ミカンの皮はその薬効の高さから、漢方では「陳皮」として重宝されています。鮮やかなあのオレンジ色は、豊富に含まれるポリフェノールによるもの。抗酸化作用が高く、体の老化を防ぎます。美容面だけでなく、動脈硬化や高血圧など、生活習慣病全般の予防・改善に有効です。【解説・料理・栄養計算】村上祥子(福岡女子大学客員教授・管理栄養士)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

村上祥子(むらかみ・さちこ)
福岡女子大学国際文理学部客員教授。管理栄養士。料理研究家。電子レンジ調理の第一人者として知られる。「ちゃんと食べてちゃんと生きる」をモットーに、国内外で実践的な食育指導に情熱を注ぐ。メディア出演・著書多数。近著に『レモン酢でやせる! 超健康になる!』(マキノ出版)がある。

便秘が改善!髪や肌が若返った!

料理の世界では、「一物全体」という考え方があります。平たくいえば、「まるごと食べてこそ、食べ物本来の力を体に取り入れることができる」というものです。

東洋医学でも、植物の皮や根の部分は生薬(漢方薬の原料)として使われることが多いようです。昔の人は、薬効の高い成分が皮や根の部分にも含まれていると、経験的に知っていたのでしょう。

今回ご紹介する「塩ミカン」は、ミカンを皮ごとおいしく食べられる健康保存食です(基本の作り方は下記参照)。

近年は、ポリフェノールの抗酸化作用などの研究がさかんに行われていますが、ミカンの皮にはそうした機能性成分が、豊富に含まれています。

とはいえ、皮の部分は食味が悪く、そのままではとても食べられません。しかし、塩ミカンなら、果肉も皮もいっしょに粉砕されるので、苦みや食べにくさを果肉の甘さがカバーしてくれます。

手軽にそのまま食べてもおいしいうえ、ドリンクに入れたり料理に使ったりと応用自在。毎日摂取するうちに、自然と健康度がアップするでしょう。

実際、私の主宰する料理教室の生徒さんに塩ミカンを紹介したところ、「簡単に作れておいしい!」「どんな料理にも合う」と大好評でした。食べ続けているうちに、健康面や美容面にいい効果が現れたかたも、多くいらっしゃいます。

60代の女性は、ダイエットに成功したと思ったら、食事を制限したせいで髪の毛が細くなってしまいました。それが、塩ミカンを継続して食べていたところ、コシやツヤが戻り、髪が元気になったと喜んでいました。

便秘が改善したかたも少なくありません。40代の女性は以前から便秘がちで、お通じがあるのは3日に1回程度でした。それが塩ミカンで、毎日お通じがつくようになったといいます。

また、肌状態の改善にも効果がありました。くすみが取れて明るくなり、肌が若返ったという声が多数届いています。

過剰な塩分を排出し血圧降下に役立つ!

塩ミカンを作る際は、ミカンの皮はもちろんのこと、粒を包む袋の膜や白いすじもいっしょに粉砕します。これらの部分に多いのが、食物繊維です。

食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類に分けられます。水溶性は、便に水分を含ませ、便をやわらかくします。一方の、不溶性は、便のかさを増して腸を刺激し、ぜん動運動(便を送り出す動き)を促進します。

水溶性と不溶性のいずれも、腸には欠かせないものですが、ミカンには、この両方が含まれています。そのため、便秘の解消に役立つのです。

また、皮の白い部分や、袋の膜、すじの部分には、ペクチンという水溶性食物繊維が、特に豊富です。ペクチンは、お通じを改善するだけでなく、コレステロール値を低下させたり、血糖値の急上昇を防いだりする働きもあります。高脂血症や糖尿病のかたは、意識して摂取することをお勧めします。

加えて、ミカンの代表的な栄養素といえば、なんといってもビタミンCでしょう。100g当たり35mgほどが含まれており、ミカンを3個食べるだけで成人が1日に必要とされる量を摂取できるのです。

