長寿者が多いことで知られる奄美大島。この島で古くから飲み継がれている、米とサツマイモから作る伝統的な発酵飲料、それが「ミキ」です。豊富な乳酸菌が腸内環境を良好に整え、さまざまな不調を改善に導きます。今回は砂糖を使わない、よりヘルシーなミキをご紹介します。【料理】田町まさよ(自然料理家・ミキ研究家)

プロフィール

画像1: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

田町まさよ(たまち・まさよ)
自然料理家・ミキ研究家。奄美大島に約20年暮らすなかで学んだ“自然と人とのつながりを取り戻す”自然食と、奄美・沖縄に伝わる伝統発酵飲料“ミキ”の魅力を、全国を旅しながら伝えている。著書に『こころとからだ 奄美再生のレシピ』(海風社)がある。
Facebookグループ「発酵飲料“ミキ”を愉しむ」管理人
https://www.facebook.com/groups/1689881597949591/

奄美では赤ん坊から高齢者まで愛飲している

奄美に移住したのは、1996年。26歳のときです。
生きることの意味に悩み、つらい学生時代を経て、波のよさにかれてたどりついた場所がたまたま、ご長寿が多いことで知られる奄美大島でした。

島の気候同様に温かい心を持った奄美の人々と、手つかずの自然に受け入れられ、自分をリセット。気づいたら、もう20年以上も住んでいました。

「奄美のことをもっと知りたい!」という思いに突き動かされ、島中を回り、人に会い、伝統文化に触れる日々。そうするうちに、「昔ながらの食を、今に合う形で伝える」ことこそが私のライフワークになる、と気づいたのです。

島の伝統食のなかでも、特に普及に力を注いでいるのが、米のおかゆと、すったサツマイモ、砂糖で作る発酵飲料の「ミキ」です。

ミキの由来は、神様に捧げる「お神酒」であるといわれています。昔は、夏祭りの際のお供え物として、各家庭で作られていたそうです。

栄養価が高く、消化に負担がかからないことから、赤ん坊から高齢者まで、年齢にかかわらず幅広く愛飲されています。

今、島では市販のミキが簡単に手に入るようになり、手作りする人は少なくなりました。だからこそ伝統を絶やさず、受け継いでいきたいと思うのです。

画像: 「ミキ」普及のため各地で講習会をする田町まさよさん

「ミキ」普及のため各地で講習会をする田町まさよさん

私のレシピは「砂糖不使用」

そんな私ですが、島を訪れた当初は、ミキを全く好きになれませんでした。私には、市販のミキは甘過ぎて、おいしいとは思えなかったからです。

けれども、島のある人のお宅に伺ったときのこと。手作りのミキをいただいたら、そのおいしさにビックリ!
以後、ミキについての本を読んだり、人に聞いたりと模索しながら、自分でも、ミキを作るようになったのです。

ミキ作りを人に教え始めた、2011年の時点では、砂糖の量を控えて作っていました。その後、試行錯誤した結果、砂糖を入れなくてもうまく発酵できることを発見。それが、2013年ごろです(ミキの作り方は下のレシピを参照)。

ちなみに、ミキは沖縄にもありますが、沖縄のミキはサツマイモを入れない点が、奄美の物と異なるようです。

しかし、砂糖を加えないミキは、島内を見渡しても存在しません。私のレシピは、健康的なのが長所ではありますが、本来のミキとは異なる物かもしれないと考えていました。

ところが後に、関連する文献に「古来神棚に供えるためのミキには、砂糖を加えていなかった」とあるのを知り、「砂糖不使用のミキは昔からあった。私は間違っていなかった」と確信を深めました。

それからは、自信を持って、砂糖なしのミキを「伝統発酵飲料」と呼び、料理教室やワークショップ(講座)などで、皆さんにお教えしています。

暑い夏の栄養補給だけでなく発酵食品としての健康効果に注目

ミキは、暑い夏の栄養補給源としても魅力的ですが、それ以上に私が注目しているのは、発酵食品としての健康効果です。
暑い夏なら一晩、冬でも2~3日で、プツプツと力強い泡が立つのを見ていると、こちらまで元気がわいてきます。

画像: 田町さんのミキを使ったレシピ。ゴーヤの水キムチをのせたそば(写真左)、ミキのトマトスムージー(写真右)

田町さんのミキを使ったレシピ。ゴーヤの水キムチをのせたそば(写真左)、ミキのトマトスムージー(写真右)

