写真がうまくなるコツをプロが指南!【実践編】第4回/観光名所

文具・ホビー・カメラ

いい写真を撮るには、魅力的な被写体や優れた撮影機材も必要だが、そこにテクニックが伴わないと残念な結果になる。「構図」「ピント」「露出」という3大要素をしっかりと押さえて、写真の出来栄えをアップさせよう!

「実践編」の第4回は「観光名所」だ。
第1回「人物」はこちら
第2回「自然風景」はこちら
第3回「花」はこちら

「基本編」はこちら→
第1回「構図」
第2回「ピント」
第3回「露出」

テーマ❶ メインの建物を効果的に目立たせる

【構図】▶メインの被写体が隠れ、主役が逆転

奥の一段高い所にある本宮を、手前の舞殿を絡めて撮影したい。

だが、舞殿の近くで撮影すると、手前の舞殿が大きく目立ち、奥の本宮は大きさも、写る範囲も、控えめになってしまった。

これでは、撮影時の意図と異なる描写(主役の逆転)になってしまう。

【ピント】▶「AF-S」+「1点の任意選択」でOK

被写体は遠方の建造物なので、AFモードは「AF-S」(「S-AF」と呼ぶメーカーもある)、AFエリアモードは「1点の任意選択モード」でOK。

そして、構図を決めたあとに、主役となる被写体に重なるAFエリアを選択して、確実なピント合わせを行う。

【露出】▶露出オーバーではないが、軽い描写

本宮と舞殿は、明るくも暗くもない被写体だが、周りを囲む鬱蒼と茂る木々は日陰部分もあって暗め。

そういった周囲の影響もあり、露出補正なしでは全体的に明るめになった。

露出オーバーというほどのレベルではないが、この被写体や雰囲気には合わない軽い描写である。

☆☆☆成功のポイント!

▶離れた位置から望遠域でねらう。マイナス0.7補正で重厚感を出した

離れた位置に移動して望遠域でねらう。

この変更により、本宮の位置や大きさが思いどおりになった。

そして、マイナス0.7露出補正で重厚感のある描写に仕上げた。

撮影DATA
150mm/AF-S/絞り優先AE/1/640秒/F8/-0.7露出補正/WBオート/ISO400

テーマ❷ 曇天でも人気スポットを明るく撮る

【構図】▶天気の影響もあり、全体に締まりがない

浅草・吾妻橋から望む、東京スカイツリーのある風景。

有名な観光(撮影)スポットだが、この日の天気はあいにくの曇天。

そのため、手前のビル群と一緒に空を広く写し込むと、全体的に締まりのない描写になってしまう。

これが晴天の青空なら絵になるのだが……。

【ピント】▶ツリーに重なるAFエリアを選択

撮影位置を変えて、近くにある物も画面内に写し込んでみた。

そのため、主役のツリーに確実にピントが合うよう、AFモードは「AF-S」に、AFエリアモードは「任意選択」に設定。

そして、撮りたい構図に構えたあとで、ツリーに重なるAFエリアを選んだ。

【露出】▶空と地面の明暗差で露出アンダーに

このような曇天だと、晴天の順光時に比べて、白い雲が広がる空と地面部分との明暗差が非常に大きくなる。

その結果、空を適度に写し込むと露出アンダーになる傾向がある。

そういう場合には、プラス側に露出補正して、見た目に近い明るさに調整する。

☆☆☆成功のポイント!

▶縦画面で画面に奥行き感を出し、プラス補正で自然な明るさに再現

変化に富んだ赤い欄干を手前に入れて、スカイツリーをねらう。

縦画面により画面に奥行き感が出る。

そして、プラス1.0補正で自然な明るさに再現。

撮影DATA
20mm/AF-A/絞り優先AE/1/30秒/F16/+1.0露出補正/WBオート/ISO320

解説/吉森信哉 (フォトグラファー)

「実践編」はこちら→
第1回「人物」
第2回「自然風景」
第3回「花」

「基本編」はこちら→
第1回「構図」
第2回「ピント」
第3回「露出」

PR

【ドライブ中に純正ナビでテレビ視聴!】データシステム・テレビキットシリーズから最新車種対応のカー用品『TTV443』が登場!
長時間のドライブで同乗者に快適な時間を過ごしてもらうには、車内でテレビや動画を視聴できるエンタメ機能が欠かせない。しかし、純正のカーナビは、走行中にテレビの視聴やナビ操作ができないように機能制限がかけられているのがデフォルト……。そんな純正...

PRガジェット