加齢の影響や血液の流れの滞りによって衰えてしまった毛細血管は「ゴースト血管」と呼ばれています。しかしゴースト血管にも、しっかり血液が送られれば毛細血管は再生すると考えられています。そこでお勧めなのが「酢ショウガ」です。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)

解説者のプロフィール

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石原新菜(いしはら・にいな)
イシハラクリニック副院長。医師。帝京大学医学部卒業後、大学病院での研修を経て、現在、自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實氏が院長を務めるイシハラクリニックで、漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。『女のキレイは30分で作れる』(マキノ出版)、『酢ショウガで体すっきり!ずっと健康!』(宝島社)など、ショウガや健康に関する著書、監修書多数。テレビやラジオなどのメディアへの登場も多い。

健康や若々しさを左右する毛細血管

私たちの体内にある血管は、すべてつなぎ合わせると、10万km。地球を2周半するほどの長さといわれています。

この全血管の約99%を占めているのが、毛細血管です。

毛細血管とは、動脈・静脈などの太い血管から細かく枝分かれした細い血管のことをいいます。その直径は約1000分の7㎜。ひどく細いため、酸素の運搬役である赤血球も、毛細血管を通るときは形を変形させなければなりません。

これだけ細い血管が、体中にはり巡らされているおかげで、細胞の一つ一つにまで酸素や栄養、免疫物質が行き渡り、不要な老廃物がすみやかに取り除かれているのです。毛細血管は、全身の健康や若々しさを左右する、と言ってもよいでしょう。

ただ、近年の研究で、毛細血管は年齢とともに減少することがわかってきました。60代になると、20代の頃よりも、40%も毛細血管が減少するという研究報告もあります。

では、毛細血管はなぜ減少するのでしょうか。その原因は、毛細血管を取り囲んでいる、壁細胞の力の衰えだと考えられています。

毛細血管は、管の部分を形作る内皮細胞と、それを覆うように取り囲む壁細胞で成り立っています。

内皮細胞の細胞間には、毛細血管の外へ水分や栄養などを送り出すための薄い隙間があります。壁細胞は、この内皮細胞がバラバラにならないように、外側から押さえているのです。

加齢の影響などで、壁細胞の力が衰えると、内皮細胞の隙間から、血液の水分である血漿がもれ出て、血流が低下します。この状態をほうっておくと、毛細血管そのものが衰え、本来の機能を果たせなくなってしまいます。

この、衰えてしまった毛細血管は、「ゴースト血管」と呼ばれています。そして、ゴースト血管を放置しておくと、毛細血管そのものがなくなってしまうのです。

体の末端で酸素や栄養が不足する

ゴースト血管は、加齢の影響だけでなく、血液の流れの滞りによっても生じます。

毛細血管は、常に一定以上の血液が流れていれば、その圧力刺激によって、壁細胞が締まります。

しかし、ストレスや喫煙習慣、睡眠不足などで、全身の血管が収縮すると、毛細血管へ送られる血流の量は少なくなります。中性脂肪や悪玉コレステロール、糖質が多い、いわゆるドロドロ血液でも、血流は悪くなります。

この状態が長く続けば、壁細胞の力は弱まり、内皮細胞の隙間が広がって、毛細血管はゴースト化してしまうのです。

ゴースト血管が増えると、酸素や栄養などが十分に行き渡らず、老廃物がたまるため、あらゆる臓器の働きが低下します。

酸素・栄養不足で皮膚の表面の新陳代謝が悪くなれば、シミやシワなどが増えるでしょう。骨の新陳代謝が悪くなれば、骨粗鬆症になりやすくなります。

また、ゴースト血管が増えて体の末端で酸素や栄養が不足すると、心臓は血流をよくするために血圧を上げます。つまり、血圧が上がりやすくなるのです。

ゴースト血管が増えれば、体の末端まで血液が行き渡らないため、冷えも強く感じるようになります。冷え症がなかなか改善しないというかたは、もしかしたら、ゴースト血管が増えているのかもしれません。

抜け毛が増えた人や、爪の色が青紫色や白、茶色がかっている人も、ゴースト血管が増えて、血流が低下している可能性があります。

血流をよくすれば毛細血管は再生する

「私も、ゴースト血管が増えているかもしれない」そう思うかたも、多いのではないでしょうか。

しかし、あきらめることはありません。毛細血管の血流をよくすれば、ゴースト血管ができるのを防げます。しかも、すでにあるゴースト血管にも、しっかり血液が送られれば、毛細血管は再生すると考えられています。

そこでお勧めなのが、「酢ショウガ」です。

ショウガは、昔から体を温める食べ物として知られていました。冷え症で処方される漢方薬にも、ショウガを加工した生薬がたいてい含まれています。

このショウガの体を温める効果は、ショウガの辛味成分である、ジンゲロールとショウガオールによるものです。これらには、血管を広げて血流をよくする働きがあります。

さらに、ジンゲロールは、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにして流れやすくしてくれます。

酢にも、血管を広げたり、血栓(血液の塊)をできにくくしたりして血流をよくする働きがあります。

ですから、酢ショウガを常食することで、ショウガと酢の持つ作用の相乗効果で、全身の血流がよくなります。そうすれば毛細血管への血流もよくなり、機能が回復するのです。

ショウガの血流改善効果は、3~4時間程度なので、血流をよくしたい場合は、1日に数回に分けて酢ショウガをとるようにすると、血流のよい状態を1日中保つことができます。

それとあわせて、適度な運動や十分な睡眠を取るなど、生活習慣の改善も心がけると、より効果的です。

画像: この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

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