私はミキの普及のため、インターネット上のSNSサイト「フェイスブック」で、「発酵飲料〝ミキ〟を愉しむ」というグループを主宰しています。

私の作り方でミキを作ってくださった人たちが、ミキを使った料理のレシピや写真を公開してくれていますが、そこに寄せられる声には、驚かされるばかりです。

ある40代の女性は、「ステロイド治療歴40年」という重度のアトピーでしたが、ミキを飲んだ翌日から肌のかゆみが減り、薬がいらなくなったとのこと。このかたは、ご自分でミキ作り教室を開催するまでになり、ついには奄美に移住しました。

ほかにも、便秘が治った、ダイエットに成功した、母乳の出がよくなったなど、枚挙にいとまがありません。

奄美の人々の健康長寿を、昔から後押ししてきたミキ。ぜひ皆さんも作ってみてください。

砂糖不使用!長寿飲料「ミキ」の作り方

全国でも長寿者が多いことで知られる奄美大島。この島で古くから飲み継がれている、米とサツマイモから作る伝統的な発酵飲料、それが「ミキ」です。豊富な乳酸菌が腸内環境を良好に整え、さまざまな不調を改善に導きます。

市販のミキには砂糖が添加されていますが、今回は、砂糖を使わない、よりヘルシーなミキをご紹介します。そのまま飲むだけでなく料理にも応用自在。ミキの強力な発酵パワーを、ぜひ体感してください!

画像2: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

【材料】(出来上がり目安量=2.5L)
サツマイモ…100g(皮をむいた正味量)
米…500g、水…2L

画像3: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

【作り方】
❶米をとぎ、分量の水でおかゆを炊く(炊飯器で炊いても可)。

画像4: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

❷サツマイモは洗って皮をむき、30分ほど水にさらしてアク抜きする。

画像5: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

❸①が冷めるまでよく混ぜる。

画像6: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

❹③が人肌程度まで冷めたら、②をすりおろして加え、さらによく混ぜる。しばらくすると、混ぜ心地が軽くなる。そのあとも均一になるまでしっかり混ぜる。

画像7: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

❺鍋にふたをして、常温(20度以上)の室内に置く。ときどき様子を見ながら混ぜる。暑い日なら一晩、寒い日だと2〜3日でプツプツと泡立ち、発酵してくる。

画像8: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

❻発酵したら、ミキサーにかけてなめらかにする。ふた付きの清潔な容器に、7〜8分目くらいまで入れ、ふたをして冷蔵庫で保存する。

画像9: 【腸内環境改善】奄美の長寿飲料「ミキ」の作り方・アレンジレシピ

エネルギー:77kcal 塩分:0.0g(100ml当たり)

どのくらい飲めばいい?加熱してもいい?ミキQ&A

Q1 1日にどのくらい飲めばいい?
A1 量に決まりはありません。コップに半分くらいから始め、様子を見ながら調整してください。

Q2 どのくらい日もちする?
A2 冷蔵庫で2週間程度は大丈夫。ただ、発酵が進むほどに酸味が増します。変な味やにおいがしたら、腐敗の可能性があるので、飲むのを控えてください。

Q3 容器がふくらんできたが?
A3 発酵が進むと容器が膨張して、破裂するおそれがあります。1日1回はかき混ぜ、ふたを緩めて保存してください。

Q4 そのまま飲む以外のとり方は?
A4 豆乳と割って飲む、シリアルやグラノーラにかける、和え衣やドレッシングにする、スープやカレーに加えるなど応用自在です。

Q5 冷凍はできる?
A5 できます。酸味が苦手な人は、好みのタイミングで冷凍することで、発酵が進むのを防ぐことができます。飲む際は自然解凍してください。

Q6 加熱してもいい?
A6 加熱するほど、ミキに含まれる酵素が不活発になり、乳酸菌も死滅するので、できるだけ生でとることをお勧めします。とはいえ、死滅した菌も腸内の免疫力向上に役立つので、そうした観点からは、加熱しても有用です。

Q7 甘みが欲しいときは?
A7 サツマイモを多めに加えると、甘みが増します。または、飲む際に黒砂糖やハチミツなどを足してもいいでしょう。

Q8 ミキサーがない場合は?
A8 ミキサーにかけるのは、飲みやすくするためなので、省いてもかまいません。

食べごたえ満点!なのにヘルシー「ミキ」レシピ

【リンゴと小松菜のスムージー】

シュワッとした酸味に発酵を実感!ショウガを少々加えても◎

画像: エネルギー:116kcal 塩分:0.0g(各1人分)

