【終活「生前整理」編】自宅の片づけを効率的に進めるためのルール

暮らし・生活・ペット

終活の一環として行う「生前整理」。自宅を片づけて、住まいと気持ちをリセットし、新たな生活を始めましょう。その際、効率をアップさせるための方法として、写真、本、衣類、アクセサリー、家具・家電などの片づけ方のアイデアをジャンルごとに紹介していきます。参考にして作業に役立ててください。

[別記事:【終活の生前整理とは】ポイントは取捨選択!モノだけでなくデジタルデータや人間関係の整理のポイント→]

本稿は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

4ステップで効率的に片づけを始めよう

高齢になると体力や認知能力が下がってしまうため、単に荷物を整理するだけでなく、身の回りのものや財産の整理をする意味でも、自宅の片づけは早い段階で行っておくのがよいでしょう。

生前整理の片づけをする前に、2つの事前準備があります。

1つ目は、どこから片づけるのか段取りを決めること。
2つ目は、捨てる決心がつくルールを決めることです。

これらをしっかりと決めておかないと、途中で挫折してしまったり、効率が悪くなったりしてしまいます。2つの事前準備が整ったら、下の4つのステップに沿って、片づけを開始しましょう。

効率よく片づけるための4つのステップ

(1)【出す】
まずは荷物を全部出す作業をして、どんな種類のものをどのくらい持っているか、可視化できるようにします。

(2)【分ける】
必要か、そうでないかを分けていきます。1年以上使っていなかったり、壊れ・破れなどがあったりするものは優先的に仕分けていきましょう。

(3)【減らす】
必要のないものを減らしていきます。下項でも紹介しますが、ただ捨てるだけでなく、誰かにあげたり、買い取りサービスなどを利用したりするのもいいでしょう。

(4)【しまう】
使う頻度によって、しまう場所を変えるのがポイントです。収納は満杯にせず、少し余裕を持たせておきましょう。

捨てる決心がつくルールを決める

上で紹介した、効率よく片づけるための4つのステップの中で、一番難しいのが「分ける」作業。

「もったいない」「まだ使えそう」と迷ってしまいますが、必要あるか、ないか、で分けていくと効率的に作業を進められます。

「まだ使えそう」と思ったものは、結局使わないことがほとんどです。あらかじめ自分で決めておいた、「捨てる決心がつくルール」に沿って、不要なものをスムーズに仕分けていきましょう(下記参照)。

捨てる決心がつくルール

1年以上使っていないもの
2個以上あるもの…洋服やバッグなど、同じような形や色のものも同様
壊れていたり、汚れ、虫食いなどがあったりするもの
形を変えて残せるもの…本→電子書籍、子どもの作品→写真撮影して残すなど

上記のルールは一例です。このように捨てる決心がつく自分なりのルールを決めてから、片づけを始めることがポイントです。

必要なものだけを残しましょう

片づけの際に使える魔法の言葉

家の片づけを円満に進めるためには、夫婦や親子のコミュニケーションが重要となってきます。しかし、「片づけてよ」「捨てなさいよ」など、高圧的な命令口調では、ケンカになってしまいます。

そこで、「片づけてみようよ」「~してみない?」と言い換えて、一緒の作業に誘うと効果的です。少し言い換えるだけで、言葉の印象が大きく変わっていきます。ぜひ実践してみましょう。

NGワード「捨てていい?」「取っておいてもゴミになるだけ」
OKワード「使わないなら誰かにあげる?」「もらっていい?」

NGワード「こんな奥にあるものいらないんじゃない?」
OKワード「奥にあるの知ってた?出してみる?」

NGワード「片づけたら?」「○○してよ」
OKワード「片づけてみない?」「こうした方がよくない?」

写真は年代やイベントごとにアルバムにまとめる

遺族が残されて困るものとして挙げられるのが写真。整理されないままの膨大な量の写真は、遺族の負担になってしまいます。

そこで、生前整理で「残してほしい写真」「遺影に使う写真」「捨てていい写真」を、わかるように整理しておきましょう。たくさんの写真の中から選ぶのは大変ですが、「各イベントにつき○枚まで」など、自分のルールを決めて断捨離をしていきましょう。

