【クルマのバッテリー上がり対策】JAF出動理由の4割強!その場で解決できるモバイルバッテリーGoal Zeroの「Venture Jump」が予想以上に高性能

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クルマを運転する人なら、一度は体験したことがあるであろうトラブルの代表は「バッテリー上がり」ではないでしょうか? 筆者自身も何度か体験していますし、身のまわりでもよく発生します。電源の使える自宅の駐車場ならバッテリー充電器などで対処できますが、出先では対処方法はほぼゼロ。JAFなどのロードサービスを利用するしかないでしょう。そんなクルマのバッテリー上がりにその場で対処できるのが、ジャンプスターター機能付きのモバイルバッテリーです。今回はGoal Zeroの「Venture Jump」を試してみました。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

車中泊やアウトドアに絶対便利なジャンプスターター機能

信頼性重視で世界初のポータブル電源を作ったGoal Zeroの「Venture Jump」を選択

Goal Zero「Venture Jump」のパッケージ。日本国内での取扱いは株式会社アスクです。

クルマを普段から運転する人で「バッテリー上がり」を体験したことのない方は、少数派ではないでしょうか? ヘッドライトや室内灯の消し忘れなどで、簡単にバッテリーが上がることは珍しくありません。自宅の駐車場といった電源や充電器などが確保できる場所なら、慣れている人間にとって大したトラブルではないでしょう。

しかし、電源や充電器などが確保できない出先でバッテリーが上がると、基本的にもうお手上げです。JAFなどのロードサービスを呼ぶしかありません。実際JAFのWEBサイトの「よくあるロードサービス出動理由」では「2021年度
JAFロードサービス出動理由TOP3」が公開されており、1位は「バッテリー上がり」で出動理由の「40.74%」と4割以上を占めています。

わざわざジャンプスターター機能付きのモバイルバッテリーを用意しなくても「ロードサービスを呼べばいいじゃん」という方もいるでしょう。温暖な地域の都会なら、それで十分だと思います。しかし、筆者は北海道在住、しかも北海道の自然風景の撮影は冬の方が好きなのです。流氷に、ジュエリーアイス、タンチョウに、オオワシ、オジロワシなど、大自然のなかにクルマで行き、車中泊ということもあります。昼間でも気温は零下は普通ですし、クルマ屋さんどころか、コンビニが数十キロ先といった場所にもよく行くわけです。とても数十分でロードサービスが到着するとは思えません。

下手すると氷点下の北海道で数時間、ロードサービスを待つ可能性すらあります。たかが「バッテリー上がり」が下手すると命にすら関わるトラブルとなってくるわけです。

パッケージを開けると写真のような専用ケースが現れます。コンパクトに持ち運べるので、とても便利です。

特に冬の雪国でのアウトドア遊びにおいて「バッテリー上がり」は非常に危険です。夏の猛暑のなか、子どもたちとクーラーの効かない炎天下もかなりの危険が伴いそうですが……。

というわけで、ジャンプスターター機能付きのモバイルバッテリーはかなり気になるアイテムだったのです。そして、インターネットなどでいろいろと検索したり、ネットショップを眺めたりしていたのですが、安心感のあるブランドでかつ、適度な価格というものがなかなかありませんでした。

そうこうしているうちにみつけたのがGoal Zeroの「Venture Jump」です。アウトドア好きには大ヒットLEDランタン「Lighthouse Micro Flash」のメーカーとしてもよく知られているでしょう。このGoal Zeroは「世界初のポータブル電源を使ったメーカー」としても有名で国連や赤十字なども同社のポータブル電源やソーラーパネルを備蓄しているといいます。

