BATの加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー」専用のたばこスティックは、喫味はキツくニオイも強い、けど安価という存在でした。中堅クラスの『ケント』で1箱20本入り税込480円という強コスパ。そんな中、スティック先端が閉じてタバコ葉がこぼれないようになってメンテナンスフリーになり、ブレンドチェンジでおいしくなったようなので、ヘビースモーカーの筆者が試してみました。
「グロー・ハイパー」専用たばこスティック「ケント」も先端を閉じてメンテフリーの流れに乗った!
フラッグシップの「ネオ」シリーズ、廉価版「ラッキー・ストライク」に続き、中間ラインの「ケント」もついに新技術「スティックシール(StickSeal)テクノロジー」を採用して、タバコ葉の屑がこぼれずニオイが洩れにくい構造に変化しました。これで「グロー・ハイパー」専用のスティックは、全面的にスティックの先っちょが閉じて、メンテナンスフリー化完了。
「ケント」はロゴを含むパッケージデザインも大胆に変更し、スペーシー感を減らして大人が使いやすいイメージに。でも「ケント」の変化の重要なのは、味の変化です。最高加熱温度を約300度に高めた「HEATBOOST(ヒートブースト)テクノロジー」搭載の最新機種、新「グロー・ハイパー/同プロ」使用が前提になりますが、レギュラー中心にとても洗練されました。
「ケント」大刷新の衝撃! 先端が閉じただけじゃない大きな変化とは
2024年7月にブレンド刷新した「ケント・ネオスティック・トゥルー・リッチ・タバコ」では、加熱式タバコ版「ケント」の常識を変えていて、驚きました。グロー系の燻し感と酸味のあいまったニオイのキツさが解消され、紙巻きタバコ版「ケント」のような穏やかなアメリカンタバコ感を表現していたからです。
これはうまい。そう感動していたら、「ケント」が2024年10月15日、パッケージデザインごとフルリニューアル。新ブレンド、ヒートブースト、スティックシールというテクノロジー三羽ガラスが揃って、大進化を遂げたのです。ちょっと全5種類というラインナップの絞り込みはさみしいですが、順番に味を確かめていきましょう。
「ケント・トゥルー・リッチ・タバコ」深みを感じるロースト感と苦味のバランスがうまい!
濃厚タイプのレギュラーは、ともすると悪臭を生み出しがち。そこをマスターブレンダーがだいぶがんばって、味は深くてもクセの強すぎないタバコ葉の旨味を感じさせてくれる名品に仕上げてくれました。スティックシール採用で吸い込む力は重くなりましたが、より雑味を排して洗練された仕上がりです。
【スタンダードモード】葉巻をゆったりとくゆらせているような蒸気が、革張りの社長の椅子が似合う贅沢感を演出。高品質なバージニア葉とオリエンタル葉が生み出す上品な喫味が、深い。ラミナ(タバコ葉の葉肉の部分)を使用しているがゆえの旨味が炸裂。
後半ではロースト感が少し強めに出るが、酸味はがっちり抑えつけ、クセ少なめのままクリア。ゆっくり吸い込み、ゆっくり吐き出すとタバコ葉の旨味に包まれて幸せな気持ちに。
【ブーストモード】ニコチンの辛みが目立ち、紙巻きタバコに近い感覚。吐き出す蒸気も同じく辛いので、蒸気なのに煙たいという不思議な感じになります。スタンダードモードより喫味にエッジが立つのは良いけれど、旨味は少々飛びがちになってしまい、惜しい。
「ケント・トゥルー・タバコ」王道マイルドタバコの喫味で、イヤミのない旨さが光る
【スタンダードモード】これぞ王道ライトタバコ。まろやかでほんのり甘く、酸味と苦味のバランスが絶妙で、ラミナ使用のタバコ葉の旨味がやってきて、幸せになれます。クセのない香りと往年のマイルドタバコ的な旨味バランスがお見事。後半に向かって、多少酸味が目立ってくるけれど、イヤな感じがしないのがブレンドの妙か。
【ブーストモード】シャープなニコチンの辛さが際立って、まろやかさ減少。燃焼速度の速いタイプの紙巻きタバコのような、物足りなさをどうしても感じてしまいます。やはり喫煙時間3分は短い。
「ケント・トゥルー・リッチ・メンソール」渋い大人のための重厚な冷涼メンソール!
【スタンダードモード】喉奥までまっすぐ伸びていく、甘さ控えめの冷感メンソール。方向性としては、激辛ではなく、濃厚な清涼感を目指しているのでしょう。同時にタバコ葉の苦味もしっかり感じ取れるので、紙巻き版「クール」のようなタバコ味のしっかりしたメンソールというニュアンスです。
後半になるほどタバコ葉の味わいが濃くなってきておいしい。
【ブーストモード】冷感メンソールの辛みが目立って、喉奥に強刺激が突っ込んできます。ただその分、タバコらしさは薄まり、バランスはいまいち。
「ケント・トゥルー・メンソール」ネクタイをキリッと締めたスタンダードな清涼感
【スタンダードモード】ほどよい清涼感とタバコ葉の苦味が仲良く共存するやさしいメンソールタバコ味です。舌先には辛いけれど、冷涼感の方が強めかも。後半はタバコ味が目立ってきて、キリッとした旨味を感じさせてくれます。
【ブーストモード】清涼感のストレートパンチ。強めだけれど、どこかにやさしさを感じるおいしさ。タバコ葉の味わいも消してしまうのではなく、苦味をピリッと加えてくれるので、プレゼンの前など、気合いを入れたいときにぴったりでしょう。
短い時間を派手に彩るベリー系「ケント・トゥルー・ベリー・ブースト」
「ケント」唯一のフレーバーメンソールで、カプセルメンソール。フィルター部分の円形アイコン部分を指や歯で押し、内部のカプセルを弾けさせて味変できます。
【スタンダードモード】ほのかなベリー感もあるけれど、通常のおとなしいメンソールタイプ。カプセルを潰すと、突然に広がるフルーティー。ベリーの洪水! 甘酸っぱさより巨峰系の甘みが強めです。
清涼感とニコチンの辛みとベリー風味のバランスが良く、刺激的すぎないベリーメンソールとしておいしい。
【ブーストモード】ほどよい辛さのメンソール味。カプセルを潰すと、ベリーのアロマが頭全体を包み込むくらいのインパクト。強烈だけど絶妙のバランスできちんとおいしいのが不思議。
タバコ葉の苦味と旨味の上で、メンソールがほどよく飛び、ベリーに包み込まれるこの感覚、存分に楽しみたいなら、急いでカプセルを潰しましょう。
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