インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、ショウガに特別な名前を与えています。それは「普遍的な薬(ヴィシュワベサージュ)」。ショウガを刻んで酢とハチミツに漬ける「酢ショウガ」は、アーユルヴェーダから見ても非常に優れた食品です。【解説】西川眞知子(日本ナチュラルヒーリングセンター代表)

解説者のプロフィール

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西川眞知子(にしかわ・まちこ)
日本ナチュラルヒーリングセンター代表。上智大学外国語学部を経て、佛教大学卒業。第24代ミス横浜。幼少期に病弱だったのを自然療法で克服したのをきっかけに、大学時代にインドやアメリカを歴訪し、ヨガや自然療法に出合う。その経験と研究を基に「日本ならではのアーユルヴェーダ」を提唱。『アーユルヴェーダで我慢しないアトピー生活』(農文協)、『ヨガのポーズの意味と理論がわかる本』(マイナビ)など、著書多数。

インドでは特別な称号がついているショウガ

ショウガを刻んで酢とハチミツに漬ける「酢ショウガ」は、インドの伝統医学アーユルヴェーダから見ると、非常に優れた食品です。

ショウガ自体にすばらしい薬効があるうえに、ショウガ、酢、ハチミツの組み合わせが、とてもよいのです。

ショウガは、世界中で重用されている食材で、インドでもよく使われています。

アーユルヴェーダでは、ショウガに、特別な名前を与えています。それは、「普遍的な薬(ヴィシュワベサージュ)」。なぜならショウガは、アーユルヴェーダで最も重視している、「消化力」を高める食材だからです。

意外かもしれませんが、すしにショウガの甘酢漬け(ガリ)がついているのは、アーユルヴェーダ的にはとても理にかなっています。ショウガの甘酢漬けで消化力を上げれば、生のものも消化させやすくすると考えられるからです。

それ以外にも、カゼをひいて食欲がなかったり、体調をくずしていたり、疲れていたり、顔色が優れなかったりする人は、消化力が落ちており、ショウガがとてもよい薬になります。

また、ショウガは、血液循環の改善や心臓発作の予防、腸内ガスの低減、冷えからくる月経痛や関節痛の改善などにも効果があるとされています。

ショウガに酢とハチミツという組み合わせもすばらしく、酢には解毒作用や代謝を上げる作用があり、ハチミツは、アーユルヴェーダでは甘味だけでなく苦味、渋味も持つとされ、味のバランスを整えます。

ハチミツは、加熱すると性質が変わるので、アーユルヴェーダでは生ハチミツが基本ですが、手に入らなければ、なるべく質のよいハチミツを選んでください。

この三つの組み合わせのよい点は、どんな体質の人にも合うことです。生のショウガは、消化されると辛味が甘味に変わるので、すべての体質の人に向きます。また、ショウガも酢もハチミツも熱性食品で、いずれも消化力を高めるものです。

アーユルヴェーダには、どんな場合でも、自分の消化力に見合った食べ物をとる、という基本の考え方があります。

消化力には日内変動があり、太陽のパワーが強い日中が最も高く、夜になると低下します。

日本人は、夜の遅い時間にメインの夕食をとることが多いので、そういうときは、少量の酢ショウガを、食事の15分前くらいに食べましょう。すると、消化吸収がよくなり、未消化物(毒素)が体にたまるのを防げます。

体質に合わせてスパイスを加えるとさらに効果的

酢ショウガは一年中食べてかまいませんが、熱性を持っているので、冬から春にかけての寒い時期が、特にお勧めです。

夏は、人によっては注意が必要です。暑いのに汗が出ないで熱がこもっている人、逆に汗が出すぎる人、暑さに弱い人は、体の中に火が増えています。

そういう人が酢ショウガをとりすぎると、火がよけい増えてしまいます。しかし少量なら、火を抑えることができます。

また、体質や体調に合わせて、酢ショウガにスパイス(パウダーでよい)をプラスすると、さらに効果が上がります。

アーユルヴェータでいう体質は、次のように「風(ヴァータ)」「火(ピッタ)」、「土と水(カパ)」の三つがあります。

【ヴァータ】……冷えがあり、肌が乾燥しやすく、疲労がたまりやすいタイプ。

ヴァータが増えると老け込みやすくなり、カゼなどをひきやすくなります。そこで、老化防止作用や体を元気にする作用のあるクローブをプラスします。クローブが強すぎる人は、シナモンでもいいでしょう。

【ピッタ】……口内炎などの炎症を起こしやすく、イライラしやすいタイプ。

火の力を緩和し、抗菌・鎮静作用のあるコリアンダーをプラスします。コリアンダーの葉であるパクチーをトッピングしても、おいしくなります。

【カパ】……運動不足で代謝が落ち、むくみやだるさのあるタイプ。

ブラックペッパーまたは長コショウ(別名フィファチヒハツ)をプラスして刺激を強くすると、よりピリッとした味わいになり、代謝が上がります。

酢ショウガは、どの体質の人にも合います。ですからご自分の体質がわからなくても、ご自分の体調に耳を傾け、体調に合ったスパイスを使うといいでしょう。食べておいしければ、それがそのときの体調に合っている、ということです。

酢ショウガにプラスして効果アップ!
《アーユルヴェーダの体質別お勧めスパイス》
※いずれもパウダーでOK(パクチー以外)。

画像: 【タイプ別】酢生姜の食べ方 スパイスを合わせて効果アップ!夏は人によって注意が必要
画像: この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年4月号に掲載されています。

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