たんぱく質が体内で分解されてアミノ酸となり、またたんぱく質として再合成され、筋肉、皮膚、髪、爪、内臓、骨、血管などを構成できる量は、9種の必須アミノ酸の下限で決まります。きな粉のアミノ酸スコアは100=満点。とても優秀なたんぱく質源なのです。【解説】小池佳嗣(ドクター小池クリニック院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

小池佳嗣(こいけ・よしひで)
1977年、東京都出身。2004年、東海大学医学部卒業。東海大学病院で麻酔科・救急・内科を中心に研修。もともと病気が大嫌いで、自分自身が病気になりたくないという想いが強く、本当のアンチエイジングのためには、体の中からのアンチエイジングが最も大事と考え、「年を取らない」「病気にならない」ための専門クリニックを開院。

きな粉豆乳で全身のかゆみが治まり安眠

いつまでも若々しくいたい。そう願うのは、見た目の年齢が、体内の老化度合や健康状態を如実に反映していることを、私たちが実感しているからかもしれません。

実際、同じ遺伝子を持つ双子でも、生活習慣や環境で見た目年齢に差が出ることがありますが、若く見えるほうが長生きだったという追跡調査の結果が出ているのです。 

私は、アンチエイジング専門医として、本当のアンチエイジングには、体の内側から若返らせることが、最も重要だと考えています。

体を作っているのは食べ物です。何をどれぐらい食べるか、何をとらないようにするかで、見た目の若々しさは大きく変わります。

そこで、私が患者さんに毎日の食習慣に取り入れることをお勧めしている食材の筆頭が「きな粉」です。

80代の男性患者さんからは、きな粉を豆乳に混ぜて飲んだところ、皮膚の乾燥による全身のかゆみが治まり、安眠できるようになったと喜ばれています。

ほかにも、肌がきれいになった、疲れにくくなった、便秘が解消した、オナラがにおわなくなったなど、きな粉を積極的にとるようにしてよかったとの声をたくさんいただいています。

9種の必須アミノ酸と脳の老化を防ぐレシチン

きな粉のよさは、なんといっても優れた栄養バランスと、摂取の手軽さにあります。

きな粉は、大豆を炒って粉状にひいたもので、豆腐や豆乳のように食物繊維が除かれることがなく、みそやしょうゆのように塩やほかの材料が加えられることもなく、「大豆そのもの」と言えます。

きな粉は、「畑の肉」とも呼ばれるほどたんぱく質の含有量が多く、全体の36%を占めます。100g当たりのたんぱく質含有量は、肉や魚、卵などを上回っています。

食べ物に含まれるたんぱく質は、体内で分解されてアミノ酸となり、またたんぱく質として再合成され、筋肉、皮膚、髪、爪、内臓、骨、血液成分・血管などを構成します。

このとき、たんぱく質として再合成できる量は、体内では作れない9種の必須アミノ酸の下限で決まります。きな粉は、必須アミノ酸をバランスよく含むため、アミノ酸スコアは100(満点)。とても優秀なたんぱく質源なのです。

また、たんぱく質がアミノ酸に分解される過程でできる大豆ペプチドは、自律神経(内臓や血管の働きを調節する神経)のバランスを安定させ、血液循環をよくして血圧を適切に保ったり、免疫機能を高めたりする働きがあります。

次に、脂質です。きな粉はリノール酸(オメガ6系)とαリノレン酸(オメガ3系)を4対1の割合で含む、理想的な脂質バランスの食品です。

また、血管を柔軟にして動脈硬化を防ぐオレイン酸(オメガ9系)やレシチン(リン脂質)などの脂質も豊富に含みます。

レシチンは、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンに変わる物質で、脳の老化防止に役立つと考えられています。

画像: 9種の必須アミノ酸と脳の老化を防ぐレシチン

有害金属をデトックスしメタボ改善にも有効

最近では、老化防止や全身の健康維持の観点から、デトックス(解毒)や腸内環境の重要性が注目されています。

きな粉は、食物繊維も豊富で、重量の18%を占めます。

不溶性の食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して蠕動運動(便を先に送る動き)を活発にするので、便通を促します。

さらに、きな粉に含まれている大豆オリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境改善に役立ちます。

そして、きな粉の大きな特徴として、含硫アミノ酸が豊富であることも挙げられます。

メチオニン、システインといった含硫アミノ酸は、植物性の食品からはとりにくい成分で、比較的多く含まれているブロッコリーには100mg、アスパラガスに60mg含まれています。

それが、きな粉にはなんと1100mgも含まれているのです(すべて100g当たり)。
これらの含硫アミノ酸を材料に、体内でメタロチオネインという成分が作られます。

メタロチオネインはカドミウム、水銀、ヒ素、鉛、アルミニウムなど、有害金属を体内から排出するデトックス作用を持っています。便通促進作用と合わせ、いつの間にか取り込んでしまった有害物質の排出を促します。

また、特に水溶性の食物繊維は粘着性を持っているため、胃腸内をゆっくり移動するので、満腹感が持続しやすいという特徴があります。糖質の吸収をゆるやかにして、肥満につながる食後血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。

そのほか、中性脂肪の蓄積を防ぐサポニンや、基礎代謝を上げて体脂肪の燃焼を促進する大豆ペプチドなどとの相乗効果で、メタボ対策としても非常に有効です。

シミ、シワ、たるみ、骨粗鬆症、薄毛を改善

また、不足しがちなマグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、銅などのミネラルや、ビタミンB群、ビタミンE、大豆のポリフェノールであるイソフラボンも豊富です。

マグネシウムは1日の摂取量が100mg増えるごとに、糖尿病の発症リスクが15%減少するという研究があります。特に、糖尿病予備軍のかたにはぜひとっていただきたい栄養素です。

また、大豆に含まれるポリフェノールのイソフラボンは、肌の土台となるコラーゲンの生成を活発にしてくれます。抗酸化作用も高く、肌のシワやたるみ、シミの原因となる活性酸素の害を抑えます。

また、イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持っています。エストロゲンが低下する更年期以降に起こりやすい骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)や、薄毛などの予防にもつながります。

このように栄養豊富なきな粉は、天然のマルチサプリメントと言ってもいいでしょう。

ただし、きな粉の弱点として、ビタミンAとビタミンCは含まれていません。そこでお勧めしたいのが、「青ノリきな粉ドリンク」です(作り方は下記)。

ビタミンAとCが豊富な青ノリを加えることで、きな粉ドリンクが、より完全栄養食に近づきます。
ぜひきな粉を毎日の食生活に活用してください。 

「青ノリきな粉ドリンク」の作り方

画像: 【アンチエイジングのレシピ】食べ物で内側から若返る!おすすめは「青のりきな粉ドリンク」

【材料】
きな粉…大さじ1 
青ノリ…小さじ1 
豆乳…180ml
材料をコップに入れ、よくかき混ぜれば出来上がり。

画像: この記事は『安心』2018年12月号に掲載されています。

この記事は『安心』2018年12月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.