【疲れ目に効くツボ】パソコン作業の合間にお勧め 頭部への血流がよくなるポイントを紹介

美容・ヘルスケア

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出を自粛する日々が続きました。テレワークで終日パソコンに向かい、息抜きにスマホでゲームや配信動画、たまに読書。いつも以上に目を酷使し、疲れを感じているかたが多いのではないでしょうか。「遠くの緑や星を見ると目が休まる」といいますが、遠出がはばかられる昨今、それも簡単ではありません。そこで今回は、アメリカの大学で鍼灸の仕組みを科学的に研究し、現在は臨床において鍼灸を活用する高橋徳先生に、疲れ目に効くツボを教えていただきました。
【解説】高橋徳(統合医療クリニック徳院長・ウイスコンシン医科大学名誉教授)

解説者のプロフィール

1977年、神戸大学医学部卒業。関西の病院で消化器外科を専攻した後、1988年に渡米。ミシガン大学助手、デューク大学教授を経て、2008年よりウイスコンシン医科大学教授、2018年に名誉教授。米国時代の主な研究テーマは「鍼の作用機序」と「オキシトシンの生理作用」。2016年、名古屋市に「クリニック徳」を開業。主な著書に『8つのツボで30の病気を治す本』(マキノ出版・2017)、『人のために祈ると超健康になる』(マキノ出版・2018)。
▼統合医療クリニック徳(公式サイト)
▼専門分野と研究論文(CiNii)

目の疲労は首や肩、頭の痛みも誘発する

「目がチカチカする(光をまぶしく感じる)」「字がかすむ」「目の奥が痛む」「目がゴロゴロする」「目がかゆい」「まぶたがピクピクする」「目が充血する」など、疲れ目の症状は多種多様です。

疲れ目が悪化した結果、首や肩のこり、頭痛や頭重感が現れることもあるでしょう。その原因には、単純な目の使いすぎから、睡眠不足、パソコン・スマホによる目の酷使、メガネが合わないこと、老眼の初期などがあります。

原因が特定できれば、それを修正することが先決です。特に、パソコンやスマホで日ごろから目を酷使している人は、適度な休息を取り、目を休ませることが重要です。併せて、疲れ目に有効なツボ刺激を行えば、より効果的です。

お勧めのツボは、手の甲にある「合谷」(ごうこく)と、首の後ろにある「風池」(ふうち)です。それぞれ、ツボの特徴と見つけ方、押し方をご紹介しましょう。

上半身の症状の万能ツボ「合谷」

上半身の症状に効く、代表的なツボです。痛み全般に有効なツボで、肩こりや五十肩などによく使います。歯痛にも効くとされています。

合谷に鍼を打つと、その刺激が知覚神経を介して脊髄に入り、脳に伝わります。その際に中脳が活性化し、脳内麻薬といわれるオピオイドの分泌が促されることが確認されています。さらに、合谷への刺激が脳の視床下部に到達すると、抗ストレスホルモンであるオキシトシンも分泌されます。オキシトシンにも鎮痛作用があるので、オピオイドと相まって、痛みを軽減すると考えられます。鼻の不快症状、めまいなどにもお勧めです。

合谷の見つけ方

合谷は、手の甲側の親指と人差し指のつけ根の骨と骨の間にあります。人差し指のつけ根の骨をたどっていき、指がグッと入る辺りを押してみてください。ズーンと響く感覚がある場所が合谷です。反対側の合谷も同様に探します。

合谷の押し方

刺激の際に使う指は、親指でも、人差し指でも、使いやすい指でけっこうです。指を合谷に当てたら、手首の方向に向かって押し込みます。心地よい痛みを感じる程度の強さで押し、「1、2、3」と数えながら、3秒キープします。これを4~5回くり返して、1セットとします。左右の合谷に、朝晩1セットずつ行うといいでしょう。

目や耳の症状に効く「風池」

疲れ目やめまい、耳鳴りなどの不快症状は、検査をしても原因がハッキリわからないことがあります。こうした不定愁訴の背景には、しばしば自律神経の乱れがあります。風池へのツボ刺激は延髄に届き、乱れた自律神経の調整に役立ちます

また、風池のある首の後ろには、目や耳を支配する神経が通っています。風池を押すことは、それらの神経への刺激にもなります。同時に、首のコリがほぐれて、頭部への血行がよくなることで、目や耳の症状を軽減させる効果を発揮します。

風池の見つけ方

首の後ろの、髪の生え際にあります。首の太い筋肉を僧帽筋といいますが、この筋肉の両外側のわずかに離れたくぼみに、左右1ヵ所ずつあります。押すとズーンと響くところです。

風池の押し方

両手で側頭部を包むようにして、親指を左右の風池に当てたら、頭頂部に向かって持ち上げるように、ゆっくりと力を入れます。痛気持ちいい程度の強さで押し、「1、2、3」と数えながら、3秒キープします。これを4~5回くり返して、1セットとします。朝晩1セットずつ行うといいでしょう。

目の血流が改善する2つのポイント

目の周辺にも、疲れ目に効くポイントがあります。目尻の外側にあるくぼみと、まゆの内側の端の上部です。人差し指でも中指でも、使いやすい指をポイントに当てて、痛いけれど気持ちよく感じる程度の強さで押し、「1、2、3」と数えながら3秒キープ。これを4~5回くり返して、1セットとします。朝晩1セットずつ行いましょう。目の血流が改善し、コンディションがよくなるでしょう。

なお、本稿は8つのツボで30の病気を治す本(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。

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