【iPhone用カメラアプリ】痒い所に手が届く!『ProCamera(プロカメラ)』購入レポート【一眼風本格画像が撮れる】

レビュー

iPhoneの標準カメラアプリはお手軽に使える反面、思った通りの写真が撮れず、イライラした経験はないだろうか。『ProCamera(プロカメラ)』は、一眼レフカメラ同様の細かいカスタマイズが可能な本格カメラアプリ。iPhone標準カメラアプリでは不可能な設定までできるマニュアルカメラだ。その使い心地に課金する価値はあるのか、調べてみた!

iPhoneのカメラはきれいに撮れるけど、振り回されることもしばしば……

iPhoneのカメラは、誰でも簡単にきれいな写真が撮れることをコンセプトとしたアプリ。明るさや色味、ピントなど、全自動で最適化してくれるから、難しいことを考えずに、サッと写真を撮れる。

 

だがその反面、意図しない動きをすることも多い。ピントが合わなかったり、色味がおかしくなったりと、手動で調整したい場面がたびたび遭遇する。

そんな不満を解消すべく、一眼レフカメラのように細かな設定ができるように作られたのが『ProCamera(プロカメラ)』(有料)。2009年に登場した元祖マニュアルカメラアプリと言われるアプリだ。

 

本記事では『ProCamera. Professional Camera』の機能を可能な限り紹介していく。ただし、すべてを紹介するとあまりにも膨大。というわけで、今回はカメラ(静止画)の中のiPhone標準カメラアプリにはない機能のうち、主だったものを紹介しよう。

 

ホワイトバランスやマニュアルフォーカス、4種類の露出モードなど、なくてはならない機能が盛りだくさん!

撮影画面には、③露出補正や⑪レンズ切替(ズーム)といった基本の機能に加えて、②シャッター速度、⑥ヒストグラム、⑭ホワイトバランスなど、iPhone標準カメラアプリにはない設定が多く表示されている。実際に撮影しながら、いくつかの機能を使ってみよう。

 

⑥ヒストグラム

「ヒストグラム」は、露出の分布を表したもの。露出のみの表示で、RGBには分かれていない。過度な露出オーバー、露出不足時はヒストグラムが赤くなってお知らせしてくれる。ヒストグラムの表示方法は、後述のコントロールパネル内で変更可能だ。

 

⑪レンズ切替(ズーム)

 

⑪「レンズ切替(ズーム)」は、2眼、3眼搭載iPhoneの場合に選択可能。デフォルトでは、タップでレンズを切り替えてズームを行うシングルレンズモードとなっている。デジタルズームも不可。

デジタルズームを行うには、設定→高度な設定→写真ズームをONにする必要がある。ただし、レンズの切替は行われないため(シングルレンズのまま)、都度タップによる切り替えが必要だ。なお、⑫露出モードのA(自動)にした場合にのみ、レンズの自動切替が行われるようだ。

 

⑫露出モード

 

「露出モード」は、露出補正、シャッタースピード、ISO感度に関する項目。モードはA(自動)、M(手動)、SI(半自動)、EB(露出ブラケット撮影)の4つで、切り替えは⑱コントロールパネル内、または長押しで変更できる(Aの場合、アイコンが消えるためコントロールパネル内からのみ変更可能)。

Aは、露出補正のみ設定可能なモード(設定中はアイコンは非表示)。ズーム時に自動でレンズが切り替わるため、iPhoneの標準カメラとほぼ同じ使い方ができる(他のモードはレンズは固定)。

SIは、露出補正とシャッタースピード(または露出補正とISO感度)の組み合わせで調整するモード。片方を動かすとISO感度(またはシャッタースピード)が自動で変更され、最適な露出に調整される。

Mは、シャッタースピードとISO感度の組み合わせで調整するモード。露出補正は0のまま変更されない。自動調整が行われないため、より思い通りに調整できるというわけだ。

EBは、露出補正の中央値とは別の露出補正の写真(最大±4)も同時に撮影するモード(3~7枚)。現像時に露出違いの写真を使い、最適な露出に編集できる。白飛び、黒つぶれしにくくなるので、とくに一瞬のシーンを撮影したい場合などに使いやすい。

なお、露出オーバーの場合は赤と白の斜線、露出不足の場合は青と白の斜線で該当箇所を知らせてくれる(要設定)。視覚的に白飛び・黒つぶれの箇所が分かるので、どちらもON推奨だ。

