今年6月に宮城県仙台市限定発売で登場した、中心加熱のガツンとした喫味の新星加熱式タバコ「glo Hilo/グロー・ヒーロ」がついに2025年9月1日に待望の全国発売となり、同時に新型プレミアム機『グロー・ヒーロ・プラス』も投入。全国的にはどちらも新登場の「ヒーロ」2機種、どちらを選択するかのポイントとともに『プラス』と吸い比べてみました。
最新製品「グロー・ヒーロ」シリーズとは?
従来機種「グロー・ハイパー」と互換性を排した進化は吉と出るか凶と出るか
今年6月に地域限定で登場した『グロー・ヒーロ』は衝撃でした。今までのデバイス用のスティックと互換性ナシ。専用のスティック「virto(ヴァルト)」(8種類※2025年9月3日現在)のみしか使えない。しかも2016年の初代「グロー」から貫いてきたスティックを周りから加熱する周辺加熱式をかなぐり捨てて、初期アイコスが内蔵ブレードで実現していた中心加熱式にシフトしたのです。

左が『グロー・ヒーロ・プラス』右が『グロー・ヒーロ』
それが、スティック内のタバコ葉に、ピン型のクオーツを差してタバコ葉を直接加熱する中心加熱/直接加熱と、熱伝導率の優れた赤外線とWで、グロー史上最高の約370℃の超高温加熱を行う「Turbostart™(ターボスタート)テクノロジー」です。

「Turbostart™(ターボスタート)テクノロジー」(イメージ)
「グロー・ヒーロ」はわずか5秒加熱で吸えるようになり、ポケットから紙巻きのライターと箱を取り出して、箱をトントンして1本出して、口にくわえて火をつけるという一連の動作と、ヒーロのスティックを挿入してボタンを長押しで起動(2秒程度)、起動すれば5秒で吸えるようになるというスピードは、紙巻きとほぼ同等。こうしたところも紙巻き体験なのだなと改めて感じました。

なんとかピン状のものを撮影することができました(左がヒーロ、右がプラス)
ただキャッチフレーズの「Love at First」(ひと口で、惚れる)はどうやらメンソール系に限られる模様。筆者はレギュラー系では2〜3口目から衝撃を受けました。同様にブースト・モードでも2口目くらいから、タバコ味が途端に爆発します。
「グロー・ハイパー」が実現できなかった使用時間は、BAT史上最長の5分10秒(約6分のアイコス イルマよりは少ない)、ブーストモードの場合は4分10秒というロングスモーキングを実現しました。
問題の喫味は強烈そのもの。はじめてタバコに手を出したときの初期衝動がよみがえる!

左が未使用、右が使用後。ピンがしっかり穴を開けているのがわかります
ガツン、キツい、インパクト抜群、紙巻きタバコ体験に肉薄、罪深いぐらいに強烈な喫味といったところでしょうか。あえて言うなら初期アイコスがたばこスティックの中心にブレードを突き刺して出していた強力な喫味に近いもの(アイコス イルマ以降は中心加熱だけれど、スティック内の金属片を誘導加熱する方式)。
決してお上品な味わいではないのですが、喫煙者が大好きな、罪深さが満ちあふれた濃厚な香りと、喉への力強いキック感と、タバコの旨味が、タバコを吸い始めたときの初期衝動さえ思い出させてくれます。
『グロー・ヒーロ』と『グロー・ヒーロ・プラス』の違いは、分割ボディなど使い勝手の差のみ

左が『プラス』で右が『ヒーロ』。どちらもニオイが漏れないスライド式フタ付き
地域限定発売だった『glo™ Hilo/グロー・ヒーロ』(約123.4×30.3×16mm/75g・税込3,980円・2025年9月1日全国発売)も今回が初お目見えとなる地域が大半ですので、『glo™ Hilo Plus/グロー・ヒーロ・プラス』(約42×118.1×19.5mm/124g・税込6,980円・2025年9月1日全国発売)とともに比較しながら紹介していきます。
どちらも内部の加熱構造は同じなので、味は同じです。喫煙可能本数、時間も同様ですが、『グロー・ヒーロ』が起動後約5秒で吸い始められるのに対して、『グロー・ヒーロ・プラス』は起動後10秒以内と少しだけ伸びています。筆者的には、そもそも「ヒーロ」でも、5秒で吸い始めるよりも10秒ちょい待った方がうまさのパンチがあるので、もともとちょい待ちしていました。

『グロー・ヒーロ』は約5秒のスピード起動(正確には長押しの2秒を追加すると7秒程度)

実測値29.4gのペン(アイコスイルマ i ホルダーは実測値31g)は、使用時は軽快だが持ち歩き総重量は重くなる『プラス』。タッチスクリーン搭載だが長押し2秒で起動して10秒以内で吸えるようになると、少し遅め
位置づけとしては、通常版が『グロー・ヒーロ』。バッテリー一体型なので「アイコス イルマ i ワン」的な位置づけでしょうか。『プラス』の方は軽快な「EasySwitch™ペン」と「充電ケース」の二分割方式でプレミアム感高めなので、アイコス イルマなら「アイコス イルマ i プライム」の位置でしょう。ただ、ペン単体で連続2本吸える他、少々重いですが充電ケースに合体させたままでも吸える二刀流になっています。
3,000円の価格差は「質の高い製品を求める」ユーザーへのアプローチ

