忙しい朝、ヒゲ剃りに余計な時間をかけたくないなら、シェービングフォームやクリームなどが不要で、そのまま(ドライで)剃っても肌にやさしく小回りが利く電気シェーバーがおすすめ。今回は手のひらサイズで低価格に進化した軽快3枚刃電気シェーバー『ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U』を使って極限時短に挑戦してみました!
ラムダッシュの伝統と「パームイン」の革新
パナソニックの「ラムダッシュ」シリーズは、独自リニアモーターと日本刀鍛錬技術を採用した高品質の刃による高速深剃りと、肌へのやさしさで評価を積み上げてきたブランドです。そんなシリーズに革命が起きたのは、2024年に登場した独自フォルムの高性能5枚刃「ラムダッシュ パームイン」でした。
大胆にグリップ部分を省き、さながらヘッドのみのボディを手先で操る”撫で剃り”の使用感は大きな話題となりました。ただ高性能5枚刃は良いけれど、重厚感、登場当初の5万円超というフラッグシップ並みの価格は、「セカンド・シェーバー」としてはややオーバースペックだと感じる声もありました。
そうした中、手のひらサイズはそのままに、低価格に進化したのが、軽快3枚刃電気シェーバーがパナソニック『ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U』(60×71×42mm/約130g・標準価格 税込19,800円・2025年6月1日発売)です。
T字カミソリと電気シェーバーの時短比較
電気シェーバーの場合
電気シェーバーは外刃と内刃でヒゲを挟み込んでカットする構造のため、刃が直接肌に触れにくいので肌を傷つけにくく、忙しい朝でも顔を濡らさずに(本当は洗顔後使用を推奨)、肌が乾いた状態でも使用できる時短性が最大のメリットです。仕上がりはするする。馴れてくると3分程度で仕上げることも可能です。
T字カミソリの場合
一方T字カミソリは、顔を濡らす、シェービングフォームやジェルなどをつけて剃るのが基本。肌に刃が直接当たるため、深剃り仕上げができるのがメリットです。ただシェービングフォームの洗い流しなども含めると、時間はどうしてもかかってしまいます。刃は14回(1日1回なら14日)の使用で交換するのが一般的で、古い刃では肌を傷めてしまう可能性があります。仕上がりはつるすべ。
じっくり7~10分程度の時間をかけることができれば、T字カミソリはつるつるすべすべの理想の仕上がりに持って行くことができます。ただ近年ブームを呼んでいる5枚刃などは肌にはやさしいのですが、著名なメーカーの製品では交換刃1枚あたり約600円程度のコストがかかります。14回使用が限界と考えると、月に2枚。ホルダーの初期費用は安いですが、ランニングコストはばかになりません。その点、電気シェーバーの方は頻繁な交換は不要で外刃・内刃部品(2つで5,000~7,000円程度)の交換は1~2年スパンで交換するだけなので、面倒くさがりなら電気シェーバーの方が圧倒的に楽です。
『ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U』の強み
いままでさまざまな機種を使用してきた筆者は、5枚刃「パームイン」の、グリップの代わりに自身の手首を使って縦横無尽に角度をつけられるのは画期的だと思いました。3Dにヘッドが動くなどの工夫点を、全部人間の手首に託してしまったことで、まるで怪人・シェーバー男の手を手に入れたようなワクワク感がありました。
ただやはり本格5枚刃はちょっと重めで、鼻の下などの入り組んだ部分にはアプローチしにくい、2台目としては高価格という課題も感じていました。
その点『ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U』は、手のひら操作の快適さを保ちながら3枚刃になったことで軽量化しており、軽快さと手頃な価格感を両立したモデルになっていたので、まさに理想の製品ではないのかと感じました。
5枚刃「パームイン ES-PV6A」との主な違い

