【中古カメラ&レンズの選び方】デジタルカメラ編!初心者でも失敗しない中古品の探し方・注意点を解説

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カメラや交換レンズを購入する場合、店舗やネット販売で新品を選ぶのが一般的です。その一方で、新品ではなく中古品を選ぶ人も少なくありません。私自身も、写真専門学校在学当時から現在まで、何度となく中古カメラ店を訪れて、多くのカメラや交換レンズを購入してきました。しかし、カメラや写真に興味を持ち始めてまだ日の浅い人だと「中古品を見定めるのは難しそう」「品質に問題のある商品や、割高な商品を買ってしまうかも」といった不安を抱くかもしれません。そこで、中古カメラ初心者が注意したい点や心構えなどを、アドバイスしてみたいと思います。

執筆者のプロフィール

吉森信哉(よしもり・しんや)
広島県庄原市生まれ。地元の県立高校卒業後、上京して東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)に入学。卒業後は専門学校時代の仲間と渋谷に自主ギャラリーを開設し、作品の創作と発表活動を行う。カメラメーカー系ギャラリーでも個展を開催。1990年より、カメラ誌などで、撮影・執筆活動を開始。無類の旅好きで、公共交通機関を利用しながら(乗り鉄!)日本全国を撮り続けてきた。特に好きな地は、奈良・大和路や九州全域など。公益社団法人 日本写真家協会会員。カメラグランプリ2021選考委員。

中古品は何が魅力なのか?

中古のカメラやレンズの探し方を語る前に“なぜ、新品ではなく中古品を選ぶのか?”という点について触れておきます。中古品にはいくつかの魅力や特徴があるので、まずはそれらを挙げてみます。

1・同じ製品なら新品よりも安価
2・新品では買えない旧製品が買える
3・同じ製品でも品質や備品の有無などで販売価格が変わる

こういった点になります。このうち、最も分かりやすいのは「1」の理由でしょう。予算や金銭感覚は人によって違いますが、同じ製品なら安価な方が嬉しいですよね。また、中古品なら、新品価格の予算でワングレード上の製品を選ぶ事も可能になります。

「2」も、中古品の大きな魅力になります。先ほど“予算や金銭感覚は人によって違う”と述べましたが、どんなに予算に余裕があっても、すでに新品として売られていない製品は、中古品を探し出して買うしかありません。

「現行製品よりも、1つ前の機種の方が、デザインも仕様も魅力的だった…」そういう事って、結構あるんですよね。もちろん、中古相場の安さを理由に旧製品を選ぶ…という理由も挙げられますが。
なお、「3」については、後の項目で触れたいと思います。

高画素タイプのデジタル一眼レフやミラーレスカメラは、もともと高価な製品である。だから、新品と中古品の価格差も大きくなりやすい。これは有効3630万画素のフルサイズデジタル一眼レフ「ニコン D800」。2012年の発売で、当時の新品価格は30万円前後。現在は、8万円前後(※)で実用上問題がない中古品が買える。

(※参考価格。2021年5月現在の中古相場を参考にしているが、店舗や商品の状態によって価格は異なる)

スタイリッシュな小型軽量ボディで、女性にも支持されてきた、マイクロフォーサーズのオリンパスPENシリーズ(ミラーレスカメラ)。これは2014年発売の「オリンパス PEN Lite E-PL7」。センサー有効画素数は1605万画素でさほど不満は感じないし(個人的には)、デザインの完成度の高さも魅力的。

商品の探し方と選択基準

ネット販売は便利だが、店舗なら自分の目や感覚で選べる

新品と同様、中古のカメラや交換レンズも、店舗(店頭)とネット販売の両方で選んで購入する事ができます。まあ、昨今の状況では、外出せずに購入できるネット販売の方が、気軽ですし安心でしょうね。

しかし、中古品はその商品によって状態(品質)が違います。ネット販売でも商品の状態は確認できますが「モニター表面に少し擦りキズあり」といった記述や現物写真があっても、実際に現物を手にしないと詳細は分かりません。記述のキズが思ったよりも酷かった。反対に、状態が記述の印象より良かった。…といったギャップが生じやすいのです。また、現物のチェック中に、店が把握していない問題点や支障が見つかる場合もあります。

ですから、もし可能なら店舗に出向いて、自分の目と手で状態を確認したいものです。そのうえで、その商品を購入するか否かの判断ができればベストです。

ボディのチェックポイント

「機能」と「外観」に注意して

ボディでチェックしたい点はいくつかありますが、大まかに分けると“機能”と“外観”になるでしょう。もちろん、何か問題があれば値札の備考欄に記載されているでしょうが、その程度や“許容できるか否か”は、現物を手にして操作して見極めます。

撮像センサー周りの状態は、写りに大きな影響を与える重要なポイント。それだけに、この部分に問題がある商品は、値札の備考欄にその旨が記載されている事が多い。

まず、何か適当なレンズを出してもらい(自分のレンズを持参しても良い)、装着して撮影できる状態にします。そして、ダイヤル、ボタン、レバーなどの操作パーツを作動させて、正常に機能しているかを確認します。この際、操作パーツ自体の動きもチェックしたいところです。変に重かったり、動きにムラがあったり。逆に緩すぎたり。そういう個体は、できれば避けたいですね。

そして、メモリーカードも装着して(自分のカードを持参しても良い)、店内でテスト撮影をしてみましょう。スムーズに撮影できて、画像再生(部分拡大も含めて)も問題ないか?といった点をチェックします。

外観に関しては、値札に記載されているランク(S、A、AB、B、C:未使用品、新品同様、良品、並品、難あり品…など)を参考にしながら、キズ、破損、変色、汚れ、などをチェックしましょう。キズの場合、細かい擦りキズは、機能的に問題がないケースがほとんどです。しかし、へこみや割れがある個体は、機能や精度に問題が生じてくる危険性もあるので注意が必要です。

