【即効性のあるガス腹対策】腸の形を整える「ガス抜き体操」を紹介 その場でガスが抜けた人も

美容・ヘルスケア

「食生活の改善や整腸剤の服用」などは腸内環境を徐々に整えていく、いわばガス腹解消のための長期投資。「ガス抜き体操」は腸の形を整えてガスを抜きやすくする、即効性のある短期投資。組み合わせてガス腹の完全放逐を目指しましょう。【解説】相馬渉(さく病院胃腸内科医)

解説者のプロフィール

相馬渉(そうま・わたる)

さく病院胃腸内科医。2005年、大分大学医学部卒業。大学病院や関連施設にて数多くの消化器内視鏡検査・治療を経験。横浜のたまプラーザ南口胃腸内科クリニックにて「苦しさと痛みに配慮した内視鏡検査」の技術を習得後、福岡天神内視鏡クリニックの院長就任。 2020年4月より現職。患者さんに優しい医療がモットー。
さく病院(公式サイト)
研究分野と専門論文(CiNii)

ガス腹を解消する方法

腸の形を整えてガスを抜きやすくする

ガス腹解消の方法には、長期投資と短期投資があると、私は思っています。

食生活の改善や整腸剤の服用」など(上記別記事参照)は、腸内環境を徐々に整えていくものなので、いわばガス腹解消のための長期投資。

それに対して、ここで紹介する「ガス抜き体操」は、腸の形を整えてガスを抜きやすくする、即効性のある短期投資。

また、「自律神経の調整」などは、短・長期投資になります。これらを組み合わせて実践することで、ガス腹の完全放逐を目指しましょう。

ガス抜き体操は、「そけい部こすり」「大腸もみ」「ガス抜きストレッチ」の三つからなります(やり方は下項を参照)。どれも簡単ですから、どなたでもすぐに始められます。

いずれもあおむけになって、リラックスした状態で、約30秒ずつ行います。

就寝前に布団の上で、そけい部こすり、大腸もみ、ガス抜きストレッチの順に行うといいでしょう。また、自分のガス腹に特に効くと思う体操は、症状があるときの、応急処置にも利用してください。

3つの「ガス抜き体操」のやり方

そけい部こすりのやり方

便秘やガス腹で悩む多くの人は、たいてい大腸が長くなっています。特に固定されていないS状結腸(下図参照)は、伸びやすく、最終的にはねじれます。すると、物理的に便やガスが通過しにくくなるわけです。

S状結腸は伸びてねじれやすい!

そこで、伸びてねじれたS状結腸をほどいてやるのが、そけい部こすりです。そけい部とは、股の部分です。左のそけい部の少し上に、S状結腸があるので、手指でこするうちにねじれが改善してきます。

そけい部こすりを数回くり返しただけで、腸が動き出し、便秘が改善した、ガスが抜けたという人もおおぜいいらっしゃいます。ただし、そうした腸は、ねじれがクセになっていることが多いので、定期的にそけい部こすりを行い、腸の形を整えてください。

あおむけになり、両ひざを軽く曲げ、そけい部に両手のひらを当てる。
指をしっかりそろえ、下から上に強くこすり上げる。これを30回行う。

大腸もみのやり方

おなかの中心部を「の」の字にマッサージするという人は多いのではないでしょうか。しかし、それでは大腸を十分に刺激できません。前項の大腸の図を参考に、大腸をまんべんなくもむつもりで、両手のひらを重ね、大きく強く円を描きます。

そうすることで、おなかが温まり、おなかの張りや痛みが和らいできます。続けているうちに気持ちがよくなって、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓をコントロールしている神経)のうちの休息時に優位になる副交感神経が活発になります。

すると、腸のぜん動運動(腸の内容物を送り出す動き)が促進され、停滞したガスや便も動き出すのです。就寝前に行うことで、翌朝驚くほど便が出たという人も少なくありません。

あおむけになり、両手を重ね、おなかの右下に当てる。
両手で強めにおなかを押しながら、時計回りに大きく円を描くようにもむ。大腸に沿って手を少しずつ移動させながらもむ。これを30秒行う。

ガス抜きストレッチのやり方

ひざを抱えて胸に近づけるストレッチです。このストレッチを行うと、背中や腰が伸びるとともに、体の深部にある腸腰筋(背骨と太ももの骨をつなぐ筋肉)が伸びて、腹部全体の血流がよくなります。その結果、腸の働きも活発になります。

また、ガス抜きストレッチのポーズをとると、肛門の位置が高くなり、ガスがより抜けやすくなります。そけい部こすりで大腸の形を整え、大腸もみでぜん動運動を促したあとに行うことで、その効果がより一掃発揮されるでしょう。

あおむけになり、両足を伸ばす。
右ひざを両手で抱え、ひざ頭を胸に近づけるようにして10秒間保つ(上半身は動かさない)。
左ひざも同様に行う。
最後に、両ひざを抱えて、同様に行う。

※いずれのガス抜き体操もリラックスして行う。

お腹にガスがたまる【ガス溜まり腹痛】解消ポーズはコレ!即効性のある対処法を専門医が紹介 – 特選街web

お腹にガスが溜まり痛みを伴う「ガス腹」。あまりの痛みや苦しさに病気かも?と不安に思う人もいるでしょう。ガスの正体は、食事等で飲み込んだ空気や、腸内細菌の活動によるもの。このガスが何らかの原因で増え、腸に溜まることで不快な症状が起こるのです。ガス溜まりはおならを出し切る簡単な方法で予防・解消することができます。消化器専門医である東邦大学医療センター大森病院病院長の瓜田純久先生と、さく病院胃腸内科の相馬渉先生にそれぞれ解説していただきました。【2020年5月20日更新】

tokusengai.com

この記事は『壮快』2020年5月号に掲載されています。

 

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