「カゼの撃退にビタミンC」とよくいわれるように、ビタミンCには、体の免疫力を高める作用があります。

また、ビタミンCの作用で特筆したいのが、コラーゲンの合成促進作用です。コラーゲンはたんぱく質の一種で皮膚や骨、血管、内臓などに含まれます。

コラーゲンは、やはりたんぱく質の一種であるアミノ酸をもとに組み立てられますが、このときに必要不可欠なのが、ビタミンCなのです。

健やかでハリのある肌や、丈夫な骨、血管、内臓のためにもビタミンCを積極的にとる必要があります。塩ミカンを召し上がった生徒さんから、「続けるうちに美肌になった」という声が多く上がったのも、ビタミンCの効果によるものでしょう。

ただ、ビタミンCは熱に弱い性質があります。ビタミンCの補給が目的であれば、塩ミカンは、ヨーグルトにかけたり、ドレッシングに使ったり、和え物にしたりと、加熱しないほうがより効率よく摂取できます。

塩ミカンといっても、加える塩はごく少量でミカンの甘さを引き立てる程度。高血圧などで減塩したい人にも、塩ミカンはお勧めできます。柑橘の風味のおかげで、しょうゆなどの調味料を無理なく減らせるのです。

そのうえ、ミカンにはカリウムも比較的豊富に含まれています。カリウムには、体内の過剰な塩分を排出する働きがあるので、血圧の降下に役立ちます。

塩ミカンを食べる目安量ですが、まずは1日に大さじ2杯程度から試し、体調を見て調整するといいでしょう。次からのレシピも参考に、積極的に料理に活用なさってください。

病気&老化を一掃!「塩ミカン」の作り方

画像: エネルギー:7kcal 塩分:0.2g(各大さじ1=15g当たり)

エネルギー:7kcal 塩分:0.2g(各大さじ1=15g当たり)

【材料】
(出来上がり量200g=250mlの瓶1本分)
ミカン…2~3個(200g)
…2g(小さじ1/3)
有効成分の含有量は異なるが、ミカン以外の柑橘類でも作れる(種は除く)。

画像1: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

【作り方】
ミカンはタワシでゴシゴシこすりながら、お湯で洗う。キッチンペーパーなどで水分を完全にふき取ってから、ヘタを取る。

画像2: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

①を4つ割にして、塩とともにフードプロセッサーにかけ、粉砕する。
※フードプロセッサーがない場合は、みじん切りにする。

画像3: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

②を清潔な瓶に移し、ふたはせずに600Wの電子レンジで30秒加熱する。
※750Wなら25秒、500Wなら40秒。

画像4: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

瓶の上からラップをかけ、押し込むようにして中身に密着させて、空気を抜く。

画像5: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

ラップをかけたままふたをし、常温に12時間おいたら出来上がり。

画像6: みかんの皮レシピ【塩ミカンの作り方】皮ごと食べられる爽やか料理を紹介!

【ポイント】
取り出す際は乾いた清潔なスプーンを用いる。
冷蔵庫で保存し、1ヵ月を目安に使い切る。冷凍なら1年ほど日もちする。

スプーンにすくって、 そのままペロリ!
水やお湯、炭酸水で割って!
レモンのかわりに紅茶に加えて!
牛乳に加えてヨーグルトドリンク風に!

塩ミカン冷ややっこ

淡白な豆腐が際立つおいしさ!

画像: エネルギー:81kcal 塩分:0.7g(各1人分)

エネルギー:81kcal 塩分:0.7g(各1人分)

【材料】(2人分)
木綿豆腐(小)…1丁(200g)
塩ミカン…大さじ2
万能ネギ(小口切り)…少々
しょうゆ…小さじ1

【作り方】
豆腐は半分に切って器に盛り塩ミカンとネギをのせる。しょうゆをかけていただく。

ホウレンソウの塩ミカンおひたし

ミカンの甘さが和風にもマッチ

画像: エネルギー:19kcal 塩分:0.6g(各1人分)

エネルギー:19kcal 塩分:0.6g(各1人分)

