アズキには、ポリフェノールが赤ワインの1.5〜2倍含まれています。ポリフェノールだけでなく、豊富なカリウム、ビタミンB群も水溶性なので、煮汁に出ます。アズキ紅茶の材料となるアズキの煮汁には、これらがほとんど含まれるわけです。【解説】加藤淳(名寄市立大学栄養学科教授)

解説者のプロフィール

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加藤 淳(かとう・じゅん)

名寄市立大学保健福祉学部栄養学科教授。農学博士。帯広畜産大学大学院修了。豪州クイーンズランド大学、北海道立総合研究機構・中央農業試験場、道南農業試験場などを経て現職。豆類の研究を行うとともに、「アズキ博士」として講演や普及活動に尽力。
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ポリフェノールの量が赤ワインよりも多い!

赤飯やあんこなどで、日本人にとっては古くからなじみ深いアズキ。そんなアズキは、ダイエットや生活習慣病対策に優れた食べ物です。

私は、ちまたで「アズキ博士」と呼ばれるなど、これまで長年、アズキの研究を行ってきました。アズキは、豆そのものはももちろんよいのですが、豆をゆでた煮汁にも、ポリフェノールをはじめとした有効な成分が溶け出します。

それらの成分を無駄なくとる方法として、過去に私は、「アズキ水」(アズキの煮汁を冷やしたもの)を提唱したこともあります。

アズキの煮汁をおいしくとる方法として、「アズキ紅茶」もよいアイデアだと思います。

そこで、私の行ってきた研究の中から、ここではアズキ紅茶にも含まれるアズキの有効成分の効果について紹介します。

アズキには、有用な多くの成分が含まれていますが、その筆頭は、先ほども触れたポリフェノールです。

ポリフェノールは、植物に広く含まれている抗酸化物質(有害な活性酸素を消す物質)で、多くの種類があります。赤ワインに含まれる健康成分として話題になったこともあります。

アズキには、ポリフェノールが赤ワインの1.5〜2倍含まれています。ポリフェノールは水に溶けるので、その多くが煮汁に出ます。

アズキのポリフェノールで、最も多いのはカテキングルコシドで、ほかにもカテキン、ルチン、プロアントシアニジンなどが豊富に含まれます。これらを総称してアズキポリフェノールと呼びます。

私たちは、アズキポリフェノールに血糖値の上昇を抑える作用があることを、動物実験などで確認しました。

マウスに砂糖水を飲ませると、人間と同じく血糖値が急激に上昇します。通常、そのピークは30分後ですが、あらかじめマウスにアズキポリフェノールを与えておくと、そのピークが60分後になり、しかも血糖値の上昇が緩やかになりました。

ヒトでの研究でも、多少のばらつきはあるものの、同じ傾向が認められました。

血糖値の上昇が抑えられるのは、アズキポリフェノールが腸内で、糖を分解する酵素の働きを抑えるためと考えられます。それによって糖が吸収されにくくなり、血糖値の上昇がゆるやかになるのです。

このことは、糖尿病対策に役立つのはもちろん、糖の吸収を抑えるので、ダイエットにもつながります。

ヒトを対象とした研究で、アズキポリフェノールを4週間とると、高かった中性脂肪が下がるという結果も出ています。

中性脂肪は、糖質をとり過ぎると増え、体脂肪に変わっていくものですから、この働きもダイエット効果につながります。

同時に、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)も、アズキポリフェノールを4週間摂取すると下がりました。中性脂肪だけでなく、コレステロールが気になる人にも、アズキポリフェノールをふんだんに含むアズキ紅茶はお勧めです。

また、何もしないと高血圧になる実験用のラットに、アズキポリフェノールを与えた実験では、高血圧にならずに血圧が維持されました。すでに高血圧になったラットにアズキポリフェノールを与えると、血圧が下がるという結果も出ています。

画像: アズキポリフェノールがマウスの悪玉コレステロールを改善!

アズキポリフェノールがマウスの悪玉コレステロールを改善!

カリウムとサポニンがむくみを改善する

こうした高血圧の改善には、アズキに豊富なカリウムも役立ちます。カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)の排泄を促す作用があるからです。

厚生労働省では、高血圧の予防には、1日3000mgのカリウムをとるよう推奨していますが、アズキ100g(全粒・乾、以下同)には、その半分に当たる1500mgものカリウムが含まれています。

アズキには、利尿作用をもつサポニンも含まれており、塩分を追い出すカリウムとの相乗効果で、むくみ取りの効果も期待できるでしょう。

ほかに、アズキにはビタミンB群も豊富です。特に注目したいのがビタミンB1で、これは体内で糖を分解してエネルギーに変換する際に必要です。アズキのビタミンB1は糖の燃焼を促し、より脂肪の蓄積を防ぐのに役立つでしょう。

アズキのポリフェノールだけでなく、カリウム、ビタミンB群も水溶性なので、煮汁に出ます。アズキ紅茶の材料となるアズキの煮汁には、これらがほとんど含まれるわけです。

一方、紅茶には、茶葉を発酵する過程で生じるテアフラビンというポリフェノールが豊富に含まれています。アズキの煮汁と紅茶を一緒にとれば、ポリフェノールの相乗効果が期待できるでしょう。抗酸化作用が高まり、アンチエイジング効果などが強まると思われます。

多彩な健康効果をもつアズキを、アズキ紅茶などの方法で、ぜひお役立てください。

画像: この記事は『安心』2019年9月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年9月号に掲載されています。

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