樹木を植えるというと難しいイメージがありますが、植え方の基本はポット苗と同じです。植えつけ後は支柱を立てて倒れるのを防ぎます。植物が大きくなってきたら株分けをして場所を移動、挿し木で増やせる植物はハーブや観葉植物、多肉植物といった素朴な疑問に回答しています。【解説】戸倉多未子(ガーデナー)
著者のプロフィール
戸倉多未子(とくら・たみこ)
有限会社グレイスオブガーデン代表。ガーデナー。暮らしを豊かにする緑の庭づくりをモットーに、小さな庭からエクステリア、ガーデンリフォームまでオリジナルガーデンを手がける。化学肥料に頼らない、自然の恵みを生かした庭づくりを得意としている。ガーデニング講師歴30年、ガーデニング関連の雑誌などでも活躍中。
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本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
選び方
枝が太く、長く、まっすぐなものを選びます。ここではドドナエアの苗木を使って植え方を紹介します。
植え方ドドナエアの場合
(1)苗木より大きく穴を掘る
鉢の大きさよりもひとまわり深く、大きな穴を掘ります。
(2)つくった土を穴に入れる
腐葉土、赤玉土、庭の土を混ぜたものを穴の底に入れます。
(3)ポットから苗木を出す
ポットから苗木を出し、虫や枯れ葉がついていればとり除きます。
(4)穴に入れて土をかける
穴に苗木を入れて樹木の向きを整えます。そのあと土をかけます。
(5)水をたっぷりかける
植えた苗木のまわりに土手をつくるように、ゆっくりと水をかけます。
(6)水が引いたらさらに土をかける
一度水をやると土がしずむので、さらに土をかぶせてなじませるように軽く押さえます。
(7)支柱を立てる
地面に支柱を立て、枝と支柱を麻ひもでゆるく結びます。
お手入れのコツ
伸びたら剪定して風通しをよくする
しばらくは特にお手入れの必要はありませんが、木が大きく育ってきたら、枝や葉を剪定します。形を整えることで生長を促し、病害虫予防にもなります。
素朴なギモンを解決お手入れQ&A
Q 植物がどんどん大きくなってきたらどうすればいいの?
A 「株分け」をして場所を移動しましょう
冬になっても根は枯れず、何度も花を咲かせる宿根草の苗は、植えっぱなしにしておくとどんどん株が大きくなります。そんな株は一度掘り起こして根や茎を切り離し、新しい株をつくるとよいでしょう。株分けをすると植物が活性化し、花つきもよくなります。
株分けの時期は植物によって違いますが、植え替え時期とほぼ同じ4~5月と10〜11月上旬頃がよいでしょう。
(1)大きくスコップを入れて掘り出す
根を傷つけないように土から株を掘り出します。
(2)根に縦にはさみを入れる
はさみで株を2つに切り分けます。古い根や土は落としておきます。
(3)株を分ける
株分けができたら、新しい場所に植えつけます。
Q 「挿し木」で増やせる植物を教えて
A ハーブや観葉植物、多肉植物が向いています
増やしたい植物の枝、茎、葉などを切りとり、土に挿して新たに増やしていくことを「挿し木」といいます。ほかにも挿し穂、挿し芽ともいいます。
新しい土に挿してから、白い根が発根できれば成功。発根までの目安は2~3週間です。挿し木に向いている植物は、茎がやわらかく根が出やすいローズマリーなどのハーブ類、アイビーなどの観葉植物のほかに、多肉植物も挿し木で増やすことができます。
(1)ポットに土を入れる
ポットに基本の土を入れ、たっぷり水をかけて湿らせておきます。
(2)増やしたい植物をカットする
生長している新しい茎を選び、カットしましょう。
(3)花や葉にはさみを入れる
花がついていればはさみでカットし、葉も半分くらいカットします。
(4)1時間ほど水につける
瓶などに水を入れ、そこにカットした挿し木をつけておきます。
(5)根っこに発根促進剤をつける
挿し木の根っこに発根を促す促進剤をつけます。
(6)ポットに挿し木を挿す
雨風のあたらない場所で、土が常に湿った状態を保ちます。
なお、本稿は『小さな庭のつくり方』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。下記の本は、知りたい情報の全文がコンパクトにまとまった一冊です。詳しくは以下のリンクをご参照ください。
※(15)「植え方とお手入れ(球根)」はこちら