BATジャパン 社長 エマ・ディーン氏
高価格化した製品について、8月22日に行われた東京・「glo Hilo│落合陽一 ポップアップストア表参道」での『グロー・ヒーロ・プラス』イベント会場で、BATジャパン 社長 エマ・ディーン氏は理由を説明していました。
「グローは安い」だけではない新シリーズは日本で定着するのか
続けて地域限定販売の現場で、「ヒーロ」を試した人々の約半分が購入したという実績。世界でもひときわ”タバコ製品にこだわりが強い”日本のスモーカーに手応えを感じ、全国発売を決定。
ただ『グロー・ヒーロ』と『グロー・ヒーロ・プラス』はあくまで使い勝手の問題なので、まずは価格の安い『グロー・ヒーロ』から入手というのが自然だと思います。使っているうちに愛着が出てきてから『プラス』に移行するというのが良いでしょう。

ポップアップストア内カウンター
ちなみに『グロー・ヒーロ』と専用スティック「virto(ヴァルト)」(全8種類)に関しては以前レビューしているので、以下を参照してください。

使用感が高級ガジェット! 『グロー・ヒーロ・プラス』で吸ってみた

持ったときの軽さも紙巻きタバコに近い重量に。分割式の「アイコス イルマ」のホルダーよりも軽量
プレミアムさはどこにあるのか。実際に使ってみたいと思います。
まず感じたのは、手に持ったときのずしりとした重みと、金属感。ガジェットとしてかなり細部まで作りこんだ製品だと思いました。金属の合わせも繊細に調整されており、使用時にペンを上にスライドして取り出すのですが、その滑り方がまずラグジュアリー感たっぷり。

ペンを外したときもかっこいい

ススマホ不要で手軽にモードが変えられるのはいい
逆にペンを収納するときもシャッと滑り降りて底部のマグネットにカチッとはまるこの快感。好きな人にはたまらないはず。

『ヒーロ』はタッチスクリーンではなく、2つのボタンでモードを切り替える
使用する時、『ヒーロ』は上下ボタンでスタンダードモードとブーストモードを選ぶのですが、『プラス』の場合は、中央ボタンを軽く押すと鮮やかなタッチスクリーンが表示され、バッテリー残量などを表示すると同時に、上下へのスワイプでブーストモード、スタンダードモードを切り替えます。

使用できるスティックは専用のスティック「virto(ヴァルト)」(1箱20本入・税込580円・2025年9月1日全国発売)8種類のみ。加熱式タバコ用スティックとしては最高価格
好きなモードを選んだら、ボタンを2秒程度長押し。起動したら10秒以内に吸える(『ヒーロ』は約5秒)ということでしたが、体感的にはさほど変わりません。バッテリーを装着したままだと少々重いですが、テーブルに置きつつ使用するならアリ。
アプリ「myglo」でスマホとBluetooth接続が可能

アプリ「myglo」はiOS/Androidに対応
近年のトレンドで、何もかもBluetooth接続する世の中。ただサッと一服したいときにスマホでBluetooth接続を行うのは面倒です。
それでも『ヒーロ』シリーズにもBluetooth接続で活用できるアプリ「myglo」があり、スクリーンに表示されるあいさつを変更できたり、セッションの長さを調節、GPS(位置情報)で紛失時に役立つなどの機能が活用できます。ただ、デバイス単体でも温度切替などの操作がこなせるのがうれしいところです。
機器が反応しなくなった場合、いずれかのボタンを長押し(約13秒間)し続けることで再起動できます。
まとめ:上質なガジェット感を日々味わいたいなら、「ヒーロ・プラス」で優雅にカチンと音を鳴らす。でもまずは『ヒーロ』で強烈喫味を気軽に味わおう

カラバリはルビー、オニキス、サファイア、アンバーの4色展開
これまでの「グロー」シリーズと言えば、運用コストの低さが魅力で、ニオイはキツいが喫味も強いという特徴がありました。その路線は「グロー・ハイパー」で終了、新たな道を踏み出したのが、「グロー・ヒーロ」シリーズです。

(左から)ヴァルト、背は低いが厚みがある『プラス』、背は高いがスリムな『ヒーロ』
純粋にタバコデバイスとして、気軽に使いたいなら『グロー・ヒーロ』で充分です。紛失したとき、故障したときのダメージも低いです。また加熱式タバコは精密機器なので、故障のリスクでいきなり吸えなくなることを考えると、安い方を選んで2台持ちするのが安心です。
ただ、毎日手のひらで眺めるモノとしての魅力は、『グロー・ヒーロ・プラス』に軍配が上がります。仕事の士気が上がるというか。味は同じはずですが、同じ目的地に軽自動車で向かうのか、高級セダンにするのかという問題な気がします。
ランニングコスト激増をどう考えるか〜スティックの価格差はハイパー用最低価格430円(「ラッキー・ストライク」)から580円へ150円アップ
もちろんこれまでのグローを考えると、ランニングコストはずいぶん上がりました。ハイパー用「ラッキー・ストライク」1箱430円と比べれば150円、「ネオ」500円と比べても1箱580円は80円アップですから。ただ吸える時間も5分10秒まで増え(ブーストモードでも4分10秒!)ているので、吸える時間自体は1日1箱で月30日換算すると合計30分増えるので、コスパは必ずしも爆発的に高いわけではありません。
グロー特有のニオイ面に関しても、金属的なヤニ臭さはかなり低減されています。とくにメンソール系はその傾向が顕著。
何よりの魅力はタバコらしさ。紙巻きタバコユーザーが移行するときも、現状『ヒーロ』『ヒーロ・プラス』が最適解であると感じました。
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