刃の圧がだいぶ違う!
・5枚刃→3枚刃に
・重量145g→約130g
・厚み45mm→42mm/高さ63mm→60mm/幅71mm→70mm
・ラムダッシュAI+→ラムダッシュAI(ヒゲの濃さ感知頻度が少ない)
・リニアモーター約14,000ストローク/分→約13,000ストローク/分
上記以外にも素材の質感なども違うが、その他はほぼ同じ性能を保っている。
『ラムダッシュ パームイン LITE』を使ってみた
『ラムダッシュ パームイン LITE』は、持った瞬間にそれほど小さくなっているわけではないのに、とても小ぶりに感じるし、刃の部分がキュッととがったフォルムに感じて、「これは狙いやすい形だな」と直感しました。
というのも基本5枚刃は一気に広い範囲を剃ってくれるのは良いのですが、ブルドーザー感がありすぎて、自分が狙い撃ちして剃りたいところに集中しにくいというデメリットがあるからです。
たった一滴で変わる! 必須の下準備
まず充電。本体側面のUSBポート経由で行います(USB Type-C)。一応対策は取られていますが、USB Type-C充電時は必ず本体と自分の手が乾いているときに行うのが鉄則です。ちなみに急速2時間充電で、1日1回約3分間の使用なら約14日間使用できます。
そしておもむろに付属のオイルを刃に1、2滴垂らしてオンします。スイッチは底面にあります。刃にオイルが馴染むことで、性能は筆者の体感で倍以上、上がるので、必ず行った方がいいです。
使い始めのコツ
最初は頬のフラットな面で刃面をそっと当てて、軽い往復で剃り心地を確かめます。メーカー推奨の「撫で剃り」は、力強く肌に当てるのではなく、まさに撫でるような感じでするりと動かしていくのが基本です。最初は空振りしてもいい気持ちで行います。
それでもジョリッと音がしたら、そこが剃れるちょうどいい圧です。「ラムダッシュ」の持ち味は高速リニアモーター技術。一瞬でも外刃から侵入したヒゲは日本刀の鍛造技術で作られた内刃が瞬時にカットしてしまいます。

だんだんややこしい部分へ
最初は一発で剃ろうと思わずに、ボディを手のひらで持ったり、つまむように持ったりして、自分の手首が動きやすい状態を探します。撫でる力がポイントで、初めての野良猫を触る程度の力で始め、徐々に加圧していきます。
「電気シェーバーってヒリヒリする」印象を持っていた人は、ほとんどが押しつけ過ぎです。今までしっかりと押し当てていた人は、外の網刃から皮膚がはみ出すくらい押し当てて、皮膚まで削ってしまっていたのです。
シンプルさこそが正義!
まさに軽快な剃り心地の『ラムダッシュ パームイン LITE』の撫で剃り体験。剃れないときも押しつけずに手首の角度をほんの少し変えるだけで剃れます。ヘッドには、両サイドの網刃と、中央のアゴ下トリマー刃のシンプルな構成。これがいいんです。なぜなら狙ったところを剃っている感覚があって楽しいのです。
アゴ下トリマー刃も優秀で、筆者のあちこちくねりながら生えているくせヒゲも、手首の角度との合わせ技で、実に見事にカットしてくれました。
誰もが困る鼻下・アゴ下にもらくらくアプローチ!
5枚刃との大きな違いは、鼻下剃りでくっきりわかります。ヘッドを少し寝かせ、口角から中央へ短いストロークを重ねると段差のできている毛も拾いやすい。アゴ下は先に上向きに”撫で入れ”、次に逆方向で整える二段構えにすると、押し付けずにヒリつきにくい深剃りが可能になります。
携帯性の良さ、メンテナンスの簡単さ

シンデレラフィットのケース。ただ充電ケーブルなどは入らない
セミハードケースで持ち運べる小型軽量。出張・ジム・オフィスの引き出しなど、置き場を選ばず導入しやすい『ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U』。USB Type-C充電なので、PCやモバイルバッテリーからの電源確保も簡単。出先の3分シェービングから、ランチ後、商談前のひと剃りなど、夕方にヒゲが生えてきてしまうヒゲ濃い族なら、常に持ち歩いて瞬間ドライ剃りできるのもポイントです。
メンテナンスは基本的にIPX7レベルの防水性能で丸洗い可能なので、「石けんやボディソープなどでの流水洗浄→自然乾燥」のシンプル運用で十分です。切れ味維持と外刃保護のため、乾燥後に付属オイルを1~2滴たらせばバッチリ。
SNSの口コミまとめ

スイッチは底面
「撫で剃り」に関しては、小回りが利いて楽しく、使う頻度が上がるというポジティブなコメントが複数見受けられました。その場合の選択肢はやはり5枚刃ということでしょうか。
一方で、濃いヒゲや硬いヒゲのユーザーからは「一撃の刈り取りは5枚刃やT字に分がある」と感じる人も。
まとめ:セカンドシェーバーではもったいない!?

右側(向かって左)だけ剃ってみました。いい感じでヒリヒリしない!
馴れてくると、ほんとに3分程度で一気にドライ剃りできてしまう時短デバイスの『ラムダッシュ パームイン LITE』。手首を自在に動かして、撫でるように剃っていくという感覚を体験してしまうと、正直他のシェーバーに戻れなくなる可能性もあります。気になったらすかさずジョリッとできて、手首操作できる機種はあまりないからです。
ただ手軽さという点では、かなりT字カミソリに迫る勢いで使えます。むしろ時短ぶりでは勝ちます。気になったら一度検討してみる価値あり。
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