専用ケースを開けるとジャンプケーブルなどと「Venture Jump」本体がキレイに収まっています。

筆者はジャンプスターター機能付きのモバイルバッテリーを買ったのはいいが、実際に「バッテリー上がり」が起きたときにちゃんと動くのか? という疑いも持っていたわけです。そこで、さすがに「世界初のポータブル電源を使ったメーカー」であるGoal Zeroのジャンプスターター機能付きモバイルバッテリー「Venture Jump」なら間違いないだろうとセレクトしました。ちなみにお値段は実勢価格で18,000円前後とお安くはありません。ただし、会員以外が「バッテリー上がり」でロードサービスを利用すると13,000円以上するようなので、しっかりと機能してくれれば、お買い得ともいえます。

同梱品をすべて並べたところ。本体、ジャンプケーブル、充電用USB Type-Cケーブル、マニュアルが入っています。マニュアルは必ず読みましょう。

筆者は「バッテリー上がり」の際、確実に機能してくれるジャンプスターター機能付きのモバイルバッテリーという基準でのみ、アイテム探しをしていたため、細かなスペックはあまり気にしていなかったのですが、「Venture Jump」のスペック概要も解説しておきます。大きさは約18×10×4cm、重量は約590g(本体のみ※実測値)、ジャンプケーブルを含むと約770gでバッテリー容量は約10,000mAh/3.7Vです。容量の割には大ぶりなモバイルバッテリーに感じますが、IP保護等級はIP67。粉塵の侵入がなく、一時的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けないレベルで、さらに推奨使用温度域は-25〜60度と非常にタフな仕様になっているので仕方のないところでしょう。

各種電気の入出力端子は写真のように1カ所にまとまっています。しっかりとフタをすることで防塵防水構造です。

電気の出力については、ジャンプスターターは12V400Aスタートでピーク電流は800A、12Vバッテリー車専用ですが、大排気量のRV車やSUV車、3.0Lのディーゼル車にまで使用可能になっているといいます。これが本当に機能するのか? が最大の注目ポイントです。スマートフォンやタブレットなどへの給電はUSB Type-Aを2つ搭載、それぞれ最大18Wと10.5Wにまで対応しています。スマートフォンなら約3回、タブレットでも1回はフル充電できる程度の電気容量を確保しているので、普段はモバイルバッテリーとしても活躍してくれるでしょう。

また、充電はUSB Type-Cの入力ポートを搭載し最大2A/18Wにまで対応、充電に必要な時間はUSB Type-C(18W)で約3時間です。明るさ約45ルーメンの懐中電灯機能も装備しているので、ライトとして利用できるのはもちろん、暗い場所でのジャンプスタート作業時にも便利です。

暗い場所でジャンプスタートをするときなどにも便利な懐中電灯機能も搭載しています。

非常によくできた「Venture Jump」ですが、本当にバッテリーの上がったクルマを再起動できるのか? 実際に試していきます。

(ゴールゼロ) Goal Zero VENTURE JUMP ブラック
¥27,221
2023-02-01 10:46

真冬の北海道、当日は氷点下6度でも問題なし

「Venture Jump」なら、とても簡単にエンジンがかかる!

ボディがしっかり凍結しているのが見て分かるでしょう。低温は基本的にバッテリーには悪条件です。

「Venture Jump」でのジャンプスターターのテストは最初の1台にPEUGEOT 307CCを選択しました。排気量は2,000ccと結構大きめです。しかもテストを行った際の現地の気温は氷点下約6度。写真を見てもらうと分かるとおり、ボディの表面は凍りつき、クルマ全体はもちろん、バッテリーも冷え切った悪条件です。この状態でバッテリーの上がった2,000ccクラスをジャンプスタートできるでしょうか。

まず、最初にジャンパーケーブルを接続します。プラスマイナスをしっかり確認して作業しましょう。

実際にエンジンをジャンプスタートする際には、細かな条件や手順などがあるので、必ず付属のマニュアルを読んで、そのとおりに作業をしてください。

エンジンルームを開けて、バッテリーに「Venture Jump」付属のジャンプケーブルを接続します。プラスマイナスなどを間違わないように注意してください。

ケーブルをバッテリーに取り付けてから「Venture Jump」本体を接続します。

フル充電されている「Venture Jump」をジャンプケーブルに接続します。ジャンパーケーブルポートには向きがあるので、正しい向きでしっかりと挿入してください。

