実は、現代人の多くは、たんぱく質の摂取不足が深刻です。筋肉を作るたんぱく質が不足すると、筋肉中に水分が蓄えられず、余分な水分が、細胞と細胞の間の間質という場所にたまってしまいます。それが「むくみ」を引き起こします。骨だしスープなどの食生活でたんぱく質をしっかりとり、血中のたんぱく量が増えると、間質の余分な水分が排出されて、むくみが解消します。【解説】米村美智子(天使の庭代表・精神科医・製菓衛生師)

解説者のプロフィール

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米村美智子(よねむら・みちこ)
天使の庭代表・精神科医・製菓衛生師。看護学校中退後、医学部へ入学し、29歳で医師免許を取得。精神科医として勤務後、自身のグルテン不耐症に気づき、2015年に小麦を使わない健康的なケーキを販売する「天使の庭」をオープン。卵や乳製品などの特定原材料7品目を使わないケーキを開発する。現在は、料理教室やダイエット講座も定期的に開き、安心・安全な食を通じた健康のあり方を発信し続けている。ホームページは「天使の庭 名古屋」で検索。

食事で体を変えていくことの重要性を痛感

私は、医師の見地から、各種アレルギーに対応したケーキ店、料理教室やダイエット講座を開いています。

実は私には、食を通じて健康にアプローチしたいという強い思いがあります。

私は長年、原因不明の体調不良に悩まされていました。研修医時代は、疲れやすく、うつに近い症状をくり返していました。

その後、小麦の摂取をやめたところ、腹部の膨満感が改善したので、小麦に含まれるグルテンの不耐症だとわかったのです。

さらに、血液検査で、遅延型小麦アレルギーや卵アレルギーもあることがわかったのですが、まさか自分に小麦と卵のアレルギーがあるなんて、全く気づきませんでした。

今思えば、絶不調だった当時は、パスタを食べることに依存していたと言っていいほどで、私の偏った食生活が、自分自身を痛めつけていたのです。

そこで、食生活を見直した結果、体調はすこぶる改善。食事で体を変えていくことの重要性を痛感しました。

私の不調の改善に役立った食べ物の一つが、肉や魚などを骨ごと煮込んでだしを取った「骨だしスープ」です。

骨からアミノ酸(たんぱく質の構成成分)やミネラル、ビタミン、コラーゲンなどがたっぷり抽出された、栄養の宝庫です。

近年問題視されている“腸もれ”を改善!

骨だしスープは、近年問題になっている「腸もれ(リーキーガット症候群)」の改善にも有効です。

腸もれとは、腸の炎症によって腸にすきまが生じ、そこから細菌や毒素、未消化のたんぱく質などが通り抜けてしまう状態のことです。

すると、それを体が敵とみなして攻撃するという、免疫反応が起こります。こうして、体の各所で炎症が起こり、さまざまな不調が発生するのです。

腸もれの原因はさまざまです。例えば、前述のグルテン、乳製品に含まれるカゼイン、医薬品(鎮痛剤、抗生剤、胃酸分泌抑制剤など)、また、糖質の過剰摂取、食品添加物、農薬、さらには環境ホルモン、ストレスなど、枚挙にいとまがありません。

そこで役立つのが、骨だしスープです。だしに含まれるグルタミンなどのアミノ酸が、傷ついた腸を修復し、適切な消化をサポートしてくれます。

こうして腸の働きが正常化すれば、それにしたがって、さまざまな不調が予防・改善されていくのです。

現代人の多くは深刻なたんぱく質の摂取不足

私は、この骨だしスープを柱とした、ダイエット講座を定期的に開いています。ダイエットを通じて食べ物のよしあしを知り、より健康的な食生活を送っていただくことが目的です。

参加者には、やせたいかたのほかにも、アトピー性皮膚炎やリウマチ等の症状を改善されたいかたもいらっしゃいます。

講座では、手作りした骨だしスープを中心に、食事を組み立てます(作り方は下記参照)。期間は3週間で、食事は1日2食。プチ断食の時間帯(男性は16時間、女性は14時間)を設けることで脂肪の燃焼を促すため、朝食は抜きます。