エネルギー:116kcal 塩分:0.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
ミキ…200ml、リンゴ…1/2個(150g)、小松菜…50g

【作り方】
❶リンゴは皮をむき、芯を取り除く。
❷ミキと①、適当な長さに切った小松菜をミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌する。
❸グラスに注いでいただく。

【カボチャのポタージュ】

ちょうどいいぽってり感!甘くない大人の味

画像: エネルギー:223kcal 塩分:1.2g(各1人分)

エネルギー:223kcal 塩分:1.2g(各1人分)

【材料】(2人分)
ミキ…200ml、カボチャ…1/4個(300g)
タマネギ…1/2個(100g)、シメジ…20g
塩…小さじ1/2、オリーブオイル…大さじ1

【作り方】
❶カボチャは一口大、タマネギは薄切りにする。シメジは石突きを取り小房に分ける。
❷鍋にシメジ、タマネギ、カボチャの順に重ねて入れ、塩を振り、ひたひたの水(分量外)を加える。ふたをして、カボチャがやわらかくなるまで煮る。シメジは飾り用に少し取っておく。
❸ミキサーにミキと②、オリーブオイルを入れて撹拌する。
❹③を鍋に戻し、軽く温めてから器に盛り、飾り用に取っておいたシメジをのせる。

【蒸し鶏と野菜のミキみそだれ】

肉や魚、なんにでも合う「万能だれ」多めに作って常備したい

画像: エネルギー:241kcal 塩分:3.0g(各1人分)

エネルギー:241kcal 塩分:3.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
◎ミキみそだれ
  ミキ、みそ…各大さじ3、すりゴマ…小さじ3
  ショウガ(すりおろし)…大さじ1
鶏胸肉…200g、ミキ…大さじ2(下ごしらえ用)
ブロッコリー…50g、ニンジン…1/2本(50g)

【作り方】
❶鶏胸肉に下ごしらえ用のミキをまぶし、1時間以上おく。
❷ブロッコリーとニンジンは食べやすい大きさに切る。
❸ミキみそだれの材料を合わせ、よく混ぜる。
❹①と②を蒸し、火が通ったら器に盛り、③をつけていただく。

【ニンジンサラダのミキドレッシング添え】

お酢を入れないのにフレンチドレッシング風!

画像: エネルギー:122kcal 塩分:2.6g(各1人分)

エネルギー:122kcal 塩分:2.6g(各1人分)

【材料】(2人分)
◎ミキドレッシング
  ミキ…100ml、オリーブオイル…大さじ1
  塩…小さじ1、コショウ…少々
ヒジキ(乾)…大さじ1、ニンジン…80g、水菜…40g

【作り方】
❶ヒジキは水で戻し、水気を切る。
❷ニンジンはせん切り、水菜は食べやすい長さに切る。
❸ドレッシングの材料を合わせて、よく混ぜる。
❹①と②を合わせて器に盛り、③をかけていただく。

【キャベツとニンジンの漬物】

翌日から食べられる!あっさり浅漬け風

画像: エネルギー:76kcal 塩分:5.0g(各1人分)

エネルギー:76kcal 塩分:5.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
ミキ…100ml、キャベツ…1/4個(300g)
ニンジン…1/2本(50g)、塩…10g
※塩の分量は主な材料の3%が目安。

【作り方】
❶キャベツはざく切り、ニンジンはイチョウ切りにして、塩でよくもむ。
❷①にミキを加えてよく混ぜ、ふた付きの容器に入れ、常温で一晩おく。味がなじんだら食べごろ。

【白菜と大根の水キムチ】

漬け汁ごと麺類やご飯にかけても美味!数日かけて酸味を引き出す

画像: エネルギー:51kcal 塩分:7.4g(各1人分)

エネルギー:51kcal 塩分:7.4g(各1人分)

【材料】(2人分)
ミキ…50ml、白菜…1/8個(150g)、大根…1/4本(150g)
塩…15g、ネギ(小口切り)…1/4本分(30g)
ショウガ、ニンニク(すりおろし)…各大さじ1/2
トウガラシ(種を除きちぎる)…1/2本分
水…材料がひたひたにつかる程度
※好みの野菜で作れる。塩の分量は主な材料の5%が目安。

