Q
CDやDVDに傷がついて再生が難しくなった場合に、きれいな状態に戻してくれるサービスってないんですかね?(S・Fさん 富山県 60歳)
A
この質問は、ディスクに詳しいAVライターの鳥居一豊さんに聞いてみましょう。
鳥居
CDやDVDの傷の修復というと、記録面を研磨する有料サービスがあるほか、研磨のための器具も販売されています。しかし、ディスクの研磨は、目で見てきれいだと感じるようになりますが、必ずしも元どおりに再生できるとは限りません。また、ブルーレイディスクは表面を保護するためのハードコート処理が施されており、研磨を行うとハードコートがはがれてしまって、余計に傷に弱くなるということもあるので、使わないほうがいいでしょう。
何といっても、ふだんからディスクを丁寧に扱って、傷をつけないようにすることが肝心です。ディスクを裸のままで置きっぱなしにするのは避け、きちんとケースに収納します。ケースからの出し入れやプレーヤーへのセット時も、記録面に触れないよう注意しましょう。
盤面に指紋やホコリが付いた場合は、メガネ拭きなどの不織布を使って丁寧に拭き取ります。固い布やティッシュペーパーを使うのは、おすすめできません。しつこい汚れは、無水アルコールや薄めた中性洗剤で洗うといいでしょう。このときも強くこするのは厳禁です。
──汚れないように扱い、汚れたら洗剤で洗うということですね。
鳥居
大きな傷のあるディスクは、パソコンでリッピングしてみるといいでしょう。リッピングソフトやドライブの性能にもよりますが、うまく読み取れなかった場合にはリトライを行って何度も読み直すので、信号読み取り能力は優れています。CDプレーヤーでは音飛びが生じるようなディスクでも、きちんと信号を読み取って音楽データを取り出せる場合があります。そのままパソコン上で再生できますし、CDとして再生したい場合は、CD-RなどにオーディオCDとして書き出せばOKです。
もし、一般的なCDドライブやリッピングソフトでうまくいかない場合は、パイオニアの『PureRead』機能を持った光学ドライブを使ってみましょう。これは、独自のドライブ設計とディスク読み取りアルゴリズムを組み合わせた技術で、傷などの影響で読み取りができない部分を、さまざまな方法を駆使して読み取るという機能です。一般的なプレーヤーでは読み取りが困難になったCDでも、高精度で信号の読み取りを行うことができます。
『PureRead』に対応したDVR-XD07BKなどの光学ドライブには、専用のソフトやユーティリティーが付属し、これらを使ってCDリッピングを行うことで、傷ついたディスクでも元のデータを読み取ることができます。いざというときには、ぜひとも試してみてください。
──傷のあるディスクは、高精度の読み取り能力を持つ光学ドライブを使ってリッピングするのがいいということですね。了解しました!