夏の胃腸の疲れは秋にリセット!医師が教える、話題の酪酸菌が「腸バテ」対策に注目な理由《簡単レシピ4選付き》

健康

夏の暑さがやわらいでも、「食欲が戻らない」「お腹がなんとなくスッキリしない」「冷たい麺やドリンクばかりとっていたからか、お腹がヘン」という人は少なくないはず。それがいわゆる「腸バテ」状態です。今回はそんな夏の腸ダメージを解消するために、乳酸菌やビフィズス菌に比べればあまり知られていないけれど、腸活で非常に重要な役割を果たす「酪酸菌(らくさんきん)」について、イシハラクリニック副院長 石原新菜先生に教えてもらいました。

アイキャッチ画像 出典:酪酸菌大百科( https://rakusan-labo.jp/ )

イシハラクリニック副院長 日本内科学会会員 / 日本東洋医学会会員 / 温活ドクター®
石原新菜 先生
いしはら・にいな◎2006年、帝京大学医学部卒業。同大学病院にて2年間の初期研修を経て、父・石原結實医師のクリニックにて漢方医学・自然療法・食事療法を取り入れた治療を実践。テレビ・ラジオ・雑誌などでの健康解説でも広く知られ、特に「冷えと自律神経」の分野における啓発に取り組む。著書は100冊以上にのぼり、『お医者さんがすすめる 不調を治す10倍ショウガの作り方』(アスコム)などがベストセラーに。

度重なる猛暑による冷たいものの飲み過ぎ・食べ過ぎによるダメージが「腸バテ」として蓄積!

猛暑や冷房などで、夏にたっぷり蓄積された胃腸の不調を、ここでは「腸バテ」と呼びます。医学的な病名ではありませんが、夏の暑さによる冷たい飲み物の多量摂取や、食事の偏りなどが重なったあとに感じやすい状態をさします。

そんな夏のダメージを何とかしたいと、腸活にいそしむ人も多いでしょう。腸活というと乳酸菌やビフィズス菌がよく知られていますが、近年の腸内細菌研究では酪酸菌も重要な菌として注目されています。そこで知っておきたいのが酪酸菌です。

酪酸菌(らくさんきん)って何? いま腸活で注目される理由

とはいえ耳馴染みのない酪酸菌という存在。一体どんな菌なのでしょうか。イシハラクリニック副院長 日本内科学会会員 / 日本東洋医学会会員 石原新菜先生が2つの理由を教えてくれました。

 

「近年話題になっている酪酸菌は善玉菌(有用菌)の1つで、短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん/腸内細菌が食物繊維などを発酵・分解してつくる成分)の一種「酪酸」を産生する善玉菌です。

 

近年、乳酸菌やビフィズス菌に続いて注目される善玉菌として、「第三の善玉菌」と呼ばれ、話題を集めています。

 

酪酸菌の特徴は、大腸の主要なエネルギー源となる「酪酸」を作り出すこと。この酪酸菌とは、大腸のエネルギー源となり、大腸の正常な働きを支える成分なのです」

酪酸菌が重要な理由①善玉菌が活動しやすい腸内環境をつくる縁の下の力持ち!

出典:酪酸菌大百科( https://rakusan-labo.jp/ )

「具体的に言うと、腸内細菌は、さまざまな種類によって酸素を必要とする度合いが違います。善玉菌のビフィズス菌や酪酸菌は酸素を苦手とするタイプ。ただ酪酸は、大腸内の酸素を消費させるはたらきがあるため、酪酸はビフィズス菌や酪酸菌が活動しやすい腸内環境を作ってくれている、縁の下の力持ち的存在です」

 

酪酸菌が重要な理由②大腸バリアの維持を助ける

出典:健康サイト(アリナミン製薬)「【新しい腸活】ポイントは「腸内フローラ」だけじゃない!? 腸内環境を整えるおすすめの方法」

「また、酪酸には腸内の粘液の産生を促進させ、分厚い粘液層(大腸バリア)を保つのを助けるはたらきがあるといわれています。粘液は細胞にくっつこうとする病原体などの異物を洗い流してくれるはたらきがあるため、この大腸バリアの維持こそが、免疫力の維持向上にも貢献しているのです」

 

日々の暮らしの中で「酪酸菌」を取り入れるには?

