【月曜断食とは】誰でも出来て3日間の断食と同じ効果!体重より「体脂肪を落とす」メニューを大公開

美容・ヘルスケア

エネルギーの4割は食べたものの消化に使われているのですが、現代人は食べ過ぎで、胃腸は消化に追われっぱなしです。その結果、傷ついた細胞の修復作業は後回しになり、不調を引き起こしやすくなっています。【解説】関口賢(関口鍼灸治療院総院長)

解説者のプロフィール

関口賢(せきぐち・まさる)
関口鍼灸治療院総院長。1985年、千葉県生まれ。サッカーの名門・市立船橋高校でサッカー漬けの日々を送り、2007年、東京メディカル・スポーツ専門学校鍼灸師科卒業。中国式鍼治療専門店ハリー(HURRI)の王尉青先生に憧れ、弟子入り。2010年、関口鍼灸治療院HEAL the WORLDを銀座に開業。歌手・モデル・タレントなどのボディマネジメント・ダイエットアドバイザーや、プロサッカー選手、プロゴルファーのトレーナーとしても活躍。著書に『月曜断食』(文藝春秋)がある。

断食は傷ついた細胞を修復し長寿遺伝子も活性化する

断食は、東洋医学で古くからある養生法です。

そもそも、人も動物も、体調を崩すと自然に食べることをやめて、水分を摂ろうとします。エネルギーの4割は食べたものの消化に使われているのですが、食べないと、それを病気の回復のために使えることを本能的に知っているのでしょう。

それでだけなく、断食をすれば、酷使している胃腸を休め、本来の働きを取り戻すことができます。

胃腸の機能は、代謝、血流、免疫、ホルモン分泌、自律神経にも大きく関わるため、胃腸が正常化すると、免疫力も上がり、体の不調も改善されるようになるのです。

実際、現代人は食べ過ぎで、胃腸は消化に追われっぱなしです。その結果、傷ついた細胞の修復作業は後回しになり、不調を引き起こしやすくなっています。

断食をすれば、体の修復にエネルギーを注げるようになります。そのため、患者さんから、やせるだけでなく、次のような症状の改善が報告されています。

・脂質異常症、内臓脂肪型肥満 ・肩こり、冷え、むくみ ・PMS、生理痛、生理不順、不妊 ・めまい、耳鳴り、立ちくらみ ・不眠、寝つきや寝起きの悪さ ・肌荒れ、湿疹、二枚爪 ・イライラ、不安、うつ ・花粉症、高血圧、高血糖

また、人は空腹状態が続くと、サーチュイン遺伝子という長寿遺伝子が活性化することがわかっています。つまり断食は、アンチエイジングにも有効なのです。

週1の断食を4週間行うと3日間の断食と同じ効果が

私自身、初めて断食を行ったときに、びっくりするような体の変化がありました。勤めていた鍼灸院の王尉青先生の指導のもとで断食を行いましたが、つらかったのは初日だけ。2日目、3日目は、仕事の集中力が高まり、体のだるさも抜けていました。

それまでは寝坊グセがあったのですが、睡眠の質が高まって、朝スッキリと起きられるようになったことにも驚きました。

とはいえ、一般の人が日常生活を続けながら3日間の断食にトライするのは難しいため、考えついたのが週1の「月曜断食」です。

安全に取り組めて、4週間行うと、3日間の断食と同じ効果を得られます。1日の断食であれば、ふらつきやイラつきもほぼ起こりません。

体を苦しめる方法ではなく、体への負担を極力減らして最大限の効果を引き出していくのが、月曜断食なのです。

「食べ過ぎチェックシート」
それぞれの質問に当てはまると思ったら、チェック。1つでもチェックが入ったら、「月曜断食」を試してみる価値ありですよ。

□ 毎食、おなかいっぱいになるまで食べている。
□ それほど空腹を感じていなくても、時間がくれば食事をする。
□ 毎日、夕食に炭水化物(白米、パン、麺類など)を食べている。
□ 食間(朝食と昼食、昼食と夕食の間)にお菓子をつまむのが習慣になっている。
□ 外食の際、ハンバーグセット(orとんかつ定食)くらいならペロリと完食できる。
□ 食事を終えてから2時間以内に就寝することがよくある。

