酢コンブにまず期待できるのは、高血圧への効果です。コンブのフコイダン、アルギン酸、カリウムなどの作用が、血圧降下の一助となります。酢にも、血圧を上げる代謝調節のメカニズムに働きかけることで、その上昇を抑制する作用があります。【解説】信川益明(千代田漢方内科クリニック院長・医師)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

信川益明(のぶかわ・ますあき)
東京都生まれ。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。千代田漢方内科クリニック院長。医師、医学博士。医療法人社団千禮会理事長、医療健康科学研究所所長、日本健康科学学会理事長、上海中医薬大学客員教授、厚生労働省委員、農林水産省委員。慶應義塾大学医学部教授を経て現職に至る。

同時摂取でカルシウムの吸収率がアップ!

私は日ごろから、食生活の重要性に注目しています。祖父も漢方医でしたから、私は幼いころから、「食べ物は薬に同じ」という、〝薬食同源〟の考え方を体感していました。

そんな私が、酢やコンブを積極的にとるようになったのは、20年ほど前からでしょうか。

酢とコンブはいずれも、意識的にとらないと、口に入りにくいものです。私の場合、酢は、調理に使うこともあれば、焼き魚など、食卓に上がった皿に回しかけることもあります。

一方、コンブは、主に水出しして飲んでいます。いわゆる「コンブ水」という物です。

水1Lに対し、細切りコンブを10g程度加え、3時間からひと晩、冷蔵庫で漬けおきます。こうしてできたコンブ水を、1日にコップ1杯飲むのです(※)。冷蔵庫で保存し、1週間で飲み切ります。残ったコンブも、調味して食べます。

コンブにはヨウ素が多く含まれているので、過剰摂取に注意しましょう。甲状腺に腫れや異常のある人、妊婦は摂取を控え、心配な場合は医療機関に相談してください。

私は食を重視する主義から、長い間、健康食品の機能評価や業界の規格基準の制定に携わっています。

健康食品への知識を深めるうちに、もろみ酢や黒酢など、酢を原料とした商品が多いことに気づきました。それまでにも、酢の健康効果は承知していましたが、やはり食品として安全性が高く、かつ機能性も十分にあるのだと、再認識したのです。

さらに、健康食品に配合される原料としてよく名前が挙がる物質に、目が留まりました。それが、フコイダンやアルギン酸といった、コンブに含まれる食物繊維の一種です。

コンブならではの粘りやぬめりを生む成分ですが、これらが高血圧や糖尿病などの生活習慣病対策に有効であるとして、脚光を浴びていたのです。

海の幸であるコンブは、ミネラルに富んだ食品であり、豊富に含まれるカルシウムは、酢といっしょにとると、体への吸収率が高まります。骨粗鬆症の予防に最適です。そうした経緯から、私は酢やコンブを積極的にとるようになったのです。

170ミリあった血圧が130ミリに下がった!

酢コンブにまず期待できるのは、高血圧への効果です。

コンブのフコイダンは、血管内で血栓(血の塊)を作りにくくして、血液をサラサラに導きます。血管の負担を減らすことで、血圧の降下を助けます。

また、塩分(ナトリウム)の過剰摂取は血圧を上昇させますが、コンブのアルギン酸は、腸内でナトリウムと結合。そのまま便として体外へ排出されるので、結果的に血圧上昇を防いでくれるのです。

コンブに含まれるカリウムの作用も見逃せません。カリウムは、腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し、尿中へと排出される量を増やします。これもまた、血圧降下の一助となります。

酢にも、血圧を上げる代謝調節のメカニズムに働きかけることで、その上昇を抑制する作用があります。

以前に私が出演した番組で、「1日に大さじ1杯の酢を摂取することで、血圧や血糖値がどう変動するか」といった検証を行いました。結果、協力してもらった3名全員が、血圧も血糖値も下がっています。

こうしたわけで、私は酢もコンブも患者さんに勧めて、治療に成果を上げています。

72歳の女性は、最大血圧が170mmHg、最小血圧が95mmHg程度ありました(基準値は、最大血圧は140mmHg未満、最小血圧は90mmHg未満)。

降圧剤の服用を勧めましたが「薬に頼りたくない」という意向があったため、酢やコンブ水を含む食事指導をしました。すると3ヵ月後には、最大血圧が130mmHg、最小血圧が70mmHg程度まで下がったのです。

酢とコンブは、糖尿病にもいい影響を及ぼします。

酢は、主成分である酢酸が血糖値の上昇を緩やかにします。

一方、コンブは、フコイダンやアルギン酸などのぬめり成分が食べた物を包み込み、小腸での消化・吸収を遅らせます。この働きが、食後の急激な血糖値上昇を抑制。また、満腹感が持続しやすいことから、肥満予防にも役立つでしょう。

さらに、コンブにはマグネシウムが豊富なうえ、ぬめり成分は食物繊維の一種なので、腸内環境の改善にもってこいです。酢もまた、酢酸が腸を刺激することで、便秘解消に働きます。

酢も、漬けたコンブも、余さず料理に使うことで、その薬効を最大限に享受できます。漬け酢は1日に大さじ1杯程度を、薄めて飲んでもいいでしょう。ぜひ上手に活用して、健康度を高めてください。

画像: 【酢昆布】医師が注目する高血圧への効果 健康度を高めるコツは「余さず使う」こと

《酢コンブで予防・改善!》
高血圧
糖尿病
肥満
便秘
骨粗鬆症

画像: この記事は『壮快』2019年9月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年9月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.