【材料】(2人分)
ホウレンソウ…1/2束(100g)
塩ミカン…大さじ2
しょうゆ…小さじ1
カツオ節…少々

【作り方】
ホウレンソウはゆで、水に取ってしぼり、3cm長さに切る。
①に塩ミカンとしょうゆを加えて混ぜ、器に盛り、カツオ節をのせる。

塩ミカンポテトサラダ

ゆで卵入りかと思いきや!食べて意外な味にビックリ

画像: エネルギー:116kcal 塩分:1.0g(各1人分)

エネルギー:116kcal 塩分:1.0g(各1人分)

【材料】(2人分)
ジャガイモ…1個(150g)
タマネギ…1/6個(30g)
ニンジン(薄切り)…4枚(15g)
塩…小さじ1/4
塩ミカン…大さじ2
マヨネーズ…大さじ1
パセリ(みじん切り)…少々

【作り方】
タマネギは薄切り、ニンジンはせん切りにする。塩で軽くもみ、しんなりしたら塩ミカンを加えて和える。
ジャガイモは洗い、ポリ袋に入れ、袋の口は閉じずに耐熱皿にのせて、600Wの電子レンジで3分加熱する。箸を刺してスーッと通るのを確認したら、袋に水を注ぎ、粗熱を取ってから取り出し、包丁で皮をむく。
②をつぶし、①と和え、マヨネーズを加えて混ぜ、器に盛る。パセリを散らす。

野菜の塩ミカンマリネ

甘酸っぱいドレッシング仕立て♪

画像: エネルギー:156kcal 塩分:0.4g(各1人分)

エネルギー:156kcal 塩分:0.4g(各1人分)

【材料】(2人分)
キャベツ…100g
スナップエンドウ…6個
黄パプリカ…1/2個
Ⓐ塩ミカン…大さじ4
 オリーブオイル…大さじ2
 コショウ…少々

【作り方】
キャベツは一口大にちぎる。スナップエンドウはすじを取り、斜め半分に切る。黄パプリカは幅5mmの細切りにする。
耐熱容器に①を入れ、両端を少し開けるようにラップをして、600Wの電子レンジで3分加熱する。
Ⓐを②にかけ、全体を混ぜ器に盛る。

塩ミカンと豚肉のスープ

肉の旨みが引き立つシンプルなレシピ

画像: エネルギー:43kcal 塩分:0.5g(各1人分)

エネルギー:43kcal 塩分:0.5g(各1人分)

【材料】(2人分)
豚肉(薄切り)…50g
塩ミカン…大さじ2
水…250ml
塩、コショウ…各少々
パセリ(みじん切り)…少々

【作り方】
豚肉は3cm幅に切る。
鍋に①と塩ミカン、水を入れて火にかける。
煮立ったらアクをすくい、豚肉に火を通す。
塩少々で調味して器に注ぎ、コショウを振り、パセリを散らす。

オムレツの塩ミカン風味

具材に混ぜてさわやかさを演出

画像: エネルギー:330kcal 塩分:1.2g(各1人分)

エネルギー:330kcal 塩分:1.2g(各1人分)

【材料】(2人分)
卵…4個
タマネギ…1/2個(100g)
ベーコン(薄切り)…50g
オリーブオイル…小さじ1
ニンニク(みじん切り)…1/2片分
塩ミカン…大さじ2
塩、コショウ…各少々
バター…小さじ2 
ケチャップ(好みで)…適量
ベビーリーフ…30g

【作り方】
タマネギはみじん切り、ベーコンは幅1cmの短冊切りにする。
フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて弱火で熱し、ニンニクが色づいたら①を加えて炒める。全体に火が通ったら、塩ミカンを加え混ぜて火を止め、2等分する。
オムレツを1人分ずつ焼く。卵を2個溶き、塩とコショウを加えて混ぜる。
フライパンを温め、バター小さじ1を溶かし、③を流し入れたら強火にし、箸でかき混ぜる。
半熟状になったら②の半量を中央にのせ、卵の奥側と手前側を返して具を包み、滑らせるようにして皿に移す。もう1人分も同様に焼く。
ベビーリーフを添え、好みでケチャップをかける。

