無料の「Web版Office」とは?
ブラウザーを介して使える「クラウド版」Office
「Microsoft Office」は文書や表計算、プレゼン資料などを作成できるアプリだ。Officeには買い切りのパッケージ版のほか、1ヵ月や1年単位で利用できるサブスクリプション版があるが、当然、いずれも有料となる。
有料版Officeの価格
名称 | 形態 | 価格 | 利用できるおもなアプリ |
Microsoft 365 Personal | サブスクリプション (定額課金) | 1万2984円(年額) 1284円(月額) | Word、Excel、 PowerPoint、OneNote、 Outlook、 Access (Windowsのみ)、 Publisher (Windowsのみ) |
Office Home & Business 2019 | 買い切り | 3万8284円 | Word、Excel、PowerPoint、 Outlook |
Office Personal 2019 | 買い切り | 3万2784円 | Word、Excel、Outlook |
必需品と割り切って購入するのも手だが、ちょっと利用する程度で大枚をはたくのをためらってしまう気持ちもよくわかる。
そこでオススメしたいのが、ブラウザーを介して利用できる「Web版Office」の活用だ。
Web版Officeは「Edge」などのブラウザー上で動作する。
パッケージ版やサブスクリプション版とは違って、このWeb版Officeはなんと「無料」で提供されている。利用に際して必要な「マイクロソフトアカウント」も同じく無料で取得可能。製品版より利用できる機能こそ少ないが、ちょっとしたドキュメントの作成程度なら問題なくこなせる。
さらに、オフィスを手掛けるマイクロソフト自らが手掛けるサービスだけあって、オフィス文書の互換性も極めて上々。資料のやり取りなどでオフィス文書の閲覧がどうしても必要なケースも多いと思うが、そうした用途でも極めて役立つ。
全5種類のOfficeアプリを利用できる
Web版Officeで利用できるアプリは全5種類。文書作成アプリの「Word」を筆頭に、表計算アプリ「Excel」、プレゼン文書作成アプリ「PowerPoint」、個人情報管理アプリ「Outlook」、さらにはデジタルノートアプリ「OneNote」と充実のラインナップを揃えている。もちろん、いずれのアプリも無料で利用可能だ。
Web版Officeでは、「Word」や「Excel」「PowerPoint」など、全5本のOfficeアプリを利用できる。
オフィス文書の新規作成はいうに及ばず、クラウドストレージの「OneDrive」経由にはなるが、別のパソコンで作成したオフィス文書の読み込みもこなせる。つまり、Web版Officeさえ使える環境があれば、どこでもオフィス文書の作成や閲覧を行えるというわけだ。
例えば、自宅のパソコンでエクセル形式のグラフに目を通したり、出先のパソコンでパワーポイント形式の資料を手直ししたりなど、さまざまな活用ができる。使い方を覚えておいてソンはないはずだ。
利用にはインターネット接続が必須
無料で使えるうえ、アプリの種類も豊富と、まさに良いこと尽くしなWeb版Officeだが、やはり弱点はある。それは、利用に際して「インターネット接続が必須」という点だ。
というのも、Web版Officeはネットワーク経由でアプリやデータが提供される「クラウドサービス」の体裁を採っているため、オフライン状態ではオフィス文書の編集はおろか、閲覧すらまったく行えないからだ。
オフライン状態では接続エラーが表示されて利用できない。
とはいえ、いまどきネットがまったく使えないという環境はごく稀なケースだ。大きなデメリットにはなり得ないとは思うが、喫茶店や図書館など、ことに出先で利用する場合は、ネット環境の有無を事前に確認しておいたほうがいいだろう。
有料版より使える機能は少ない
これも無料ゆえ致し方ないが、Web版Officeは有料版と比べて機能が制限されている。例えば、Web版Officeの「Word」は装飾機能が少ない、「Excel」ではマクロが使えないなど、思いのほか機能面の違いは大きい。
つまり、本格的なオフィス文書を作成するには、Web版Officeは少々力不足ということだ。

Web版Officeではリボンも簡略化され、利用できる機能が制限されている。
もっとも、これは逆説的にいえば、ドキュメントの閲覧や文書のちょっとした校正、下書きの作成、数値入力といったごく軽めな用途であれば、Web版Officeでも十分事足りるともいえる。
例えば、Web版Officeを使って資料のアウトラインを作成。その後、有料のOfficeを使って見栄えを整えた完成稿を仕上げる、といった具合に使い分けをするのもアリだろう
いずれにせよ、Officeを使える環境がひとつだけというよりは、多少機能は限定されていてもさらにもうひとつOfficeが使えたほうが、なにかと重宝することは間違いないはずだ。