削らずに16km書けることで話題を呼んだ「メタシル」に、地産廃材を軸に40%使用した『Re:metacil(リ:メタシル)』が登場。環境に配慮した新たな軸をレビューする……つもりが、リニューアルポイントを続々発見! そのすべてをお届けする。
リサイクル素材が作るオンリーワンのデザインがおもしろい!
サンスター文具のメタルペンシルこと「メタシル」シリーズは、鉛筆のように削ることなく、シャープペンシルのように芯を変えることなく16km書き続けられる常識破りの文房具。黒鉛と金属を含んだ特殊な芯によって、芯の摩耗が著しく軽減し、長い間書き続けられるという仕組みである。2022年に発売されたこの1本は、文房具ファンやSNSの間で大きな反響を呼んだ。
そしてこの春、この「メタシル」シリーズに新たな商品が加わった。それが『Re:metacil(リ:メタシル)』(9×143×9mm/15g・希望小売価格 税込990円・2024年4月上旬発売)だ。
従来の「メタシル」シリーズとの大きな変更点は、軸の素材がアルミニウムからリサイクル素材に変更されたこと。プラスチック素材をベースに、日本国内で排出された噴石・牡蠣・卵殻・帆立の廃棄物を粉砕・再生した素材を約40%含んだ環境に配慮された軸となっている。
いずれも落ち着きのある色合いで、ビジネスシーンでも気兼ねなく使えるデザイン。軸をよく見ると各廃棄物の欠片が混在している。その大小さまざまな欠片たちが唯一無二の模様を描き、延々と見続けてしまうような不思議な魅力を放っている。これがなかなかおもしろい。
軸の素材が変わっても書き心地は従来そのまま!
実は素材に地産廃材を使用しただけでなく、密かに寸法が大きく変更となっている。形状は8角形のままだが、さは160mmから165mmに(後端にキャップ装着時)、軸太さが軸の素材が7.8mmから9mmに変更されていた。
なお、ペン先は全く同じで、「メタシル」シリーズは2H鉛筆相当(サンスター比)の濃さ。用紙によってその濃さが変わるとのことだ。ためしにいくつかの種類の紙に書いてみると、コピー用紙だと少し薄めで引っ掛かりがあり、少々書きづらかった。
ノートやルーズリーフのようなさらさらとした紙だと少し濃いめで、引っ掛かりもなくスムーズに書ける。おそらく、こうした少し厚めの筆記向け用紙に最適化されているのだろう。ちなみに、HBのシャープペンシルと比べると少し薄く、太さがあり、輪郭のぼけた鉛筆らしい仕上がりとなっている。
これはA4コピー用紙いっぱいに書いた後の軸先(上:使用後、下:未使用)。わずかに削れている程度でまだまだ使えそうだ。
なお、水や水性マーカーにも滲みにくいため、水彩画やイラストの下書きにも使える。
もちろん、消しゴムでも消せる。
少しマニアックな話になるが、ペンの重さは約14gから約15gと、ごくわずかに重くなった。しかし、重心位置が高くなったことや軸が太くなった影響か、実感では「metacil」よりも軽く感じる。
キャップ付きで折れ防止になった! 持ち運びもコンパクトに
実はもう1つ大きな変更点がある。それはキャップ式になったこと。従来の「メタシル」シリーズに限らず、一般的なメタルペンシルは鉛筆同様、落とした際に芯が折れることがあった。それを改善するべく、キャップ式になったのだろう。【上部画像の一番下が「メタシル」】
使用中はともかく、使っていない時に落としても折れる可能性が減るというわけだ。なお、キャップをした状態は「metacil」よりも約17mm短い143mmとなるので、筆箱に入れやすくなっている。大々的にアピールされていないが、これが地味にありがたい。
なお芯が丸くなってきたら、別売り(メタシルシリーズ共通)の『metacil(メタシル)替芯』(税込440円・発売中)に交換して使い続けることができる。
環境に配慮されただけじゃない!使い勝手も大きく変わった新しいメタシル!
『Re:metacil』の1番のポイントは軸に地産廃材を使用したSDGsな1本であること。だが、それ以外にも多くの魅力を発見することができた。特に寸法の変更や重心の変化など、書き心地にも影響を及ぼす変更は書き手にとってかなり重要なポイント。環境に配慮されただけでしょ、と思わずに実際に手に取ってその変化を感じ取ってほしい。
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