血流が悪くなると、全身に必要な酸素や栄養、免疫物質などが届かなくなり、不要な老廃物が滞ります。さらに血液を介して熱が巡らなくなるため全身が冷えきります。この状態が続けば内臓の働きが悪くなりますし、免疫力も低下します。【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)

解説者のプロフィール

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石原新菜(いしはら・にいな)
イシハラクリニック副院長。医師。帝京大学医学部卒業後、大学病院での研修を経て、現在、自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實氏が院長を務めるイシハラクリニックで、漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。『女のキレイは30分で作れる』(マキノ出版)、『酢ショウガで体すっきり!ずっと健康!』(宝島社)など、ショウガや健康に関する著書、監修書多数。テレビやラジオなどのメディアへの登場も多い。

多くの症状に効果を発揮

健康で若々しい体を維持するためには、全身の血流をスムーズにしておく必要があります。

血流が悪くなると、全身に必要な酸素や栄養、免疫物質などが届かなくなり、不要な老廃物が滞ります。すると、細胞の新陳代謝は低下します。さらに、血液を介して熱が巡らなくなるため、全身が冷えきります。

この状態が長く続けば、内臓の働きが悪くなりますし、免疫力(病気に対する抵抗力)も低下します。頭痛や肩こり、便秘、高血圧、シミ、シワなどの病気や不調も生じやすくなるはずです。

では、全身の血流をよくするには、何をすればよいのでしょうか。そのためにお勧めしているものの一つが、「酢ショウガ」です。

酢ショウガは、ショウガを酢に漬けたもので、ショウガと酢の薬効が一度にとれる健康食です。

当院では、冷え症をはじめ、肩こり・腰痛などの関節痛、肥満、高血圧など、さまざまな病気や不調が気になるかたに、酢ショウガをお勧めしています。

酢ショウガには、次のような病気・症状への効果が期待できます。

◎血液や血管の健康維持

ショウガの辛味成分であるジンゲロールと、ジンゲロールを加熱したときにできるショウガオールは、血管を広げて血流をよくしてくれます。

また、ジンゲロールには、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして、血液をサラサラの状態に保ち、動脈硬化を防ぐ働きもあります。

酢は、主成分である酢酸に、血圧の上昇を抑えたり、血液中の中性脂肪を減らしたりする働きがあります。さらに、食後の血糖値を抑えたり、血栓(血液の塊)をできにくくする効果も期待できます。

この作用から、動脈硬化や高血圧、高脂血症、糖尿病などが気になるかたに、酢ショウガはとてもお勧めの食品です。

◎耳鳴りやめまいの予防・改善

耳鳴りやめまいの多くは、耳の最深部にある、内耳と呼ばれる部分の血流が悪くなることで起こります。

内耳の血流が悪くなる原因としては、高血圧や冷え、水毒(体に余分な水分がたまった状態)などが考えられます。

酢の酢酸やショウガの成分で血管が拡張して、全身の血流がよくなれば、ゴースト血管(機能していない毛細血管。詳しくは別記事:ゴースト血管の予防・改善に「酢ショウガ」参照)が再生するため、血圧が下がりやすくなります。

また、酢ショウガで血流がよくなれば、体は温まりますし、余分な水分の排出も促されるので、耳鳴り・めまいは生じにくくなります。

痛みやこりを軽減し骨も丈夫にする

◎ダイエット

酢ショウガをとった患者さんの中には、3~4kgやせる人がめずらしくありません。私自身も、ショウガを常食して10kgやせました。

10年以上前、研修医だった私は、疲労と睡眠不足、乱れた食生活などがたたって、ボロボロの体になっていました。

そのほかにも、頭痛や肩こり、冷え、月経の乱れ、切れ痔、巨大ニキビ、肌のくすみなど、多くの不調に悩まされていたのです。

それが、ショウガを1日に100~150gとり、体を温める生活習慣を試みたところ、10kgの減量に成功。半年ほどで、不調も解消しました。

ショウガのジンゲロールには、体の表面に近い部分の血流をよくして、汗をかきやすくする効果があります。ショウガオールは、体の深部の血流をよくするため、内臓脂肪の燃焼を促します。

