繊細で刺激に弱いのがHSPの特徴ですが、これとは異なり刺激を求める性質を持つ人も存在します。それは「HSS」と呼ばれる考え方です。「High Sensation Seeking」の略で、「刺激をおおいに求めること」を意味します。HSPとはまるで対照的ですが、こちらも先天的な気質です。本稿は『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』(永岡書店)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。

HSPとHSSの違い

刺激を積極的に求めてしまうHSPとは対照的なHSS

繊細で刺激に弱いのがHSPであると、これまでお話をしてきました。

世の中にはこれとは異なり刺激を求める性質を持つ人も存在します。それは、心理学者のマービン・ズッカーマンが提唱した概念である「HSS」と呼ばれる考え方です。「high sensation seeking」の略で、「刺激をおおいに求めること」を意味します。

変化による刺激、目新しいこと、激しい刺激を味わうのを好み、その体験を得るためにはリスクをいとわない傾向です。HSPとはまるで対照的ですが、こちらも先天的な気質です

HSSはHSPとはまったくタイプが異なり、相いれないように思えます。しかし、HSP全体の3割ほどはHSP&HSSの混合タイプであるといわれています。外から見ると冒険的で好奇心が強いタイプに見えますが、実は刺激を受けると疲れやすいHSPらしさもしっかりと持ち合わせているのです。

「外ではとても活発に振る舞えるけれど、帰宅するとまるで違う人のように静かになり、ひとりの時は内向的な生活を好む」場合には、HSP&HSSの可能性があります。

恋をした時は、HSSらしさがよく現れる瞬間です。HSPも恋愛に関して惚れっぽい一面がありますが、HSSにはおよびません。

ズッカーマンによると、HSSの恋愛関係は「お手軽で享楽的であり、過去に多くの恋愛関係を持つ人が多い」のだそうです。恋愛は刺激を多く受けることができますし、ドキドキする体験は新しい恋をするたびに味わえるので、付き合う人の数が自然と増えていってしまいます。

思わず刺激を求めてしまう癖があると、自分の状態を冷静に判断できない可能性が高くなります。もしも恋愛に関して、好きになると周りが見えなくなる自覚があるのなら、親友に相手や自分をジャッジしてもらうなどして、自分が相手に振り回されたり利用されたりしないようにしましょう。

HSPが楽に生きるには?

HSPは「冒険システム」より「用心システム」のほうが強いという神経の特徴を持っているため、繊細で良心的で優しい一方で、責任感が強く、どうしても相手を責められず、相手のことを優先してしまい、自責の念を強く持ってしまいます。

相手の希望や状況を先回りして考え、本当は自分ではこうしたいという気持ち(本音)を抑えてしまい、自分にウソをついて生きるために、本音を見失ってしまうのです。

人間は自分で勝手に作り上げた思い込みや、親から言われたことの刷り込みというフィルター(メガネ)を通して、自分のパターンで自分の見たいものを見ています。

ですから目の前のものは、自分の「心の投影」として表れたものであり、自分の中にあるものしか経験できません。 物事の原因は外ではなく、自分の内にあるのです。

自分を責めたり、悩んだり、諦めたり、相手を責めたり、承認を求めたりしているうちは、自分を幸せにはできません。自分のパターンに気がついて、悲しみや恐れ、怒りの感情の奥にある心の叫び(本音)を出してしまうとラクに生きられるのです。

■本稿は『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』(永岡書店)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

画像: 【HSSとは?】HSPとは違い「刺激を大いに求める人」 だが実はHSPの3割はHSSとの混合タイプ
敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本
HSPとは「Highly Sensitive Person」を略したもので、「とても敏感な人」の意味です。ふとしたことで敏感に反応してしまうため、生きづらさを感じたりすることがあります。
HSPに関する知識や理解は、心の専門家たちにおいてさえ、まだまだ不十分であり、敏感すぎる自分にどう対処してよいかわからずに困っている人たちがたくさんいます。本書は、HSPの性質からもたらされる日常生活の生きづらさについて、具体的説明や対策などについて、脳科学的知識を入れてなるべくわかりやすく解説しています。

著者のプロフィール

長沼睦雄(ながぬま・むつお)

十勝むつみのクリニック院長。日本では数少ないHSPの臨床医。平成12年よりHSPに注目し研究。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。道立子ども総合医療・療育センターにて14年間小児精神科医として勤務。平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行っていた。平成28年9月に開業し、HSP診療を中心に診療し、脳と心(魂)と体の統合的医療を目指している。
▼十勝むつみのクリニック(公式サイト)」
▼専門分野と研究論文(CiNii)

◀︎②「HSPの特徴」

This article is a sponsored article by
''.