母はよく「土の中で育った物を食べると力が出る」といっていました。年齢を感じてきたら、自分に必要なものを知り、積極的に取り入れるのが、賢い年の取り方だと私は考えています。【解説】宝田恭子(宝田歯科医院院長)
解説者のプロフィール
宝田恭子(たからだ・きょうこ)
宝田歯科医院院長。1956年生まれ。歯科医師。従来の歯科治療に加え、表情筋を鍛える独自のエクササイズを提唱。『宝田流表情筋トレーニング たるみが消える顔筋リフト』(講談社)など著書多数。
「土の中で育った物を食べると力が出る」
先日、夫に「君がカゼを引かないのは、ショウガとみそ汁のおかげじゃない?」といわれました。そういえば私は、カゼを引いて熱を出したり、寝込んだりした記憶がありません。
私はショウガが大好きで、豚肉のショウガ焼きはもちろん、ハンバーグや青菜炒め、ドレッシングにもショウガを入れます。最近は、細切りにしたショウガを玄米おにぎりに混ぜるのがお気に入り。冷蔵庫には、常にショウガが入っています。
そして、子供のころから食べているのが、みそ汁におろしショウガを入れた「ショウガみそ汁」です。
私の実家は、家族のほかに親戚の学生も下宿する大所帯でした。朝の台所では、母が朝食と並行して、いくつものお弁当を作っていました。昼は、父の歯科医院で働くスタッフの分も含めた食事作り。そして夜は、私を筆頭に、おなかをすかせた学生たちが帰ってきます。
そんな我が家の食卓に必ず出るのが、具だくさんのみそ汁。そして、忙しい母が考え出したのが、夕食のみそ汁を多めに作り、翌朝、おろしショウガを入れて、朝食に出すことでした。
これは妙案でした。ショウガを入れると、作りたてのような味に変わるのです。
母はよく「土の中で育った物を食べると力が出る」といっていました。母も私同様、カゼを引いたり寝込んだりしたことがありませんでした。
ショウガみそ汁は、私にとっては”母の味”。結婚してからも、続けてとっています。
私は毎朝、5時50分に自然と目が覚めます。顔を洗ったら、ラジオ体操。これも、30年以上変わらない日課です。ラジオ体操を一生懸命やると、真冬でも全身がポカポカになります。
このあとに飲むショウガみそ汁のおいしさといったら! 皆さんにもぜひ、試していただきたいと思います。
腸の調子がいい!老化防止や美肌効果も!
ところで、私の夫が「君が元気なのは、ショウガとみそ汁のおかげ」というのは、夫がみそ汁をとらないからです。
「カゼを引く自分と、カゼを引かない妻との違いはなんだろう」と考えて、ショウガとみそ汁に行き着いたのでしょう。夫の実家は、みそ汁を毎日とる習慣がありませんでした。
その夫が、加齢と運動不足で代謝が下がったせいか、最近、急に寒がりになりました。そして、「ショウガみそ汁を飲もうかな」といい始めて、今ではときどき私といっしょに、ショウガみそ汁をとっています。
そういえば、姑(夫の母)も、70代後半になってから、やはり寒がりになりました。そこである日、ショウガみそ汁を勧めたところ、「体が温まるわ」と気に入ってくれました。
そして、「ショウガみそ汁を飲むと、掃除機をかけたり、ぞうきんがけをしたり、前はおっくうだった家事をしようと思えるの。ショウガみそ汁は、生活の原動力ね」と話していました。そのとおりだと思います。
私は、どこへ行くにも電車を利用します。重いキャリーバッグを持ち上げて、駅の階段を上り下りするのも平気です。これも、朝のラジオ体操とショウガみそ汁で、心身のスイッチが入るからだと思います。
また、私は、便秘に縁がありません。腸の調子がいいのも、ショウガみそ汁のおかげだと思います。
というのも、私が嫁いできたころ、みそ汁をとる習慣のない夫の家族は、そろって便秘がちだったからです。食生活の違いで、腸の働きが変わることを実感しました。
さらにショウガには、唾液の分泌を促す作用があります。唾液が多く出ると、ホルモン分泌が活性化するため、老化防止や美肌効果が期待できます。
いまやショウガみそ汁は、私の美と健康の源です。
年齢を感じてきたら、自分に必要なものを知り、積極的に取り入れるのが、賢い年の取り方だと私は考えています。ショウガみそ汁を原動力にして、きれいに年を取りたいものです。
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