今回はビタントニオの「コードレスマイボトルブレンダー」を試してみました。どこでもスムージーが作れるだけの家電と思いきや、その実力にびっくりしました。私が一番気に入った点はアイスカフェラテが作れるところ。朝はスムージー、昼食後は美味しいコーヒー、家ではドレッシング作りや離乳食作りにも役立てられ活用度が高い家電なのです。詳しくご紹介しましょう。
どこでもオリジナルドリンクを飲めるブレンダー
駅のスタンドで売っている生ジュース、スムージー。注ぐ前に必ずミキサーでなかみを攪拌しているのをご存知でしょうか? これは混ぜ合わせた後でも、しばらくすると、重いものは下へ、軽いものは上へという移動が開始され、上下で何時も均一にならなくなります。これへの対応ですね。缶コーヒーをフリフリして飲むのと同じ考え方です。
そこで、スムージーメーカーの雄、マイボトルで有名なビタントニオは考えました。それじゃあ、出先でも使えるように、バッテリー駆動できるマイボトルを作ればいいじゃない。実際はそんなに単純ではないでしょうが、新しい価値観を持ったボトルブレンダーを開発します。それがコードレスマイボトルブレンダー「VBL-1000」です。
今回は、どこでも美味しいモノが飲める「コードレスマイボトルブレンダー」を試してみました。
ビタントニオ
コードレスマイボトルブレンダー
VBL-1000
ブレンダーの選び方
ブレンダーは「ミキシング力」が重要
パワフルなブレンダー(ミキサー)か、どうかを判断するには、冷蔵庫で作ったキューブアイス(氷)を細かく砕くことができるか、否かで判断するのがわかりやすいです。
飲み物に使われる氷は、大きく2つあります。コンビニなどで売っている「ロックアイス」と、冷蔵庫で手軽にできる「キューブアイス」です。違いは「固さ」と「透明度」。キューブアイスは、白濁した部分を中に持ちます。白濁部はは気泡(空気)、ミネラルです。冷蔵庫では、急冷することになるますので、水は外気と触れる外側から凍ります。寒い朝、水溜りの表面には氷が張っていて、足で踏んづけたら、凍っていない水が下から出てきたなんて経験は多くの人が持っていると思います。水に溶けた空気が最後気泡として残るのですね。混じりモノがあると氷は脆いです。その逆がロックアイス。ゆっくりと冷却しながら作るので、空気は逃げます。また水もミネラルの少ない軟水を使います。ということで、ロックアイスは固いのです。
逆な言い方をすると、キューブアイスは、固いと言ってもそれなりと言うことです。しかし、弱いブレンダーではキューブアイスの対応すらできません。2枚刃、バッテリー駆動など、小型化、コードレス化は、こう言う場合の多くは、固いものへ対応できなくなるのが常です。が、コードレスマイボトルブレンダーのうたい文句では、「キューブアイスに対応している」とあります。これはスゴイと思いましたね。
コードレスマイボトルブレンダーの実力は?
