今回はSpotifyプレイリストの活用方法・プレイリストの探し方を、筆者オススメのプレイリストと共にご紹介していきます。数ある音楽ストリーミングサービスの中でもプレイリスト機能やAIを活用したオススメの自動提案機能などが優秀なSpotify。今回は新機能「拡張」をはじめとするアップデートを重ねるサブスクリプションサービスの新たな楽しみ方をお伝えします。
Spotifyが優秀とされる理由
ディープな音楽好きも満足できる
Apple MusicやAmazon Music、Youtube Musicなどに代表される、音楽系のストリーミングサービス。いずれも定額で数千万曲が自由に楽しめる、優れたサブスクリプションです。その中でも特に、国内外のフレッシュな新譜や、ディープな音楽を探し求めるヘビーリスナーにオススメなのが、Spotify Premiumでしょう。基本的な使い方は簡単で、無料版でも十分音楽を楽しむことができます。しかし、その真価は月額980円~のプレミアムプランで発揮されるのです。
新たな音楽を知る可能性を常に提供してくれる
Spotifyは、他のサービスと同様に「好みの曲と近い音楽をオススメしてくれる」「さまざまなジャンルや気分、シチュエーションに合わせたオススメを提案してくれる」といった基本的な機能はもちろん持っています。他のサービスと大きく異なる点は、「オススメの精度の高さ」「検索機能やプレイリスト機能などの優秀さ」でしょう。
こちらは、筆者のアカウントから見たSpotifyのトップページです。お気に入りや普段よく聴くジャンルに合わせた新譜のリリース情報や、オススメの作品を常に自動提案し続ける機能が備わっているのが秀逸。なんとなく「普段と違う音楽を探っていきたい」という気分になったときに便利です。
また、好きなアーティスト単位でユーザーの好みを分析し、テイストの近い音楽を提案してくれる機能も備わっています。新しい音を気軽に知ることができるため、音楽好きには非常に有用と言えるでしょう。最近のアップデートにより、現在は「渋谷系音楽の昔と今」「新時代のHip-Hop」「日本の現代ソウル」といったように、抽象度の高いテーマからオススメを発信してくれるようにもなりました。
音楽トレンドを下支えしている「Spotifyプレイリスト」
また、近年の音楽トレンドを下支えしている存在として挙げられるのが、「Spotifyプレイリスト」です。たとえば、2019年頃にSpotify公式から提案された「Hyperpop」というプレイリストは、後にジャンルとして海外で隆盛を見せました。日本でも、青土社の月刊誌「ユリイカ」でHyperpop特集が組まれるほど、浸透していきました。
特に、メジャーな規模ではなく、自身で制作やリリースなどを完結させるインディー・アーティストたちにとっては、Spotifyプレイリストが非常に大きな味方となります。日本で活動するものの決して有名ではないアーティストが、公式のプレイリストに加わり、海外でバイラルヒットを遂げるといった流れも珍しくありません。
オススメのSpotifyプレイリスト
Spotifyのプレイリストには、公式にキュレーションされたものから、通常ユーザーが私的に制作したものまで、多種多様なものが存在しています。オフィシャルではないプレイリストも、場合によっては数百~数万人単位で「お気に入り」され、大きな影響力を持つほど成長する場合もあります。
そこで、筆者が最近チェックしている、オススメのプレイリストをいくつかご紹介します。
Hyperpopのさらにその先にある未来の音楽「planet rave」
水面下での盛り上がりが遂にメインストリームへも表出し始めたのが、Hyperpopというジャンルです。Spotify公式によるこちらのプレイリストは、さらにその先のトレンドを捉えたような内容として、15万人以上のユーザーに愛聴されています。
planet raveというタイトル通り、地球規模で各国のさまざまな電子音楽を集約したような内容となっており、日本からも数曲がクレジットされています。内容はダンス・ミュージックやエレクトロニックな雰囲気に寄っていますが、「今どんな音楽がトレンドとされつつあるのか」といった雰囲気を察知する上では、見逃せない存在でしょう。
人気ゲームからの影響は音楽にも?「NEEDY STREAMER OVERLOAD」
先日ご紹介した人気ゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』がインターネット上で大きな話題を呼び、その流れが音楽にも影響し始めています。「NEEDY STREAMER OVERLOAD」は、同作のイメージに沿った楽曲を一般ユーザーがチョイスした、といった内容です。いわゆるアニソンやゲーム音楽の中に、ドラムンベース~ブレイクコアといった電子音楽がジャンルレスに組み込まれている点が非常に興味深く、現代の最新トレンドの姿を感じさせます。
このような「プレイリスト文化」が、コロナ禍以降のポップ・ミュージックを盛り上げている、と言っても過言ではないでしょう。一流のメジャーアーティストがプロデュースした楽曲と、まだ知られていないフレッシュな才能を持つ新人が制作した楽曲は、プレイリストの前には等価値なのです。
Spotifyプレイリストの新機能「拡張」とは?
そんなSpotifyのプレイリスト機能には、あなたが何らかのテーマをもとに編纂したプレイリストが大きな反響を集める、という可能性すらあります。
そんなプレイリスト文化を、さらに広げる可能性に満ちた新機能「拡張」も、最近のアップデートで実装されました。自作プレイリストに、Spotify側で似た音楽を自動提案して追加し、更には自動更新も行ってくれる優れた機能です。
新機能の使い方は非常に簡単で、自作のプレイリストを用意し、メニューに表示される「拡張」ボタンをタップするだけ。すると、Spotify側とコラボレーションした形のプレイリストに置き換わり、即座に数十曲もの音源をプレイリスト内に追加してくれます。
試しに拡張機能を利用したところ、ここ2年ほどでリリースされた新しいジャンルのHiphop~Trap系の音楽(デジタルな質感から”Digicore”などと呼称する向きも)のプレイリストに、34曲ものトラックが追加されました。
スクリーンショット内で緑色のアイコンが付与されているのが、Spotifyによるプレイリスト拡張の結果です。自分がまだ知らなかったアーティストの楽曲も多数ラインナップされており、ジャンルへの理解をさらに深めることができました。
まとめ
今回は、Spotifyの優秀な機能/UIから、プレイリストによって昨今のトレンドが形成されつつあること、またプレイリスト機能の活用などについて解説しました。特定のアーティストや、かつての名曲を聴くためにサブスクリプションサービスを利用することは、もちろん素晴らしいことです。しかし、1000円前後の料金を支払えば、世界中の数千万曲以上にのぼる音楽が聴き放題になる、という特性はぜひ活かしたいところ。この機会に、最新の音楽をキャッチしてみてはいかがでしょうか?