西洋医学では存在しないといわれる「宿便」ですが、実際には断食後に梅湯を飲む「梅流し」をすると、通常とは違う形状の便が出ます。腸の古い組織や汚れが剥がれ落ちたものと考えられ、宿便を出すと腸の機能が回復し、体調がよくなる人が多いのです。【解説】三浦直樹(みうらクリニック院長)(2020年3月11日更新)

解説者のプロフィール

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三浦直樹 (みうら・なおき)

みうらクリニック院長。肉親のがんをきっかけに、西洋医学の限界と矛盾を強く認識。以来、約20年間、治療法の選択肢を広げるべく、自然療法の研究・実践を開始。病気にならない生活習慣のアドバイスを行う一方で、「難病と言われてもあきらめない」をモットーに、他の病院では行っていない治療法なども効果や安全性を考えながらとり入れている。著書『週1断食で万病が治る』『薬だけに頼らず病気を治す家庭療法の教科書』(ともにマキノ出版)が好評発売中。
▼みうらクリニック(公式サイト)

宿便をはがし取る「梅流し」とは

私は断食による健康指導を行っており、断食の最後には、梅干しを使った「梅流し」を行います。これは、臨済宗の僧・野口法蔵氏の下で学んだインド式の断食法です。最低48時間以上食事を抜いた後、大根の煮汁に梅干しを入れてつぶした「梅湯」を飲みながら、煮た大根や生野菜を、みそとともに食べるというものです。梅干しのクエン酸が洗剤、大根や生野菜の食物繊維がブラシのような働きをして、腸をきれいに掃除するという考え方が基礎にあります。

梅流しを行う目的は、宿便を出すことです。

【宿便とは】
西洋医学では「宿便」という言葉はほとんど使われません。内視鏡で大腸内を見ても、いわゆる長期滞留している便は確認できないからです。しかし実際には、断食後に梅流しをすると、驚くほど大量の便が出ることがあります。普段の便とは形状が異なり、ドス黒い便、砂のような便、ワカメのような便など、いろいろなパターンがあるようです。私の師匠は、これを「小腸の粘膜や絨毛にこびりついている、古い組織や汚れが剥がれ落ちたもの」と説明しています。通常の便も、食べ物のカスだけではありません。半分以上は腸内細菌や腸壁細胞の死骸なのです。

宿便がたまると腸の消化吸収機能が衰え、体にさまざまな悪影響が及びます。宿便を出すことは、腸の機能を回復させることにつながるのです。

「梅流し」のやり方

画像: 「梅流し」のやり方

【用意するもの】
大根、梅干し、旬の生野菜、みそ

【やり方】
❶大根(厚さ1cmぐらいの輪切り)を煮る。
❷①の煮汁に種を取った梅干し(中ぐらいの大きさのもの2つ)を入れてつぶし、どんぶりに軽く1杯、ゆっくり時間をかけて飲む。
❸②の2杯目を飲みながら、煮た大根(どんぶり1杯に対して2切れぐらい)、生野菜(旬のものなら何でもいい。量は1皿ぐらい)、みそ(量に決まりはない)を食べる。
❹③を宿便が出るまで続ける。

梅流しの効果

「肌がきれいになった」「頭がクリアになった」

私は座禅断食を学んだとき初めて梅流しを体験し、その効果を実感しました。これまで私の断食会に参加した人も、ほとんどの人が宿便を出しています。梅湯を何杯飲めば宿便が出るかは、人によります。私は早いほうで、いつも2〜3杯飲めば出ていました。なかには、4〜5杯以上飲まないと出ない人もいます。また、散歩をして刺激を加えると、出やすくなります。

宿便が出た後は、このうえない爽快感が得られます。体験した人はみな「すっきりした」「肌がきれいになった」「頭がクリアになった」と言います。

断食と梅流しで宿便を出し、腸の機能を回復させることで、体調を良い方向へ導きます。何度かくり返し行った人の中には、血圧や血糖値が下がった人、ぜんそくの発作が出なくなった人、10kg以上やせた人もいました。

「梅流し」の注意点

ただし、なかば強制的に宿便を出す梅流しは、一時的に腸壁を荒らすことになります。実践する際は、いくつか注意点があります。

まず、投薬や治療中の病気のある人は、決して自己判断で行わないこと。特に消化器系の病気の人、消化器の手術をして1年以内の人は禁忌です
また、梅流しは48時間以上の断食をして、胃腸をからっぽにしなければ意味がないとされています。長時間の断食は危険を伴うことがあるので、最初は専門家のもとで行いましょう。

長期にわたって行う本格的な断食は、気軽にできるものではありません。
断食前に準備期間を設けて徐々に少食にし、断食後の数日間も、注意しながら通常の食生活にゆっくり戻していく必要があります。基本的には、専門家の指導のもとで行うものです。

そこで、自宅で気軽に安全にできる断食として、私がお勧めするのが、「週1断食」です。
週1断食とは、週に1回、1日1食にする「24時間断食」です。

→「週一断食」のやり方

梅流しで腸が荒れているときは、食べたものを吸収しやすいので、体によくないものを食べるとかえってアレルギーを招きやすくなります。梅流しの後、1週間は、動物性食品、アルコール、添加物、炭酸、ヤマイモや香辛料など刺激の強い食品は控えてください。

お酒の飲みすぎ、夏バテに「梅湯」が役立つ

本格的な断食や梅流しはハードルが高いという人は、梅流しで使う梅湯を健康食として取り入れるだけでも、メリットはじゅうぶん期待できます。
東洋医学では、酸味は肝臓の機能を高めて血液をきれいにする働きがあるといわれています。梅に含まれるクエン酸は疲労回復に、また良質な塩分は殺菌作用に優れています。お酒を飲みすぎたときや、夏バテ、食あたり予防にも役立つでしょう。ぜひご活用ください。

下痢や花粉症、目の症状にも「梅干し」を活用

私のクリニックの食事指導では、梅干しはよく利用する食材の一つです。例えば、胃腸や肝臓が弱っている人には、「梅醤番茶(うめしょうばんちゃ※番茶に梅干しとショウガとしょうゆを入れたもの)」をお勧めしています。梅干しの酸味は肝臓によく、東洋医学において、肝臓と目は関係が深いため、目の養生にもとても有効です。

梅醤番茶を飲んだ30代の男性は、緑内障の眼圧が下がり、失明の危険がなくなったと喜んでおられました。また、ひどい下痢には、梅干しを黒くなるまで焼いたものを、花粉症などで粘膜がむくんでいるときには梅干しを食べると効果的だとお伝えしています。

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