実際に、コードレスマイボトルブレンダーを使ってブルーベリーのミルクセーキを作ってみました。材料は、ブルーベリー、牛乳、ハチミツ、キューブアイス。キューブアイスは固い食材です。これをクリアできれば、ほとんどのスムージを作ることができます。
材料を放り込み、フタを正確に嵌め込みます。駆動部は全てフタに内蔵してあります。このため、スィッチを入れ、回転が始まったらひっくり返します。フタに装着された刃が下、つまり底に刃が来るわけです。そして40秒後。自動で止まります。
フタを開け、飲んでみると、実に滑らか。氷のかけらもありません。驚くばかりの実力です。
コードレスマイボトルブレンダーの使い勝手
2つの安全機能を採用
コードレスで問題になるのは「サイズと重さ」です。サイズは約95(W)×85(D)×185(H)mm。500mlのペットボトルより一回り大きな感じです。また、重さは約450g。重いと言えば重いのですが、想像したより軽い。これはさすがです。
が、問題なところも。今の家電は、何世代も同じモノを開発しています。ミキサーもそうです。どうすれば、安全で、どうすれば使い勝手がいいかがネリに練られています。このため、マニュアル、取説を読まなくても使えると豪語する人もいますし、実際それに近いのが現実ですです。(マニュアルは、想定される事故、トラブルになりやすいところも書かれています。一読されることをお勧めします。)
が、コードレスはまったく新しいタイプの家電。しかも、刃、回転体というトラブルを起こしやすい機能を持っています。このため、開発時にケアされるべきポイントが、2つあります。
一つは誤作動しないこと。そしてひっくり返しますので、二つ目は漏れないことです。
この二つをクリアするために、ビタントニオは、正確にコードレスを扱ってもらうことにしました。まず正確にフタがはまっていることを確認するため、フタにはマグネットセンサーが、ボトルにはマグネットが付いています。正確な位置、中身が漏れないところまで、フタを回すためです。目印のマークがあるのですが、確実にそこまで回していない場合は、作動しません。
しかし、これが、そこまでフタを閉めるのにかなりかたいのです。それなりに力が必要です。
そして、スィッチは、長めに二度押し。しかもスイッチは押し込み型です。バッグの中で、何かに当たっても誤作動などまずないでしょうね。
慣れるまでに少し時間がかかる
この手順でしか、動作しません。一点一画を疎かにしない、まるで習字の楷書書き。慣れるとそうでもないですが、慣れるまで数回かかりました。私に難しかったのは、長押し二回ですね。スイッチは、いかに軽く動くのかで進化しているので、勝手が余りにも違ったからです。
慣れるまで、チョッチ苦労するかもしれません。
どこでも「カフェ」になる!
昼食後のコーヒーを美味しく・お得に飲める
いくつかのレシピを試して分かったのは、フルーツを持って出て外でスムージーを作るのは結構面倒だと言うことです。
私が便利だと思ったのは「コーヒー」。今ドキのカフェメニューは、ミルクをいっぱい入れる、カフェラテやカフェオレが全盛。そういう意味では、牛乳をいかに上手く混ぜ合わせることができるのかが、ポイントになります。
毎日飲むカフェオレ・カフェラテ作りにコードレスはとても便利です。
例えば、会社に行く日の活用法はこうです。
まず、朝はスムージーを持って会社に行きます。そして飲む前に混ぜましょう。チョビチョビ飲んでいると、大体、昼前には飲み干しますね。休憩時間に、給油室で洗わせてもらっておきましょう。
昼食後には、カフェオレを楽しみましょう。
好みのインスタントコーヒーまたはスティックコーヒーに、冷蔵庫にあらかじめ入れておいた牛乳とキューブアイスを入れます。お好みによっては砂糖もね。
回すこと40秒で、牛乳の中にかなり空気が混ざり、ふっくらしてきます。心地よいくらい冷たいアイスカフェラテがすぐできます。
量にもよりますが、大体、70〜80円位で楽しめるのではないでしょうか。二度楽しんでも、スタバ1回より安く済みますよ!
また、美味しいドリンクで喉を湿らせておくことは、喉の粘膜を守ることですから、感染症対策にプラスに働きます。
自宅でも活用法は様々。より美味しく食べられるソース、ドレッシングなども、ラクラク作れます。また、赤ちゃんの離乳食作りにも活用できるのだとか。
わざわざマルチブレンダー、ハンドブレンダーを取り出して使うより、常に使うもので作ることで洗い物や取り出しの手間がなくなり便利になります。
まとめ
日本人には「持ち歩ける」ブレンダーがフィットする
日本人は、常日頃「粉」を使うことはありません。小麦粉から、いろいろなモノを作る欧米とは全く違います。ブレンダーは、常に粉を扱う=力がいることをから開発されました。逆にいうと、日本には余り馴染まない家電でもあります。
逆に考えると、だからこそ、携帯型で十分なのではないでしょうか? これ一つでかなり使えますし、パーツも少なくてまとまっています。そう言った意味での使い勝手は、大いにプラスです。
スムージー好きにとって新しい家電のデビューです。
コードレス マイボトルブレンダー
VBL-1000 グレースピンク
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。