【作り方】
❶白菜をざく切りにして、塩でもむ。
❷①がしんなりしたら、拍子木切りにした大根を加え、さらによくもむ。
❸②にミキと、ネギ、ショウガ、ニンニク、トウガラシを加えて混ぜる。水を加えてさらに混ぜ、重石をのせ、一晩おく。
❹翌日に重石を取り、ふた付きの容器に入れ、常温で発酵させる。1日1回はかき混ぜる。2〜3日して酸味が出たら食べごろ。冷蔵庫で2週間程度は日持ちする。

【ミキグルト】

完全に植物性のヨーグルト!育てる感じも楽しい♪

画像: エネルギー:54kcal 塩分:0.0g(各100ml当たり)

エネルギー:54kcal 塩分:0.0g(各100ml当たり)

【材料】(出来上がり目安量=400ml)
ミキ…100ml、豆乳(豆腐が作れる濃いタイプ)…300ml

【作り方】
❶材料をよく混ぜ、ふた付きの容器に、7分目くらいまで入れる。ふたをして、常温で半日から一晩おいて発酵させる。
❷固まったら冷蔵庫で保存。1週間程度は日もちする。好みでジャムなどをのせていただく。
※分離して固まりにくい場合は、水の部分を捨て、豆乳を足してよく混ぜ、①の手順で発酵させる。
※食べて量が減ったら、豆乳を足してよく混ぜ、①の手順で発酵させると、くり返し同様に作れる。固まりにくくなったら、ミキを足す。
※容器いっぱいに入れると膨張して、あふれることがあるので注意。

【ミキグルト入りパンケーキ】

米粉とよく似たモッチリ食感が美味

画像: エネルギー:599kcal 塩分:0.2g(各1人分)

エネルギー:599kcal 塩分:0.2g(各1人分)

【材料】(直径15cm×4枚で2人分)
ミキグルト(上記参照)…300ml、小麦粉…200g
黒砂糖、油…各大さじ2、塩…少々

【作り方】
❶ボウルに油以外の材料を入れ、さっくりと混ぜ、30分程度おく。
❷フライパンを温め、油の1/4量を引き、①の1/4量を入れ、弱火で両面をじっくり焼く。同じものをあと3枚作り、器に盛る。好みでバターやハチミツを塗っていただく。

【サツマイモとリンゴの蒸しパウンド】

油を使わないからヘルシー!秋の味覚のやさしい甘さ

画像: エネルギー:133kcal 塩分:0.0g(各1/10カット分)

エネルギー:133kcal 塩分:0.0g(各1/10カット分)

【材料】(18cm×8cm×6cmのパウンド型1本分)
ミキ…300ml、サツマイモ、リンゴ…各100g
小麦粉…200g、キビ糖(黒砂糖でも可)…50g
シナモン…少々

【作り方】
❶サツマイモは小さめのざく切りにし、鍋に入れ、少量の水(分量外)で蒸し煮にする。
❷リンゴは薄切りにしてから1cm幅に切る。①とともに、飾り用に少し取っておく。
❸小麦粉とキビ糖を合わせ、①と②、ミキを加え、さっくりと混ぜる。生地がかたければ、水を少量(分量外)加えて混ぜ、型に流し入れる。
❹飾り用に取っておいた①と②をのせ、シナモンを振り、蒸し器で30分ほど蒸す。竹ぐしをさして、生地がついてこなければ蒸し上がり。

【バナナと黒砂糖の蒸しケーキ】

どっしり食感で軽食にもピッタリ!

画像: エネルギー:262kcal 塩分:0.0g(各1個分)

エネルギー:262kcal 塩分:0.0g(各1個分)

【材料】(直径6cmのカップケーキ型5個分)
ミキ…300ml、バナナ…1本
黒砂糖…50g、クルミ…大さじ1、小麦粉…200g

【作り方】
❶バナナは皮をむいて輪切りにし、クルミは刻む。いずれも飾り用に少し取っておく。
❷小麦粉と黒砂糖を合わせ、①を入れ、ミキを加え、さっくりと混ぜる。生地がかたければ、水を少量(分量外)加えて混ぜ、型に均等に流し入れる。
❸飾り用に取っておいた①をのせ、蒸し器で30分ほど蒸す。竹ぐしをさして、生地がついてこなければ蒸し上がり。

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