耳馴染みのない「酪酸菌」を増やすと聞くと、何か特別な食品を探さなければいけないように感じるかもしれません。でも、毎日の食事を工夫して、もともと腸内にいる酪酸菌を育てていくこともできます。

酪酸菌のエサとなる「発酵性食物繊維」などを意識して摂る

「暑い時期についつい食べやすい冷たい食事を摂りがちだったことなどが蓄積して起こるのが腸バテ。これからは食物繊維を意識的に摂ることで、リセットすることができます。

 

とくに食物繊維の中でも、腸内細菌に利用されやすい発酵性食物繊維(りんご、キウイ、ごぼう、玉ねぎ、大麦、大豆、さつまいもなど)や、消化されずに大腸まで届くレジスタントスターチ(難消化性でんぷん/冷めたごはん、麵、イモや豆などに含まれる)などを含む食品を、無理なく食事に取り入れることが大切です。

 

これらが大腸で腸内細菌によって発酵されることで、酪酸菌のエサになり酪酸がつくられて、腸バテをリセットしてくれるのです」

 

石原先生は、「成分の名前は難しいですが、実践はシンプル」だと語ります。「いつもの食事に野菜やきのこ、豆類、もち麦などを少し足して、食材の種類を増やしていくことが大切です」とも。

そこで今回は、石原先生が監修した、オクラ、枝豆、きのこ、もち麦などを使った、食べやすくて作りやすいレシピを4品紹介します。夏の疲れを秋まで引きずらないために、まずは「これなら作れそう」と思う一皿から試してみてください。

 

石原先生が教える腸バテ対策レシピ①『トマトとオクラの冷しゃぶパスタ』

レシピ開発:うんち栄養士 梅原しおり氏 医学監修:石原新菜医師(以下同)

「オクラとトマトの瑞々しさに、豚しゃぶのうま味を合わせた冷製パスタです。オクラは腸内細菌のエサになりやすい食物繊維が含まれており、酪酸菌を意識した食生活にも取り入れたい食材。豚肉も加わるので、パスタだけで済ませるより、満足感のある一皿になります」

材料(2人分)

  • パスタ(細め):160g
  • 中玉トマト:1個(約150g)
  • オクラ:1袋(8本程度)
  • 豚しゃぶしゃぶ用薄切り肉:150g
  • 小ねぎ:3本
  • すりごま:大さじ1
  • ごま油:大さじ1強
  • 白だし:大さじ2
  • 塩:適量

作り方

①トマトは5mm角に切ります。オクラは塩で板ずりしてゆで、冷水で冷やして輪切りにします。豚肉もゆでて冷水で冷やし、食べやすく切ります。
②ボウルにトマト、オクラ、豚肉、ごま油、すりごま、白だしを入れて和えます。
③パスタは塩を加えた湯で、表示時間より1分長くゆでます。冷水でしめて、水気をよく切ります。
④パスタをボウルに加えて全体を和え、塩で味を調えます。
⑤器に盛り、小口切りにした小ねぎを散らせば完成です。

具材とパスタは、しっかり水気を切ってから和えるのがおいしく作るコツです。白だしは商品によって塩分が違うので、最後に味を見ながら調整してください。

石原先生が教える腸バテ対策レシピ②『枝豆とじゃこの腸活混ぜごはん』

「枝豆、舞茸、ちりめんじゃこを混ぜ込んだ、香りのよいごはんです。冷凍枝豆を使えば準備も簡単。みょうがや大葉をのせれば、暑さが残る日にもさっぱり食べられます」

材料(2〜3人分)

  • ごはん:茶碗2杯分(約330g)
  • 冷凍枝豆(解凍してさやから出したもの):50g
  • ちりめんじゃこ:大さじ3
  • 舞茸:1/2パック(約50g)
  • ごま油:大さじ1
  • しょうゆ:大さじ1
  • みょうが、大葉などの薬味:好みで
  • 白ごま:適量

作り方

①フライパンにごま油を入れ、小さくほぐした舞茸とちりめんじゃこを炒めます。
②じゃこがカリッとしてきたら、しょうゆを加えて火を止めます。
③ごはんと枝豆を加えてよく混ぜます。
④器に盛り、みょうがや大葉などの薬味、白ごまを散らせば完成です。