残して欲しい写真は、年代やイベントごとにグループ分けをしてアルバムにまとめておくと、家族が見返したときにわかりやすいのでおすすめです。なお、フォトアルバムは、100円ショップでも手軽に購入できるので、ぜひ活用してみてください。

本や雑誌はあらかじめ決めた場所に収納する

本や雑誌は、あらかじめ収納スペースを決め、そこに収納できる量の本だけを残すようにするといいでしょう。

不要になった本は、リサイクルショップに売ると買取価格がつくことがあり、ただ捨てるよりもお得に処分ができます。最近では、段ボール箱に詰めて送るだけで買い取りをしてくれたり、自宅まで無料で引き取りに来てくれるサービスもあるので、必要に応じて利用しましょう。

また、ボランティアの一環として、学校や図書館に寄付をするという方法もあります(※すべての施設で寄付を受け入れている訳ではないので、事前確認をしっかりと行いましょう。)。

衣類の処分はフリマアプリを活用する

虫食いなどで劣化した衣類や、もう着なくなった衣類は、燃えるゴミとして処分することができます。

思い入れがあって捨てられないものは、衣類単体の写真や、それを着用した写真を撮っておくといいでしょう。また、巾着やポーチ、ファブリックパネルのようなインテリア小物に加工するのもおすすめです。

譲る人が身近にいない場合は、フリマアプリを活用しましょう。シニア服は、古着などでおしゃれを楽しむ若い世代に需要があるため、リサイクルショップよりも高く売れることがあります。購入者とのやり取りや、梱包・発送などの手間はかかりますが、ただ捨てるのはもったいない、という人はぜひ試してみてください。

アクセサリーのリフォームも試してみる

アクセサリーやジュエリーなどは、貴金属専門買取業者に依頼をし、査定後に現金化して、家族で贅沢な食事やレジャーに使うのもいいかもしれません。

また、古いデザインのジュエリーは、今風のデザインにリフォームすることが可能です。今ある素材を活かしながら、普段使いもできるデザインに変え、子どもや孫にプレゼントするのもおすすめです。

家具や家電は業者に依頼する

家具や家電などを処分する際の手数料は、自治体(市区町村)によって異なります。自治体やホームページなどを確認し、必要な場合は粗大ごみの引取申込の手続きを行いましょう。

ただし、「家電リサイクル法対象機器」となるエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電は、自治体でのごみ収集ができません。購入店舗か最寄りの家電量販店などに回収の申し込みをしましょう。

これらの家電の回収や運搬には料金が発生するので、事前に確認しておくとスムーズです。なお、パソコンや液晶モニターは、メーカーで無料回収(条件あり)しています。

また、フリマアプリやリサイクルショップを活用したり、生前整理業者に依頼したりする方法もあります。

地元密着型のフリマサービス・ジモティーの活用

ジモティー(https://jmty.jp/)は、お金を払わずに不用品を譲ったり、譲ってもらったりできるサービスです。

譲り先を地元の人からを探すことが基本となっているため、メルカリなどのフリマアプリなどとは異なり、相手と直接顔を合わせながら、品物の状態を確認できるといったメリットがあります。

●本記事で紹介している情報は、2022年7月15日現在のものです。これ以降の法・制度改正等には対応しておりませんので、あらかじめご了承下さい。
●本記事で紹介している情報をもとに行動したうえで発生したトラブル・損害につきましては、一切の補償をいたしかねます。自己責任の範囲内で検討・実践してください。

■監修/小泉 寿洋(終活カウンセラー1級・ファイナンシャルプランナー(AFP))
■イラスト・マンガ/宮坂希
※この記事は『老後とお金の不安が軽くなる 終活の便利帖』(マキノ出版)に掲載されています。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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