 

⑬ホワイトバランス

「ホワイトバランス」は、色温度(Temp)と色被り(Tint)の補正項目。設定範囲は、それぞれ2000K~9000K(設定で1000Kまで可能)と-150~+150。筆者は特に屋内での撮影が多く、色被りが発生するため、この機能は必須。このためだけにこのアプリを使っているといっても過言ではない便利さだ。

 

⑭マニュアルフォーカス

「マニュアルフォーカス」は、その名の通り、フォーカス(ピント)を手動で調整できる項目。画面上ではピントの合っている場所が黄色で表示される(数秒後に非表示になる)。フォーカスを追い込むには、黄色のドットが輪郭部分により収束するようにするのがポイント。設定で非表示も可能。

 

⑮撮影モード切替

写真、ポートレート、LowLight、セルフィ―、ビデオ、前後2カメラ、ストリーム、スキャンを選択可能。iPhone 17シリーズで搭載された「前後2カメラ」なども利用できる(16シリーズ以前も可能)。ただし、iPhoneにあるパノラマや空間、スロー、タイムラプスなどはない。

 

⑰補助シャッター

⑰「補助シャッター」は、手ブレ防止やセルフタイマー(0~60秒、撮影間隔0~3,600秒、撮影枚数0~50,000)、クアッド連写(4連写)のいずれかを設定可能。切り替えは⑱コントロールパネルから。

 

個別設定&拡大可能な「フォーカスカーソル(ピント)」と「露出カーソル」

画面内をタップすると、黄色(円)と青色(四角)のカーソルが出現。黄色カーソルは露出の基準、青色カーソルはフォーカス(ピント)の基準となる。1度のタップでは両者は重なっているが、スライドさせるとそれぞれ個別に調整可能だ(長押しでロック)。

 

また、青色カーソル(フォーカス)をロック後、別の場所にスライドしてもロックされたままになっている。再度長押しする必要がないので、ノンストレスに調整可能だ。また、画面を上下にスライドさせるとカーソル部分が拡大表示され、フォーカスを再度調整できる。左右に動かすとより細かくフォーカスを調整できてとても便利。

 

なお、MFが有効になっていると青い四角は出現せず、拡大表示はされない。

 

細かくカスタマイズ! コントロールパネルと設定&高度な設定

最後にコントロールパネル内の設定項目についても少し紹介。撮影画面にはない項目もいくつかあり、撮影の柔軟性を高めてくれる。

例えば「グリッド」は全部で4種類黄金比や放射線構図など、プロ用が用意されている。傾斜系は水平と垂直の同時計測が可能で、カメラの前後左右の傾きを視覚化できる。保存形式は、JPG、HEIF、TIF、RAW、RAW+JPG、RAW+HEIF、PRO RAWの計7つ。48MPでの保存も可能だ。

 

なお、レイアウトは変更不可。撮影画面の表示をライト、ミディアム、スタンダードの3種類で変更できる。

また、左下の設定(歯車のアイコン)をタップすると、さらに細かなカスタマイズが可能。フォーカスや露出の設定など、自分好みに変更できる。

 

価格:1か月124円で使えるお得プラン!

価格は下記の3プランが用意されている。

  • 120円/1週間
  • 1,490円/1年間
  • 12,000円/終身(買い切り)

お得なのは言うまでもなく、2つ目の「1,490円/1年間」(2025年9月20日時点)。ひと月あたり124円で利用可能だ。「12,000円/終身(買い切り)」はランニングコストは良いが、「1,490円/1年間」よりもお得になるのは8年以上使った場合か、あるいは1年プランが異常な値上がりをした場合だけ。保険も兼ねて、「1,490円/1年間」がいいだろう。

 

自動は楽だけど、自由も欲しいよね。自分が欲しかった写真が撮れる『ProCamera. Professional Camera』

元祖マニュアルカメラアプリこと『ProCamera. Professional Camera』は、一眼レフカメラと同等の設定の豊富さを兼ね備えたカメラアプリ。画質などはスマートフォンに依存するため、きれいに撮れると保証できないが、スマートフォンの性能を引き出してくれるはずだ。

 

設定項目が多くて頭が混乱しそうだが、まずはホワイトバランスと露出モードを使いこなし、自分好みの写真を作ってみてはいかがだろうか。

 

公式サイト

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