Apple Japanは2025年9月10日、iPhone17、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxを発表した。本記事では、発表された4機種のスペックをiPhone 16シリーズと比較しつつ考察し、最後にiPhone 17シリーズ購入時の注意について紹介する。
一番注目はiPhone Air! Plusは廃止へ
毎年9月に発表される新型iPhone。今年はiPhone17、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxの4機種が登場した。一番の注目株は、もちろんiPhone Air。iPhone史上最薄となる5.64mm(最薄部)のボディを採用した薄型iPhoneだ。一方で、大画面・大バッテリーのPlusは廃止となった。
必要十分なiPhone 17と必要最低限なiPhone Air。Proシリーズは今回もさらにハイレベルに進化!
まずは新機種4種の基本スペックをチェック・比較してみよう。気になるポイントを表にピックアップした。本記事では上記表を見つつ、各機種の要注目ポイントをiPhone 16シリーズと比較しながら考察する。
『iPhone 17』値上げしたけど実質値下げのiPhone17
始めにピックアップするのはiPhone 17。価格は129,800円(256GB)。昨年発売のiPhone 16より5,000円値上げされた。しかし、iPhone 16は128GBで124,800円だが、iPhone 17では256GBで129,800円。つまり、+5,000円で容量が倍になった。通常、iPhoneは+35,000円で容量が倍になるので、これは実質的な値下げとなっている。
カメラは48MP Fusionメインと48MP Fusion超広角の2眼。超広角が12MPから48MPへと進化した。望遠が無いのは従来通りだが、日常生活では十分すぎる性能と言えるだろう。
本体重量は177g。iPhone 16から7gアップしている。たった7gではあるが、長時間持つとやはり地味に辛いので、ここはマイナスポイントだ。
その代わり、バッテリー容量(ビデオ再生時間)は大幅にアップ。iPhone 16の最大22時間から最大30時間へと8時間増加した。これはiPhone 16 Plusの27時間よりも3時間も多くなっている。
『iPhone Air』機動性特化のコンセプト機。だが、実はゲーム用に開発された可能性も?
続いては一番注目のiPhone Air。価格は159,800円(256GB)。iPhone 17よりも3万円高く、割高に感じてしまうのが正直な感想だ。容量のラインナップは256GB、512GB、1TBの3展開。
注目したいのは、やはり本体の薄さ。iPhone史上最薄の5.64mmで、iPhone 17 Pro Maxの約3分の2の厚さに相当する。身の周りの約5mmの物というと、標準的な段ボールの厚さだから、どれだけ薄いか想像できるはずだ。なお、カメラ部分はほかのiPhone同様飛び出ているので、あくまで本体のみ5.64mmと認識しておこう。
そのカメラは48MP Fusionメインの単眼。カメラをメインに使わない人向けだ。背面はGoogle Pixelシリーズに似たバーのようなデザインになっている。
バッテリー容量(ビデオ再生時間)は、最大27時間と意外と多め。iPhone 17には及ばないが、iPhone 16 Plusと同等のスペックなので不自由なく使えるだろう。
また、iPhone Airは画面サイズ6.5インチと、iPhone 17の6.3インチよりも少し大きめ。そのため本体重量は165gと、軽すぎるわけではないが、ほどよい重さに収まっている。
と、ここでとある疑問が湧いてくる。なぜiPhone Airはこの薄さでiPhone 17と同じ画面サイズにしてもっと軽くしなかったのだろうか。バッテリー容量は減るが、それでもiPhone 16と同等なので不満は出ないはず。しかも、なぜかチップ(処理速度を決める部品)はProシリーズと同じA19Proが採用されている。
考えた末に筆者がたどり着いたのが、iPhone Airはゲーム利用を想定した機種ということだ。
処理速度が速く、大画面で、容量が1TBまで展開、バッテリー容量がほど良く、薄くて軽くて持ちやすい(背面のバーデザインに指が引っ掛かって持ちやすい?)。そして不要なカメラは必要最低限。ややグラフィック処理性能は劣る(iPhone 17同等)が、これはもうゲーム特化といっても過言ではないだろう。
ちなみに、スピーカーにステレオ表記がないため、おそらくモノラルとなっている。ただ、これもイヤホンをすれば気にならないので、よりゲーム用途だと思われる。排熱の問題はどうなるのか心配だが……。
『iPhone 17 Pro』『17 Pro Max』弱点を克服したカメラの完成形!