塩ミカンメンチ

柑橘の香りで揚げ物もさっぱりと

画像: エネルギー:342kcal 塩分:1.1g(各1人分)

エネルギー:342kcal 塩分:1.1g(各1人分)

【材料】(2人分)
合いびき肉…150g
Ⓐ塩ミカン、パン粉…各大さじ2
 溶き卵…大さじ1
 コショウ…少々
小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油…各適量
レタス(ちぎる)…1/2枚分(15g)
キャベツ(せん切り)…1枚分(50g)
練りガラシ、ソース…各適宜

【作り方】
ボウルにひき肉とⒶを入れ、粘りが出るまで混ぜる。
4等分して円盤状に形作り、小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、170度の油で揚げる。
レタスとキャベツを器に盛り、②をのせてカラシを添え、ソースをかけていただく。

カジキの塩ミカンカレー

ミカン風味が加わったスパイシーなこうばしさ

画像: エネルギー:536kcal 塩分:2.5g(各1人分)

エネルギー:536kcal 塩分:2.5g(各1人分)

【材料】(2人分)
カジキ…2切れ(140g)
タマネギ、ジャガイモ…各1/2個(100g)
ニンジン…3cm(30g)
水…250ml
カレールウ…2人分(袋の表示を参照)
塩ミカン…大さじ2
ご飯…300g

【作り方】
カジキは2cm角に切る。タマネギ、ジャガイモ、ニンジンは皮をむき、1.5cmの角切りにする。
耐熱容器に水、砕いたカレールウ、塩ミカンを入れて①を加え、両端を少し開けるようにラップをし、600Wの電子レンジで12分加熱する。
容器を取り出したら底から返すようにかき混ぜ、余熱でとろみをつける。
器にご飯を盛り、③をかける。

塩ミカンのカルボナーラ風パスタ

簡単なのにコクうま!シトラスがおしゃれに香る

画像: エネルギー:512kcal 塩分:2.2g(各1人分)

エネルギー:512kcal 塩分:2.2g(各1人分)

【材料】(2人分)
スパゲティ(乾)…150g
めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ2
塩ミカン…大さじ2
生クリーム…100ml
卵黄…2個分
粉チーズ…大さじ2
黒コショウ(粗びき)…少々

【作り方】
たっぷりの熱湯で、袋の表示どおりにスパゲティをゆで、ざるに上げる。
フライパンにめんつゆと塩ミカンを入れて加熱し、煮立ったら①を入れ、水分がなくなるまで炒める。火を止めてから、生クリームを加えて混ぜる。
2つの器に②を等分に盛り、それぞれの中央に卵黄を1つずつのせ、粉チーズとコショウを振る。全体を混ぜていただく。

塩ミカン入りお好み焼き

関西の味とも相性バッチリ!

画像: エネルギー:298kcal 塩分:0.7g(各1人分)

エネルギー:298kcal 塩分:0.7g(各1人分)

【材料】(2人分)
豚肉(薄切り)…2枚(50g)
Ⓐ薄力粉…100g
 塩ミカン…大さじ2
 水…100ml
油…小さじ2
モヤシ…1/2袋(100g)
ソース…大さじ1
マヨネーズ(好みで)…適宜
青ノリ(粉)、紅ショウガ…各少々

【作り方】
豚肉は4cm幅に切る。
ボウルにⒶを合わせ、とろみがつくまで泡立て器で混ぜる。
フライパンを温めて油を薄く塗り、豚肉とモヤシを並べ入れる。②を流し入れ、ふたをして中火で2分焼く。
ふたを取り、さらに2~3分焼き、生地に火が通ったら器に取る。
ソースと、好みでマヨネーズをかけ、青ノリ、紅ショウガを添える。

画像: この記事は『壮快』2019年5月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年5月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.