また、緩い糖質制限を行い、加工食品などの食材は控えるように指導します。加工食品は、食べたい衝動を募らせる傾向があるため、これを断つことで、過剰な食衝動を抑制します。

そして、食べてよい食材と、いけない食材を明確に区別し、期間中は、できるだけ食べてよい食材だけを食べてもらうようにお願いしています。

当然、骨だしスープも、極力毎日とっていただき、腸に疾患がないかたは、具も召し上がるように勧めています。

この骨だしスープダイエットを始めると、最初の1週間で、体重がストンと3㎏程度落ちるかたがよく見られます。しかし、これは決して偶然ではありません。

実は、現代人の多くは、たんぱく質の摂取不足が深刻です。

筋肉を作るたんぱく質が不足すると、筋肉中に水分が蓄えられず、余分な水分が、細胞と細胞の間の間質という場所にたまってしまいます。それが「むくみ」を引き起こします。

骨だしスープなどの食生活でたんぱく質をしっかりとり、血中のたんぱく量が増えると、間質の余分な水分が排出されて、むくみが解消します。これが、ダイエット初週の体重減をもたらすのです。

また、骨だしスープは、間質の毒素や老廃物も排出し、間質を浄化。細胞の活性化を促します。

さらに、たんぱく質は、セロトニンなどの神経伝達物質の原材料にもなります。骨だしスープでしっかりたんぱく質を摂取すれば、神経伝達物質の生成が促されて、精神的にも安定します。イライラによる暴飲暴食は、ダイエットの天敵です。

無理なくやせられてダイエット失敗者はゼロ

こうして、不要な食べ物を控えながら、骨だしスープを中心にミネラルやビタミンをしっかりとり、腸の状態を整えていけば、体が本来の姿で、健康的に動き出します。

脂肪もより燃焼されやすくなるため、2週め以降も、無理なくやせていくのです。また、このような食生活の改善と並行して、リバウンド防止のための筋トレなどの運動も推奨しています。

ちなみに、これまでの参加者で、減量に失敗したかたは1人もいません。9㎏やせた、ウエストが10㎝細くなった、というかたもいて、私も驚いています。

私は、今でも骨だしスープをとり続けています。カゼを引かなくなり、感染症にもかかりにくくなりました。

また、冬場はすねが乾燥して、かゆみに悩まされたものですが、骨だしスープをとるようになってからは、かゆみが消えて、乾燥肌が解消しました。肌も白くなり、透明感が出ています。

ちなみに、私の夫は、骨だしスープと小麦断ちなどを続けた結果、89㎏あった体重を、79㎏に落としています。

ダイエットを始めたいかた、毎日の健康維持を図りたいかたは、ぜひ、骨だしスープをご活用ください。

米村式「骨だしスープ」の作り方

画像1: 米村式「骨だしスープ」の作り方

【材料】(作りやすい分量)
骨つき鶏肉(手羽元や鶏ガラなど)…1kg
セロリ、ニンジン…各1本(ぶつ切り)
オリーブオイル…適量
水(できれば浄水)…適量
Ⓐ黒コショウ、クローブ…適量
 酢(できればリンゴ酢)…大さじ2

※野菜はほかの野菜でもOK
※2.5L容量の鍋かスロークッカー(電気保温鍋)を使う。

【作り方】

画像2: 米村式「骨だしスープ」の作り方

鍋を火にかけてオリーブオイルを入れ、セロリとニンジンを炒める。

画像3: 米村式「骨だしスープ」の作り方

鶏肉を加えて、具材より2~3cm上まで水を注いで煮立たせる。沸騰したらアクを取り、Ⓐを入れて弱火で3~4時間煮込む。なお、スロークッカーを使う場合は鍋から移し、「弱」で保温する。

画像4: 米村式「骨だしスープ」の作り方

②の表面に浮いた脂をおたまなどで取り除いて完成。

【保存方法】
粗熱を取り、密閉容器に注いだら1時間以内に冷蔵庫か冷凍庫へ入れる。冷蔵の場合は3〜4日間、冷凍の場合は1ヵ月ほど保存可能。どちらも再加熱してからいただく。
※スロークッカーを使い、24時間以内に食べ切る場合は、スロークッカーに入れたまま保存できる。

画像: この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年1月号に掲載されています。

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