黒コショウの粒、岩塩など、食べるその時にガリガリッとミルで挽いてかけることでおいしさは加速する。そんなガリガリ軍団についに、うま味調味料「味の素®」版ミル型容器入り『GARI NO MOTO™(ガリ ノ モト)』が仲間入り! 世界共通語にもなっているそのUMAMIを、スパイスミル好きの筆者がガリガリして楽しんだ。
MANGAやAnime、Kawaiiだけでなく、世界がひれ伏した日本発のUMAMI(うま味)概念
日本料理の味付けの基本はさしすせそ(さとう、塩、酢、せうゆ/しょうゆ、みそ)と言われるが、昭和以降の家庭料理ではうま味調味料である「味の素」の「あ」も欠かせないものだ。パッとひと振りで格段に料理が”うま”くなるからである。
ちなみにこの「うま(旨)味」を発見したのは20世紀初頭の日本人。東京帝国大学・池田菊苗博士は、昆布だしのおいしさの正体が、グルタミン酸であることを発見。塩でしょっぱさ、砂糖で甘さを追加するのと同じように、自ら命名した「うま味」をきかせることができるうま味調味料(グルタミン酸ナトリウム)を開発したのが始まりだ。
もともと欧米ではこの「うま味」の概念自体が存在していなかったこともあり、日本料理ブームを経て、いまではMANGAやAnime、Kawaii、Judoなどと同じように、UMAMIとして世界共通語になっている。
「味の素」はさとうきびを発酵させて作った自然由来の調味料
かつてはそのパッとひと振りで料理をうまくする魔法感から、料理家に敬遠されることもあった「味の素」だが、いまではその評価もだいぶ変わってきた。
うま味自体は日本の食卓でなじみ深いもの。「味の素」の主成分であるグルタミン酸は名前だけ聞くとケミカルに感じるが、昆布だしのうま味と同じもので、アミノ酸の一種だ。
アミノ酸は、肉や魚などに含まれるたんぱく質を構成する成分であり、人体に必須の栄養素でもある。マッチョならプロテインとしてたんぱく質を摂取する人も多いと思うが、体内に入るとみなアミノ酸に分解されて吸収される。
「味の素」は砂糖の原料に使うさとうきび(もしくは芋類のキャッサバなど)を使い、発酵させて作ったグルタミン酸を使用した、まさに自然由来の調味料なのである。
『GARI NO MOTO(ガリ ノ モト)』を使ってみた〜自然なうま味がなじみやすく、マジカル度アップ!
そんなうま味調味料「味の素®」といえば、変わらず白っぽく、よく見ると縦長の結晶というのがおなじみ。そこに筆者も何の疑問も抱いていなかった。ただ味の素レッドの「アジパンダ®」瓶を使っていると、最後の方は結晶が細かくなり、味が変わる気はしていた。
今回、数量限定で発売されたミル型容器入り味の素『GARI NO MOTO™(ガリ ノ モト)』(50g/ミル瓶・参考価格 税込1,620円・2024年7月25日通販限定発売)は、「味の素」のいままでの粒子の常識がひっくり返る製品だ。
中身を見ると結晶がでかい。なめると確かに「味の素」の味。米粒のような感覚だ。
筆者は幼い頃から「味の素」を愛してやまない子どもだった。本来苦手で食べられない食品が、味の素のおかげでどれほどおいしく食べられるようになったか。その意味では恩人みたいなもの。その恩人をガリガリできるとは! それくらい『GARI NO MOTO』は楽しみでならなかった製品である。
まずは浅漬けで確認。漬物系はもともと開けたての「アジパンダ」瓶の粒だった細長い結晶をまぶして食べるのがおいしいと感じていたのだが、『GARI NO MOTO』を振りかけて実際に比べてみると、違ったおいしさになった。
通常結晶の「味の素」では、カリッとした状態が混じることで漬物のうま味が炸裂していた印象だったが、ガリガリと削る『GARI NO MOTO』はパウダー状になっているのできゅうりなどに吸収されていく印象で、漬物自体がおいしくなったようなステルス作用があったのだ。結晶の細かさで味が変わるとは驚きだ。
なるほど、これは同じようでいて使用タイミングがじゃっかん違う。調理を終えて全体的にうま味を底上げしたいときに仕上げで使うのに『GARI NO MOTO』は適していると思う。
いろいろな料理に試してみたが、ステーキなどの肉料理、パスタに自然なうま味を付け加えるなら圧倒的に『GARI NO MOTO』。家庭の餃子のタレや焼き魚など、結晶の食感ごとおいしく感じるもの、自家製ポップコーンなどには通常の「味の素」が合うと感じた。もちろん個人の感想に振り切っているけれど。
すでに完売! 再発売してくれないかな……
ただこのUMAMIファンにとって楽しさ満点の『GARI NO MOTO』だが、すでに完売となっている。UMAMIの可能性を大きく拡げる製品だけに、再発売を願いたいところだ。