平日は炭水化物を制限し土日は何を食べてもO‌K

「月曜断食」は、誰でも簡単にできるとてもシンプルな食事法です。

3日間の断食をするとなると、専門家のサポートがないと難しいですが、週1日、月曜だけの断食であれば、ふらつきやイライラも起こらず、安心して取り組むことができます。

月曜断食は、最初の4週間のベーシックメニューから始めます。

月曜日は、一日食べずに、水だけを飲む「不食」の日。

火曜〜金曜日は、体に必要な栄養素を運ぶ「良食」の日です。朝は旬の果物とヨーグルト。昼は肉や魚もOKのおかずのみ。夜は消化が早く、胃に負担をかけないよう、野菜料理のみで、アルコールはOKです。

土日は、食べる楽しみを満喫し心を満たす「美食」の日。ご飯やパン、パスタなどの糖質も食べてよく、好きなものを召し上がってください。

このように月曜断食は、日常生活を続けながらできる、安全なダイエット法なのです。

《始めの4週間はこれ!「月曜断食」ベーシックメニュー》

次の体重維持期は火〜金の昼食も炭水化物O‌Kに

《目標達成後にリバウンドが起こらない「月曜断食」体重維持型メニュー》

ベーシックメニューを4週間続けた後は、リバウンドが起こらない体重維持型メニューへと移行します。

月曜の不食、土日の美食は変わらず、火〜金の良食日が変わります。昼食の炭水化物がOKになり、好きなものを食べてかまいません。夜はおかずのみですが、野菜だけでなく肉や魚も食べてだいじょうぶ。

体質を改善するには、2カ月が必要です。4週間のベーシックメニューで平均5〜7kg体重が落ちますが、体が確実に変わり始めたこの時期こそ、食事法が大事です。

体重維持型メニューでは、昼食は好きなものを食べていいので、ストレスなく続けられるでしょう。

不食→良食→美食を繰り返すことで、やせるのはもちろん、太りにくい体へ生まれ変わり、体の不調もよくなります。体が変わると、自分に自信が生まれ、考え方が前向きになり、人生が好転します。月曜断食に、ぜひチャレンジしてください。

「空腹=苦痛」は思い込みだったと気づく

「月曜断食」は、きちんと成果の出せる強力なダイエット法であり、健康で長生きできる体質へとスイッチできる、究極の健康法でもあると私は確信しています。

理想の体重、リバウンドしない体質、そして健康な体を手に入れるために、皆さんもぜひ、月曜断食を始めてみてください。

「断食なんて無理」と尻込みしているかたも、一日だけなら問題なくできることがわかり、「空腹=苦痛」は思い込みであって、空腹が快適になることを体験できます。

「ダイエット=体重を落とす」というイメージがありますが、体を根本から変えるためには、体重よりも体脂肪を落とすことがポイントです。月曜断食を始められたら、体重だけでなく、体脂肪も測定して、下の欄の理想の体脂肪率を目指してください。

体が軽くなると、運動や筋トレを始めたくなるかもしれませんが、断食中は、わざわざジムに行ったりするよりは、日常生活の一部からスタートできる運動が理想です。

キッチンでスクワットをする、オフィスではエレベーターより階段を使う……といった運動でじゅうぶんです。特に、体を動かすと空腹を覚え、余計に食べたくなるというタイプのかたは運動は控えましょう。

《目標とするのは体重減よりも体脂肪率減》

実際に「月曜断食」を始めると、体重はスルスル落ちるが、どこまで落とすといいのかわからなくなることがある。一方、当初は、体重ほど体脂肪は落ちない。関口賢先生は、表の「体脂肪率」を目標の目安にするといいと言う。

「断食で食べない時間を持つことが常識」の世界へ

ダイエットに成功した皆さんは、着たい服が着られるようになり、体の不調もなくなって、自分に自信が持てるようになっています。

その結果、イキイキと輝き、新しいことにもチャレンジし、ご自分の人生を謳歌されています。知らず知らずのうちに食べ過ぎていた自分への気づきを得られれば、もう太ることはありません。

「一日三食食べることが常識」ではなく、「断食で食べない時間を持つことが常識」の世界へ。皆さんが月曜断食で、体の中から美しく生まれ変わる日を楽しみにしています。

食べ過ぎていたことに気づけば、もう太らない!

この記事は『ゆほびか』2019年8月号に掲載されています。

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