イグニッションキーを回して、エンジンを起動します。あっけないほど簡単にエンジンがかかりました。

「Venture Jump」でジャンプスタートする前に、クルマの電力負荷(ヘッドライト、エアコン、ラジオなど)がオフになっていることを確認します。

そして「Venture Jump」を接続してから30秒ほど待って、イグニッションキーを回しました。車種によってはイグニッションボタンのこともあるでしょう。

零下6度のなか、完全に冷え切ったPEUGEOT 307CCの2,000ccエンジンはあっけないほど簡単にかかりました。実際に作業していた筆者が「もっとなんかあるだろう」と思うレベルで普通にかかったのです。ちょっとびっくり。

ただし、イグニッションキーやイグニッションボタンを5秒以上連続で試行してはいけない、各起動試行の間に1分以上の間隔をあける、5分間隔で15回以上連続してジャンプをしてはいけないなどの制限があるので、必ずマニュアルを確認してください。

エンジンが始動したら「Venture Jump」のジャンパーケーブルをプラス(赤)→マイナス(黒)の順番で外して、ジャンプスタートは終了です。

しっかり手順を守って、慣れてしまえば数分で行えるレベルの簡単さ、本当に素晴らしい。

電力に余裕があったので、もう1台ジャンプスタートしてみた

電池が十分に余っていたので、近くにあったHONDA LIFE PASTEL 660ccもジャンプスタートしました。

PEUGEOT 307CCをジャンプスタートすると「Venture Jump」の電力はほとんどなくなるのではないか、と思っていたのですが、インジケーターランプはフル充電状態でした。そこで、ほとんど、そんなシーンはないと思いますが、もう1台ジャンプスタートしてみました。たまたま、こちらもバッテリー上がり状態になっていたHONDA LIFE PASTEL 660ccです。

ジャンプスタートの手順はPEUGEOT 307CCのときと同じなので省略しますが、こちらもあっけなくエンジンが再起動。手順さえ、しっかり守れば驚くほど簡単にバッテリーの上がったクルマのエンジンを起動することができます。完全に筆者の予想以上の性能です。

かなりの低温下ですが、エンジンは簡単にジャンプスタートしました。

まとめ

アウトドア好きなら1台は持っておきたいGoal Zeroの「Venture Jump」

タフな仕様で、しかも高性能なGoal Zeroの「Venture Jump」本体、頼りになります。

真冬に誰もいない道の駅で仮眠をとっているとき、人里から離れたキャンプ場などでキャンピングカーで家族と宿泊しているとき、朝起きたらクルマのバッテリーが上がってエンジンが掛からないというトラブルは状況によっては命の関わるのですが、バッテリー上がり自体は結構頻繁に起きます。実際筆者は何度も体験しているのです。そんなときのためにキャンピングカーにはガソリン式の発電機とバッテリー充電器などを常に積んでいますが、普通乗用車にはいつも積んでおけるサイズではありません。

これに対してGoal Zeroの「Venture Jump」は箱ごと持ち歩いても、わずか約27×19×6cm、重さも1kg程度です。しかも推奨使用温度域は-25〜60度と真冬の北海道でもほぼ問題のない耐温度性を確保しながら、簡単にエンジンをジャンプスタートさせてくれました。

筆者のように命に関わるような気温のなかでアウトドアを楽しむ人はもちろん、クルマのバッテリーは大寒波のような気温の低下でも、性能が落ちエンジンがかからなくなることもあるので、災害時への備えとしてもおすすめです。ぜいたくを言えばクルマ1台に「Venture Jump」が1台あると最高ですが、クルマを持っているなら一家に1台あると、とても安心だと思います。普段はモバイルバッテリーとしても使えるので、とてもおすすめです。

また「Venture Jump」でのジャンプスタートの実験に立ち会ってくれたクルマ関連の仕事をしている知人は、実験後すぐに「Venture Jump」の購入を決定していました。それくらい使いやすく、高性能です。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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