内臓が冷えることで免疫力が低下し、カゼやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまいます。そのほか、花粉症などのアレルギー症状も出やすくなるのです。便秘や下痢など胃腸の不調はもちろん、代謝が悪くなって太りやすくなります。内臓温度を上げる作用がある「ヒハツ」がおすすめです。【解説】山口勝利(全国冷え症研究所所長)

解説者のプロフィール

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山口勝利(やまぐち・かつとし)

全国冷え症研究所所長。1962年、神奈川県生まれ。理学博士。柔道整復師。鍼灸師。全国冷え症研究所所長、冷えを改善しながら痩せる形状記憶型ボディメイクサロン・シェイプロック銀座代表。2003年、社会文化功労賞を受賞。『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)、『冷え症治してキレイにやせる』(二見書房)など著書多数。

日本人の8割が抱える「内臓の冷え」

内臓温度が下がると不調が起こる

実は、日本人の約8割が「内臓の冷え」を抱えています。

人間の内臓温度は、体表面温度よりもやや高い37.2℃〜38℃くらいが理想ですが、これよりも低い人が急増しているのです。

私は、1997年に全国冷え症研究所という研究所を設立し、この24年間で6万人を超える冷え症の人を診てきました。その結果、この事実が判明したのです。

内臓の冷えは、健康に多大な悪影響を及ぼします。小腸にあるパイエル板という免疫器官は、内臓温度がその人の平熱よりも1℃下がると働きが30%落ち、1℃上がると、なんと500%も高まります

内臓が冷えると免疫力が低下し、カゼやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまいます。そのほか、花粉症などのアレルギー症状も出やすくなるのです。

内臓温度が下がると内臓の働き自体も悪くなるため、便秘や下痢など胃腸の不調はもちろん、ガン、腎臓病、心筋梗塞などのリスクも高まります。

肩こりや腰痛、生理痛などの痛みが強くなったり、肌荒れや、なかなか疲れが取れなくなったりといった不快症状となって現れることもあります。

そのうえ、内臓が冷えると代謝が悪くなって太りやすくなります。内臓温度が1℃下がると、基礎代謝が10〜15%も低下するのです。

手足や下半身の冷えに悩んでいる人も、まず内臓を温めることが先決です。内臓が冷えていると、いくら手足を温めても冷えが改善されないことが多いからです。

画像: 体が冷えることで、さまざまな不調や病気が引き起こされることがある

体が冷えることで、さまざまな不調や病気が引き起こされることがある

内臓温度を上げる作用がある「ヒハツ」

私はこの冷えを取るための、さまざまな方法を試してきました。

運動や生活習慣、ツボ刺激、食事など、試行錯誤を続けた結果、「ヒハツ」というスパイスにたどり着いたのです。

ヒハツはロングペッパーやナガコショウなどとも呼ばれる、南アジア原産のコショウ科の植物で、その実を乾燥させて香辛料として使います。インドでは紀元前から食卓に欠かせない香辛料であり、薬としても使われてきた歴史があります。

日本では沖縄で生産されており、琉球料理では「島コショウ」と呼ばれ、沖縄ソバをはじめとする、さまざまな料理に使われているのです。

ヒハツには、食べるだけで内臓温度を上げる作用があります。

このヒハツを、2週間にわたって1日1g、60代の女性と50代の男性の2名にとってもらいました。その結果、60代の女性は0.4℃、50代の男性は0.9℃、それぞれ内臓温度が上昇したのです。

動物実験でも、ラットにヒハツを与えると内臓温度が上がり、冷蔵庫の中でも元気に過ごしていました。実際、ヒハツをとると10分ほどでおなかの中からポカポカと温かくなり、内臓温度が上がっていることを実感できます。

壊れた毛細血管を修復することで熱を届ける

加えて、ヒハツに含まれる「ピペリン」という辛味成分には、全身の毛細血管を修復し、血流を促進する作用があります。

毛細血管は、動脈と静脈をつなぐ細い血管で、体中に網の目のように張り巡らされています。体の末端だけでなく、内臓もびっしりと毛細血管で覆われています。

毛細血管は、各細胞に酸素と栄養を届け、二酸化炭素と老廃物を回収するだけでなく、血液とともに全身に「熱」を届ける重要な働きを担っています。

ただし、毛細血管は極細なだけに壊れやすく、40代半ばから少しずつ減少し、機能も衰えていきます。

加齢や不健康な生活習慣、ストレス、高血圧や高血糖などの影響で毛細血管が傷つくと、その部分の血流が悪化し、冷えを招きます。けれども、ヒハツに含まれるピペリンは、壊れた毛細血管を修復し、よみがえらせる働きがあります。

血管を緩める信号を送る物質に働きかけ、高い血圧を低下させる効果も確認されており、その機能に着目した高血圧を改善するサプリメントなどもあるほどです。

ヒハツには、体の中で熱を作り、それを体のすみずみまで届けるダブルの作用があるのです。

内臓が冷えている人も、手足や下半身の冷え症の人も、どちらにも効果的な「究極の温め食材」といえるでしょう。

ショウガより手軽でどんな料理にも合う

私がヒハツをお勧めするのは、料理に振りかけるだけという手軽で続けやすいことも理由の一つです。

体を温める食材として、まず名前が挙がるショウガも優秀な温め食材ですが、調理するというひと手間が必要です。その点、ヒハツは香辛料として粉末になっているので、料理や飲み物に振りかけるだけでとれます。

ヒハツはシナモンによく似た甘い香りとさわやかな清涼感があり、コショウほど辛みは強くありません。和・洋・中どんな料理にも合い、ハーブティーや紅茶などの飲み物に振りかけてもおいしいものです。独特の味わいが男女を問わず好評で、すっかり気に入って長く愛用されている人がたくさんいます。

画像: 紅茶やハーブティーにヒハツを振りかけてもおいしい!

紅茶やハーブティーにヒハツを振りかけてもおいしい!

「脂肪燃焼キャベツ」がおすすめ

料理で使用されるのであれば、ぜひ食物繊維の多いキャベツにかけてみてください。

食物繊維は、不要なコレステロールを吸着して排出するほか、腸内で善玉菌のエサになる働きもあります。

先ほども述べたように、免疫器官は腸にあります。腸内環境を整える食事をとることは、免疫力の向上に繋がるため、ぜひ積極的にヒハツをかけたキャベツ「脂肪燃焼キャベツ」をとってください。

私は、キャベツをみそ汁に入れ、仕上げにヒハツをかける方法をお勧めしています。このレシピであれば、体を冷やさずに、しっかり量がとれます。

また、食物繊維は熱を加えると繊維が短く切れて、分子量も小さくなります。腸内細菌にとっては、この状態のほうが有効なので、善玉菌も増えやすくなるのです。こうして腸内細菌が整うことで、便通もスムーズになります。

内臓を温めることは、体にいいことばかりです。脂肪燃焼キャベツのみそ汁であれば、日常生活に手軽に取り入れられるでしょう。

ヒハツの摂取の目安は、1日1g程度です。ですが、この味が好きな人であれば、それ以上でも問題ありません。コショウの代わりに、ぜひ毎日の料理に取り入れてください。

※この記事は 『ゆほびか』2020年6月号に掲載されています。

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