テリア ミント』
それなりの清涼感でいいです。加熱式特有のクセさえマスクできれば。そんな第1次アイコスブームの中心で君臨していたのがミント味。『テリア ミント』はスペアミント系の甘みのあるスースー感が特徴で、シンプルだけど落ち着いて味わいやすいメンソール系タバコ。うーん、ほどよい!
『テリア ブラック メンソール』
通称「ブラメン」として、紙巻きタバコの「マールボロ ブラックメンソール」から人気に火が付いて加熱式タバコシーンでも絶大な人気を誇る製品。ハーバルな苦味のある強力なメンソールが特徴の『テリア ブラック メンソール』は、本革のライダースーツがに合いそうなハードボイルドな味わいが特徴です。
身も心も引き締まりたいときに、ガツンと吸いたい強力スースーパンチ。喉の奥を直接鋭く刺激してくるこのフィーリングは、やっぱりクセになります。
●カプセルメンソール系(20本入・税込580円)
カプセルを炸裂させて、別世界に行けるクセ強系。
『テリア オアシス パール』
普通に吸うとシンプルでほどよい強度のメンソール味。これといって特徴はないのだけれど、カプセルを潰すと南国系のジューシーさが広がる、リゾート感満点の逸品。パイナップルとベリーと、あとマンゴー的な甘みも感じる。
『テリア サン パール』
こちらの『テリア サン パール』も、そのまま味わうとストレートなメンソールタバコ。カプセルを潰してからが本番みたい。ちなみにカプセルは潰すとフィルターも少し潰れて通気性が悪くなるので、少しかたちを戻してからの方が吸いやすい。
カプセルで広がるのは、とてもクセのあるキューカンバー(きゅうり)的な感もあるオリエンタルなジューシーフルーツ感。これは吸う人を選ぶかも。
●フレーバーメンソール・ブラック系(20本入・税込580円)
公式ではフレーバー系メンソール項目に含まれているが、やはりブラメン系の強冷フレーバーメンソールは分けて考えた方が良いと思います。
『テリア ブラック パープル メンソール』
加熱式タバコからベイプに至るまで、人気の高いベリー系メンソール。喉にガリッと来る苦味のメンソールに、ベリーが混ざって、吐く蒸気が甘酸っぱい。『テリア パープル メンソール』という定番製品もあるが、キリリとした清涼感を求めるとしたら、こっちがおすすめ。
『テリア ブラック イエロー メンソール』
イエローといいながら、パッケージが緑っぽく見えてややこしい『テリア ブラック イエロー メンソール』。喉にガリッと来る苦味と冷感のメンソールに加わるのはシトラス(柑橘)。
ただそれほど柑橘感は強くなく、ハードボイルドなメンソールにほんのりと色づけされる感じなのが心地よし。
『テリア ブラック トロピカル メンソール』
キリリとしたブラメンタイプのメンソールに、リゾート感あふれる南国感が加わった『テリア ブラック トロピカル メンソール』。甘やかなフルーツの相性がとても良く、暑い外の風景を楽しみながら、ガンガンにクーラーで冷やした室内で「セックス・オン・ザ・ビーチ」のような甘いトロピカルカクテルを飲む感じと言えばいいのかも。
『テリア ブラック ルビー メンソール』
大人気のベリーメンソールのもう少し赤いフルーツに振れたジューシー感。同じベリーでも紫系と赤系の2種類があるので、好みのベリーを選びましょう。この『テリア ブラック ルビー メンソール』赤系の方がワインに近い豊穣さは感じます。
●フレーバーメンソール系(20本入・税込580円)
『テリア フュージョン メンソール』
フルーツとハーブとフローラルさを兼ね備えた、独特の世界観を持つ『テリア フュージョン メンソール』。吸う人を選ぶ味わいだけれど、タバコにアロマ感を求める人にはハマるよう。
確かに花の香りが中和することで、上品な蒸気として吐けるのはポイントが高いかも。
『テリア パープル メンソール』
王道ベリーメンソールの『テリア パープル メンソール』。紫系のベリーフルーツは落ち着きのあるダーク系ベリー風味。香り立ちが強く、室内の香りも上品にキープできるところもまたいい。
『テリア イエロー メンソール』
これもイエローといいながらパッケージがグリーンな『テリア イエロー メンソール』。シトラス好きにはたまらない爽快さが広がり、メンソールもほどよく甘みを感じるスペアミントタイプ。スースー感も強め。
『テリア トロピカル メンソール』
南国フルーツの華やかな香りがフワッとくる『テリア トロピカル メンソール』。『テリア ブラック トロピカル メンソール』に比べると、涼しくなった夕暮れのビーチサイドでピニャコラーダ(トロピカルカクテル)を飲んでいるようなのんびりとしたスースー感を感じます。
『テリア ブライト メンソール』
グリーンフルーツのジューシーさを取り込んだ『テリア ブライト メンソール』。香りはそんなに強くないけれど、わずかなフルーティーな甘酸っぱさが良い仕事をしています。メンソールは意外と喉に来る辛口タイプ。
【テリア公式ラインナップ】
フィリップ モリス ジャパンが公開しているテイストマップは以下の通り。