また、酢の酢酸には、脂肪の蓄積を抑えたり、内臓脂肪の燃焼を促したりする効果があります。

ですから、酢ショウガをとれば、ショウガと酢が持つダイエット効果を、両方とも得ることができます。

◎骨粗鬆症の予防

女性は、閉経後に骨密度が低下しやすくなります。これは、女性ホルモンの分泌が減ることで、骨の新陳代謝のバランスが乱れるためです。

酢の酢酸には、カルシウムの吸収を高める働きがあります。また、ショウガに含まれる亜鉛は、女性ホルモンのバランスを整えます。

さらに、全身の血流がよくなれば、骨の新陳代謝もよくなるため、骨密度の低下を抑えやすくなります。

◎痛みやこりの軽減

肩こりや腰痛は、血流の悪化と深くかかわっています。姿勢の悪さや運動不足、ストレスなどで血管が収縮すると、血流が悪くなり、こりや痛みが生じやすくなるのです。

ですから、血流をよくする酢ショウガは、痛みやこりの軽減にも役立ちます。

また、関節リウマチの痛みやこわばりは、患部を温めることで軽減します。酢ショウガで血流がよくなれば、患部が温まりやすくなるので、痛みの軽減につながります。

◎肌や髪の健康維持

皮膚の表面でゴースト血管が増えると、酸素や栄養が不足するため、シミやシワ、乾燥肌などの肌の老化が進みます。

頭皮でゴースト血管が増えれば、毛根に栄養が行き届かないため、髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。

酢ショウガで血流をよくすれば、肌や髪の衰えを防ぎやすくなります。

◎胃腸の調子の改善

ショウガの辛味成分には、健胃作用があります。また、二日酔いや抗がん剤の副作用による吐き気止めにも、ショウガは役立ちます。

酢に含まれるクエン酸は、胃酸の分泌を促して、消化吸収を助けます。酢は発酵食品でもあるため、便通の調子を整える効果も期待できます。

◎うつ、気分の落ち込みの改善

ショウガ、シソの葉、シナモンは、漢方では「気剤」と呼ばれます。気の流れをよくして、うつや気分の落ち込み、不眠などの解消に役立つからです。

酢ショウガで血流がよくなり体が温まれば、気分も晴れやすくなるでしょう。

1日に数回こまめに食べるのがお勧め

酢ショウガは、1日に大さじ2~3杯を目安にとるとよいでしょう。これより多くとっても、基本的には問題ありませんが、空腹時にいきなりたくさん食べると、胸やけなどが生じることもありますので、ご注意ください。

なお、胃の弱いかたの場合は、初めは少量からとってみて、様子を見ることをお勧めします。

また、ショウガの血流改善効果は3~4時間程度ですので、酢ショウガは、1日に数回、こまめに食べることをお勧めします。

朝の血圧上昇が気になるかたは朝に、夜中の血栓を予防したいかたは、夜寝る前に食べるとよいでしょう。

酢ショウガは適度な酸味と刺激があるため、調理に使えば、減塩しやすくなります。

私自身も、酢ショウガはとても好きで、冷蔵庫に常備し、キャベツの千切りにドレッシング代わりにかけたりして食べています。

ぜひ皆さんも、酢ショウガを健康と若さの維持にお役立てください。

《酢ショウガの主な健康効果》
血液や血管の健康維持
耳鳴りやめまいの予防・改善
ダイエット
骨粗鬆症の予防
痛みやこりの軽減
肌や髪の健康維持
胃腸の調子の改善
うつ、気分の落ち込みの改善

《とり方のポイント》
1日に大さじ2~3杯を目安にとる。
空腹時にとるのは避け、食事と一緒か食後にとる。
ショウガの血流改善効果は3~4時間程度なので、一度にたくさん食べるのではなく、1日に数回、こまめに食べるようにすると、より効果的。

画像: この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

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