最後はiPhone 17 Proシリーズ。価格は、iPhone 17 Proが179,800円(256GB)、iPhone 17 Pro Maxが194,800円(256GB)。A19Proチップや背面デザイン、排熱問題の改善など、変更ポイントはいくつかあるが、基本的には順当な進化、スペックUPと捉えていいだろう。
個人的一番の注目ポイントはカメラ。iPhone 15 Proシリーズでは光学3倍(Pro)と光学5倍(Pro Max)、iPhone 16 Proシリーズでは光学5倍だったが、iPhone 17 ProシリーズではPro、Pro Maxともに光学4倍と8倍相当が搭載された。
筆者はiPhone 16 Proを持っているが、イマイチ使い勝手が悪い。というのも、iPhone 16 Proは3~4.9倍の画質がガクッと落ちるのだ。とくに4~4.9倍はスマホ上でも分かるほど劣化している。
iPhone 16 Proシリーズのズームは、いわゆるデジタルズームを行っていて、48MP Fusionメインで撮影したものを3倍、4倍にズームすると画質は9分の1(約5MP)、16分の1(約3MP)に低下。4.9倍だと約2MPになってしまう。つまり、ミドルレンジの撮影が非常に苦手というわけだ。iPhone 15 Proシリーズの光学3倍はこのミドルレンジをカバーするために採用されていたが、望遠機能には欠けていた。
iPhone 17 Proシリーズではこの弱点を克服。光学4倍の48MP Fusion望遠を採用したことで、ミドルレンジの画質低下を解決している。さらに8倍相当まで高画質(12MP)のままズームできるようになり、望遠機能もアップした。
マクロ撮影から望遠撮影まで、オールレンジで使いやすくなったのがiPhone 17 Proシリーズというわけ。これはスマホカメラの完成形と言ってもいいだろう。
機種変更時に注意! 物理SIMが廃止されてeSIMだけに!
最後に、iPhone 17シリーズを購入する上で一番気を付けなければいけないポイントを紹介、というか注意喚起する。
iPhone 17シリーズでは全機種物理SIMが廃止され、eSIMだけとなった(日本国内向け)。そのため、これまで物理SIMを使っていた人は移行する必要がある。申し込み・手続き自体は簡単だが慣れていないと1時間ほどかかることもあるし、契約会社・回線によってはやり取りをする必要もある。
また、シェア率の高いiPhoneのため申し込みが殺到して想定以上に時間がかかったり、最悪しばらく使えなくなったりという事態に陥るかもしれない。購入時は十分に注意をしてほしい。
iPhone 17シリーズはコスパ良し! バランス良し! 性能良し! の期待シリーズ
iPhone 17シリーズは、全体的にとても洗練されたシリーズだと筆者は思う。iPhone 17は容量、カメラ、重量、バッテリーなどが正統な進化を遂げて、汎用機として非常に優れてた機種。価格こそ上がったが、256GBで+5,000円は昨今のiPhoneとしてはコスパに優れているだろう(安くはないが)。
薄型のiPhone Airは、懸念されていたバッテリーはそれほど問題なさそう。薄型というデザインも珍しいしゲームにも使いやすい性能で使い勝手も良さそうだ。
Proシリーズも正当な進化と同時に改善された機種。iPhone Airの登場で影に隠れてしまったが、光学4倍、8倍のカメラ変更は重要なポイントだ。今回の進化でカメラの使いやすさが大幅に向上しているだろう。
iPhone 17シリーズの発売は9月19日(金)、予約は9月12日(金)午後9時から。予約合戦に負けないよう、今から準備をしておこう。
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