メンタリストDaiGo流ストレスの対処法「不安を“力”に変えるメンタリズム」

美容・ヘルスケア

人はストレスにさらされると「コルチゾール」と「DHEA」という2つのホルモンが分泌されます。この2つのストレスホルモンのバランスが大事で、DHEAのほうが多い場合、ストレスは自分の味方になってくれるのです。【解説】DaiGo(メンタリスト)

解説者のプロフィール

DaiGo(だいご)
メンタリスト。慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズム(人の心を読み、操る技術)を日本のメディアで初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして多くのテレビ番組に出演。『コミュ障でも5分で増やせる 超人脈術』『運は操れる』(いずれもマキノ出版)ほか、人間心理をテーマに執筆した著作は累計で300万部を突破。
オフィシャルサイト=http://daigo.jp/

ストレスをプラスに働かせる!

こんにちは、メンタリストのDaiGoです。今回は、「ストレスや不安を味方につけて、日常のパフォーマンスを高める方法」について、考えていきたいと思います。

まず皆さん、「ストレス」と聞くと、嫌なものという印象を持つかと思います。

しかし、米スタンフォード大学の心理学者であるケリー・マクゴニガルの著書『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(大和書房)によれば、「ストレスは考え方次第で、よいものにも悪いものにもなる」という事実が、最新の研究で解き明かされています。

人はストレスにさらされると、「コルチゾール」と「DHEA」という2つのホルモンが分泌されます。

コルチゾールは、戦うときに分泌されるホルモンです。コルチゾールが分泌されると、糖質や脂肪の代謝が高まり、エネルギーが生み出され、戦闘態勢が整います。

しかし、過剰に分泌されると、糖質や脂肪の代謝も過剰になり、うつや不安症など、心の病気になりやすくなります。

コルチゾールは起爆剤のようなもので、ここぞというときに分泌されるとパフォーマンスを高めるのですが、長時間、大量に分泌されると、メンタルが疲弊してしまうのです。

DHEAは、脳の成長を促進したり、免疫力を向上させたりしてくれるホルモンです。ストレスを感じるのは、自分に脅威が迫っているから。そこでDHEAを分泌させ、それを乗り越えようとするのです。

この2つのストレスホルモンのバランスが大事で、コルチゾールの分泌のほうが多い場合、ストレスは悪いほうに働きやすくなります。しかし、DHEAのほうが多い場合、逆にストレスは自分の味方になってくれるのです。

ということは、ストレスを感じても、DHEAの分泌が多ければ、自分にとってプラスになるはずです。このためにはまず、「ストレスは自分のためになる」という考え方を持たなければなりません。

「ストレスは体に悪い」と考えると、実際にストレスは体に悪いものになります。ある調査によると、「ストレスは体に悪い」と考える人たちが強度のストレスを感じると、死亡リスクが顕著に上昇することがわかっています。

ポジティブ思考で寿命は7.6年伸びる!

ストレスの話に限らず、ネガティブに思えるものも、見方を変えてポジティブに捉えることができれば、人生は大きく改善します。

例えば、年齢を重ねると、体力も気力も低下する傾向がありますから、加齢は多くの人にとってストレスとなるでしょう。そのとき、「歳を取るのは嫌だな」などとネガティブに考えていると、本当に寿命は縮むのです。

逆に、「歳を取ることで経験が積まれ、可能性が広がっている」などと加齢をポジティブに考えると、寿命が平均より7.6年伸びる、というデータがあります。

喫煙せず、適度に運動をする健康的な生活を送る人たちでも、寿命は平均より4年も伸びません。健康的な生活を送るよりも、加齢をポジティブに考えるほうが、大きなインパクトをもたらすのです。

《ポジティブ思考で生きることが健康長寿のカギ!》

【喫煙せず、適度に運動をする健康的な生活を送る】
寿命は4年も伸びない
【加齢をポジティブに考える】
寿命はなんと7.6年も伸びる!

「歳を取ると楽しい」「経験が積まれ、可能性が広がっている」など、加齢をポジティブに考えると、健康的に生きるよりも寿命が伸びる!

また、米コロンビア大学の心理学者であるアリア・クラム博士もおもしろい研究を発表しています。

クラム博士は、ホテルの部屋を掃除する客室係を、「その仕事がどれだけカロリーを消費し、体によい運動になるか」を説明したグループと、「何も話をしなかった」グループの2つに分けました。実は、ホテルの掃除はかなりの重労働で、1時間に約300kcalも消費します。

2つのグループにまったく同じ仕事をしてもらい、4週間後に健康診断をしてもらったところ、「その仕事がどれだけカロリーを消費し、体によい運動になるか」を説明したグループだけが、体重も体脂肪も減少し、血圧も低下していたのです。

つまり、健康によいことをする場合、それが自分の体によいということを知っておいたほうがよいのです。

これは仕事や勉強でも同様です。「こんなことをやっても意味がない」と思いながらやるよりも、「今はつらいけど、いい経験になる」と思いながらやるほうが成果は上がるわけです。

ストレスにも、実は集中力を高めたり、能力をアップさせたり、免疫力を上げたりする効果があります。ストレスを味方にするには、そのことを知りつつ、ポジティブに考えることがたいせつなのです。

この記事は『ゆほびか』2019年6月号に掲載されています。

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