温かいごはんで作ると舞茸とごま油の香りが立ちます。少し冷ましたごはんで作って、おにぎりにするのもおすすめです。

石原先生が教える腸バテ対策レシピ③『モロヘイヤとささみの柚子こしょう和え』

「モロヘイヤ、えのき、鶏ささみを合わせた、ねばりと食感が楽しい副菜です。モロヘイヤにはβ-カロテンや食物繊維が含まれ、酪酸菌を意識したメニューにも取り入れたい野菜。ささみを加えることで、野菜だけでは物足りないときにも食べ応えが出ます。

 

柚子こしょうの爽やかな辛味がアクセントですが、辛いものが苦手な人は抜いてもおいしく作れます」

材料(3〜4人分)

  • モロヘイヤ:1袋
  • えのき:100g
  • 鶏ささみ:1本
  • めんつゆ(2倍濃縮):大さじ2
  • 水:大さじ2
  • 柚子こしょう:小さじ1/2
  • 白ごま:適量

作り方

①鶏ささみをゆで、粗熱が取れたら手で細かく裂きます。
②モロヘイヤは硬い茎を落としてゆで、粗めに刻みます。
③えのきは石づきを切り、ほぐして半分ほどの長さに切ってからゆでます。
④モロヘイヤとえのきは、水気をよく切ります。
⑤めんつゆ、水、柚子こしょうを混ぜ、ささみ、モロヘイヤ、えのきを和えます。
⑥器に盛り、白ごまを散らして完成です。

めんつゆは商品によって濃さや塩分が異なります。味を見て、好みに合わせて量を加減してください。

石原先生が教える腸バテ対策レシピ④『夏野菜ともち麦のチョップドサラダ』

「もち麦、厚揚げ、きゅうり、パプリカ、ミニトマトを合わせた、彩りのよい食べるサラダです。もち麦は食物繊維が含まれており、酪酸菌を意識した腸活にうれしい食材。厚揚げも加わるので、サラダだけでは物足りない人にも向いています」

材料(4人分)

  • もち麦(乾燥):30g
  • きゅうり:1本
  • パプリカ:1/2個
  • ミニトマト:8個
  • 厚揚げ:1/2枚(約100g)
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 酢:大さじ1
  • しょうゆ:大さじ1
  • 粒マスタード:大さじ1
  • 砂糖:小さじ1/2
  • にんにく:1/2片
  • 黒こしょう:少々

作り方

①もち麦はパッケージの表示どおりにゆで、流水でぬめりをよく落として水気を切ります。
②厚揚げは油をひかずにフライパンでこんがり焼き、1cm角に切って冷まします。
③きゅうりとパプリカは1cm角に、ミニトマトは半分に切ります。
④ボウルにオリーブオイル、酢、しょうゆ、粒マスタード、砂糖、すりおろしたにんにく、黒こしょうを混ぜます。
⑤もち麦、野菜、厚揚げを加え、全体をさっくり和えれば完成です。

野菜は細かく切るので、いろいろな具材を一度に食べやすいのが魅力です。粒マスタードやにんにくは、好みに合わせて減らしても構いません。

秋の腸活は、頑張りすぎずに無理なく続けよう

酪酸菌を意識した腸活で、いちばん大切なのは「無理なく続けられること」だと石原先生は語ります。

「毎日もち麦を食べなくても大丈夫です。麺の日にはオクラやきのこを足す。ごはんの日には枝豆や舞茸を混ぜる。時間がない日は、果物や納豆、わかめのみそ汁を一品加える。そんな小さな工夫でも、食物繊維をとるチャンスは増やせます。

夏の間に乱れがちだった食事を、秋の食材で少しずつ整えていきましょう。きのこ、根菜、豆類、海藻類など、これからおいしくなる食材は腸活にも取り入れやすいものばかりです」

さらに効率的に“酪酸菌”を摂取するなら

もちろん酪酸菌を摂取したくても、毎日食物繊維を意識した食事をするのは大変な人もいるはずです。そんなときにとりやすいものに、「酪酸菌配合の整腸剤」があります。

 

整腸剤の効能には整腸、便秘、軟便、腹部膨満感などと書かれていることも多いですが、おなかの不調時だけに飲むものではなく、おなかの日ごろのケアとして毎日整腸剤を摂ることも腸活になります。

 

「毎日の生活に無理なく取り入れられるかどうか」を考えて、食べ物からの摂取にこだわらず、酪酸菌配合の整腸剤やサプリメントなども活用し、賢く続けてゆくのが良いでしょう。

 

『酪酸菌大百科』

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