操作パーツではないが、外部フラッシュを装着する「ホットシュー」もチェックしたい点。汚れや腐食の有無と同時に、可能なら専用フラッシュを装着して、問題なく発光するかどうか確認したい。

内蔵フラッシュを搭載しているカメラでは、それが問題なく発光するかをチェック。また、その際(フラッシュ撮影時)の露出レベルに問題がないかもチェックする。

接続端子のカバーの有無や、それが確実に閉まるかをチェックする。特に、防塵・防滴タイプのカメラは要チェック! この部分に問題があると、防塵・防滴性能が損なわれるのだ。

値札の備考欄に「モニターに複数の小キズあり」とあっても、実用上問題のない商品も多い。もちろん、極端に状態が悪い商品は避けたいが、小キズによって販売価格が抑えられている商品は、価格の面では魅力的!

販売されて年月が経ったカメラだと、ボディ前後の外装合皮(張り革)が劣化して“べたつき”が生じている商品もある。撮影上は問題なくても生理的には不快な部分なので、べたつきの有無や程度の見極めは必要だろう。

レンズのチェックポイント

実際の写りや保管状況に注意して

交換レンズのチェックは、適当なボディを出してもらい(自分のボディを持参しても良い)、同様に撮影できる状態にします。そして、各操作リングやスイッチ類がスムーズに作動して、正常にピント合わせができるかを確認します。もちろん、店内でテスト撮影をしてみて画像再生で写りに問題がないかもチェックする必要があります。

レンズ内のクモリやカビやゴミなどは、マウント部側から照明近くにかざしてチェックする。

また、作動や写り具合だけでなく、外観のチェックもしましょう。あまり神経質になる必要はありませんが、強いショックを与えた事がうかがえる跡(へこみ、亀裂、大きな擦りキズ等)がある商品は避けた方が無難です。

扱いや保管が適切でなかった(前オーナーが)商品や古い製品では、レンズ内にクモリやカビ等が発生している場合もあります。そういった点も、自分の目と感覚でチェックしましょう。ちなみに、カビやゴミが見られるレンズでも、あまり極端でなければ実用上(写り具合)は問題がない場合が多いですね。ただし、後玉(マウント側)近くに大きめのゴミや目立つキズがあると、写りに悪影響を及ぼす場合もあるので要注意です。

絞り羽根が正常に作動しているか(撮影時の動きも含め)、マウント部の電気接点に異常は見られないか? そういった点もチェック。また、古いレンズだと絞り羽根に油が付着している場合もあるので要注意。

ズームレンズの場合は、ズームリングの作動具合を注視したい。回転時に動きのムラが大きかったり、異音が生じたりしていないかか? そういった部分をチェックする。

レンズによっては、ピント位置を示す“撮影距離の小窓”を装備している製品もある。そこの透明カバーに、割れや大きな擦りキズはないか?

付属品を確認する

必要不可欠な付属品は妥協せず要チェック

状態(品質)が同じような商品でも、付属品の有無によって価格が変わってきます。もちろん、元箱も含めてすべての付属品が揃っているのがベストです。しかし、付属品の一部が欠けている事で価格が低めに設定されている商品もあるので、そういう商品を狙うのも“賢い買い物”だと思います。

ただし、必要不可欠な付属品が欠けている商品(カメラ)は、後からの出費を考えると避けた方が無難です。具体的には、専用バッテリーと充電器。この2品の付属は必須と言えます。まあ、中古品の場合は付属バッテリーが劣化している事も考えられますが、よほど酷い状態でなければ、当座の使用には困らないはずです。

あとは、データ転送用ケーブル(USBケーブル)も付属していて欲しい一品です。メーカーや機種にもよりますが、ファームウェアのアップデートや特殊なカスタマイズを行う際(カメラとPCを接続)に必要になるからです。

オリンパス PEN Lite E-PL7と、その付属品一式。比較的新しいカメラだと、専用バッテリーを本体内で充電するタイプもあるが、PEN Lite E-PL7では充電器が不可欠(AC電源コードは他製品のモノが流用できそうだが)。

オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroと、その専用レンズフードLH-49。バヨネット式で簡単に着脱でき、前後にスライドさせて伸縮できる機能を持つフード。実はこれは別売のアクセサリーで、新品で買おうとすると4千円前後になる。だから、このフードが付属した中古品があれば、お買い得と言えるだろう(価格設定にもよるが)。

まとめ

実際に、中古店で見つけて購入した「オリンパス PEN Lite E-PL7+M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」。メイン機種をサポートするサブカメラや、気軽に携行する散歩用カメラとして活用している。

以上、中古のカメラやレンズを選ぶ際のポイントを、いくつか述べてきました。ですが、自分のチェックや選択が正しいかどうかで迷う事もあるでしょう。そんな時には、遠慮なく店員さんのアドバイスを仰ぎましょう。

また、購入の際には、商品の保証内容も確認する必要があります。中古品の場合、購入後に初期不良が見つかるケースもあります。そのため、購入から1~2週間の間であれば“返品・返金”が可能な店が多くあります。その期間を過ぎた商品でも、購入から3ケ月~半年程度の保証(メーカー保証ではなく店独自の保証)を付けている店が多くあります。

中古商品の場合、探している製品が必ず見つかる保証はありません。ですが、反対に思いもよらない魅力的な商品(種類や価格)に出会える事も多々あります。そんな“良い意味での意外性”も、中古カメラ&レンズ選びの醍醐味と言えるでしょう。

撮影・文/吉森信哉

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