樹木を植えるというと難しいイメージがありますが、植え方の基本はポット苗と同じです。植えつけ後は支柱を立てて倒れるのを防ぎます。植物が大きくなってきたら株分けをして場所を移動、挿し木で増やせる植物はハーブや観葉植物、多肉植物といった素朴な疑問に回答しています。【解説】戸倉多未子(ガーデナー)

著者のプロフィール

戸倉多未子(とくら・たみこ)

有限会社グレイスオブガーデン代表。ガーデナー。暮らしを豊かにする緑の庭づくりをモットーに、小さな庭からエクステリア、ガーデンリフォームまでオリジナルガーデンを手がける。化学肥料に頼らない、自然の恵みを生かした庭づくりを得意としている。ガーデニング講師歴30年、ガーデニング関連の雑誌などでも活躍中。
▼グレイスオブガーデン(公式サイト)
▼戸倉多未子(facebook)
▼@tamikosanexma(Twitter)
▼tamiko.tokura(Instagram)

本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。

選び方

枝が太く、長く、まっすぐなものを選びます。ここではドドナエアの苗木を使って植え方を紹介します。

画像: 選び方

植え方
ドドナエアの場合

①苗木より大きく穴を掘る

鉢の大きさよりもひとまわり深く、大きな穴を掘ります。

画像: ①苗木より大きく穴を掘る

②つくった土を穴に入れる

腐葉土、赤玉土、庭の土を混ぜたものを穴の底に入れます。

画像: ②つくった土を穴に入れる

③ポットから苗木を出す

ポットから苗木を出し、虫や枯れ葉がついていればとり除きます。

画像: ③ポットから苗木を出す

④穴に入れて土をかける

穴に苗木を入れて樹木の向きを整えます。そのあと土をかけます。

画像: ④穴に入れて土をかける

⑤水をたっぷりかける

植えた苗木のまわりに土手をつくるように、ゆっくりと水をかけます。

画像: ⑤水をたっぷりかける

⑥水が引いたらさらに土をかける

一度水をやると土がしずむので、さらに土をかぶせてなじませるように軽く押さえます。

画像: ⑥水が引いたらさらに土をかける

⑦支柱を立てる

地面に支柱を立て、枝と支柱を麻ひもでゆるく結びます。

画像: ⑦支柱を立てる

お手入れのコツ

伸びたら剪定して風通しをよくする

しばらくは特にお手入れの必要はありませんが、木が大きく育ってきたら、枝や葉を剪定します。形を整えることで生長を促し、病害虫予防にもなります。

画像: 伸びたら剪定して風通しをよくする

素朴なギモンを解決
お手入れQ&A

Q 植物がどんどん大きくなってきたらどうすればいいの?

A 「株分け」をして場所を移動しましょう

冬になっても根は枯れず、何度も花を咲かせる宿根草の苗は、植えっぱなしにしておくとどんどん株が大きくなります。そんな株は一度掘り起こして根や茎を切り離し、新しい株をつくるとよいでしょう。株分けをすると植物が活性化し、花つきもよくなります。

株分けの時期は植物によって違いますが、植え替え時期とほぼ同じ4~5月と10〜11月上旬頃がよいでしょう。

①大きくスコップを入れて掘り出す

根を傷つけないように土から株を掘り出します。

画像: ①大きくスコップを入れて掘り出す

②根に縦にはさみを入れる

はさみで株を2つに切り分けます。古い根や土は落としておきます。

画像: ②根に縦にはさみを入れる

③株を分ける

株分けができたら、新しい場所に植えつけます。

画像: ③株を分ける

Q 「挿し木」で増やせる植物を教えて

A ハーブや観葉植物、多肉植物が向いています

増やしたい植物の枝、茎、葉などを切りとり、土に挿して新たに増やしていくことを「挿し木」といいます。ほかにも挿し穂、挿し芽ともいいます。

新しい土に挿してから、白い根が発根できれば成功。発根までの目安は2~3週間です。挿し木に向いている植物は、茎がやわらかく根が出やすいローズマリーなどのハーブ類、アイビーなどの観葉植物のほかに、多肉植物も挿し木で増やすことができます。

①ポットに土を入れる

ポットに基本の土を入れ、たっぷり水をかけて湿らせておきます。

画像: ①ポットに土を入れる

②増やしたい植物をカットする

生長している新しい茎を選び、カットしましょう。

画像: ②増やしたい植物をカットする

③花や葉にはさみを入れる

花がついていればはさみでカットし、葉も半分くらいカットします。

画像: ③花や葉にはさみを入れる

④1時間ほど水につける

瓶などに水を入れ、そこにカットした挿し木をつけておきます。

画像: ④1時間ほど水につける

⑤根っこに発根促進剤をつける

挿し木の根っこに発根を促す促進剤をつけます。

画像: ⑤根っこに発根促進剤をつける

⑥ポットに挿し木を挿す

雨風のあたらない場所で、土が常に湿った状態を保ちます。

画像: ⑥ポットに挿し木を挿す

なお、本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。下記の本は、知りたい情報の全文がコンパクトにまとまった一冊です。詳しくは以下のリンクをご参照ください。

画像: 【植木・庭木の植え方】支柱の立て方や剪定・株分け・挿し木の仕方を初心者向けに解説
草花で素敵に彩る小さな庭のつくり方 SMALL GARDEN [ 戸倉多未子 ]
SMALL GARDEN 戸倉多未子 永岡書店クサバナ デ ステキニ イロドル チイサナ ニワ ノ ツクリカタ トクラ,タミコ 発行年月:2019年02月 予約締切日:2019年01月22日 ページ数:127p サイズ:単行本 ISBN:9784522435748 戸倉多未子(トクラタミコ) 有限会社グレイスオブガーデン代表。ガーデナー。暮らしを豊かにする縁の庭づくりをモットーに、小さな庭からエクステリア、ガーデンリフォームまでオリジナルガーデンを手がける。化学肥料に頼らない、自然の恵みを生かした庭づくりを得意としている。ガーデニング講師歴30年、ガーデニング関連の雑誌などでも活躍中(本...
¥ 1,320
2020-10-30 10:11

※⑮「植え方とお手入れ(球根)」はこちら



This article is a sponsored article by
''.