【ストレス耐性が低い?】自律神経のタイプをチェック!自己理解を高めるとストレスや不安に強くなれる

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人はそれぞれストレスを許容できる範囲を持っています。この範囲は「耐性の窓」と呼ばれており、ストレスを受けた自律神経は、この窓の枠のなかで上下に波打ちます。耐性の窓の幅が広がると、ストレスへの対応もうまくできるようになるのです。

解説者のプロフィール

藤本昌樹(ふじもと・まさき)
東京未来大学こども心理学部教授・臨床心理士。1973年、東京都生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科心理学講座修了。東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科博士後期課程修了。公認心理師、社会福祉士、精神保健福祉士。トラウマケア専門カウンセリングルームSeeding Resource代表。nico株式会社エグゼクティブアドバイザー。

ストレスの許容範囲「耐性の窓」

ストレスがかかったとき、人は怒ったり落ち込んだりと、反応はさまざまです。また、軽いストレスで怒る人もいれば、強いストレスもものともしない人もいます。ストレスに対する耐性は人によって異なるのです。

人はそれぞれ、ストレスを許容できる範囲を持っており、これは乳幼児期に決まります。この範囲は耐性の窓と呼ばれており、ストレスを受けた自律神経は、この窓の枠のなかで上下に波打ちます。

自律神経のバランスが安定している人は、窓の真ん中で波が一定のリズムで上下しています。これがストレスにうまく対応できている状態です。

窓の上に波があるときは、自律神経の活性度が上がり、怒ったりイライラしたり興奮している状態です。窓の上に行きすぎるとパニックになったり、神経に急ブレーキをかけてうつ状態になったります。

窓の下に波があるときは、自律神経の活性度が下がり、気持ちが沈んだり、頭はぼんやりしたりして、体がだるく動けなくなります。

《乳幼児期にあなたのストレスの許容度が決まる》

※「耐性の窓」の図版は、『Affect Regulation Theory』
(Daniel Hill著W. W. Norton & Company刊)の図版より改変

「愛着」のタイプを知って自己理解を

自分の耐性の窓がどのようになっているのかを知る手掛かりとなるのが愛着のタイプです。愛着とは親と子どもの間に作られる絆です。

幼少期に虐待を受けるなどしてトラウマがある人は、耐性の窓の縦幅が狭くなり、神経の波は上下の枠を突き破って、ストレスに大きく反応します。

一方、幼い頃に母親など養育者との二者間でじゅうぶんな関わりがあると、子どもは感情のコントロールの仕方を学び、耐性の窓の幅は広がり、ストレスへの対応もうまくできるようになるのです。

こうした幼い頃に作られた愛着は、4つのタイプに分けられます。そこから、自分の耐性の窓がどのパターンかがわかるでしょう。

下記の愛着の4タイプから自分のタイプをチェックしてみてください。自分の愛着のタイプがわかると、自己理解が深まって、不安やイライラが軽減できたり、対人関係も良好に変化したりします。

自分が「安定型」以外だったときでも心配はいりません。別記事で紹介した「合谷タッピング」は、トラウマや恐怖を軽減し、耐性の窓の幅を広げてストレスの許容度を高める効果があります。

また、「安定型」の人を身近に見つけて、お手本にするのもいいでしょう。その人のさまざまな状況での振る舞いや考え方を思い出すことによって、安定型の考え方に近づけるようになります。

すると、人との関わりがうまくいくようになり、引いては耐性の窓の幅を広げ、ストレスや不安に強くなれるはずです。

4つの「愛着」タイプ

(1)「安定型」

神経の波が真ん中を通っている

《当てはまるのはこんな人》
●困ったときは家族や恋人、友人を頼ることができる。
●自分のことは何とかできるという感覚がある。
●仕事や家庭、遊びなど 自分の生活のバランスを取ることができる。
●好奇心旺盛で冒険心もある。
●心の中で安心、安全で、リラックスできるイメージを持っている。
●今をしっかりと生きている感覚がある。

「安定型」のストレス耐性
相手に自分の正直な感情や考えを自然に伝えられ、困ったことやストレスがあると、人に話したり相談したりして対応できるので、ストレス耐性が高い。
自分でストレスをコントロールし、落ち込んだときなどの対処ができる。

(2)「とらわれ型」

神経の波が窓の上にある

《当てはまるのはこんな人》
●学校や職場で友人とうまくやっているが、何らかの不安はある。
●嫌な現実を突きつけられると、懸命に対処するか、あまり気にしないようにする。
●自分が信頼している人に、依存してしまいがちだが、その人が理想とは違うと、がっかりしたり、怒りを感じたりすることがある。
●失敗したとき、「自分はダメだ」と思い悩むことがあり、感情の起伏は大きいほうかもしれない。
●自分がどう感じているか本当のことを言うことに不安を感じる。
●職場の上司や同僚に嫌な人がいると、仕事も嫌になる。

「とらわれ型」のストレス耐性
家族や恋人、友人といっしょにいても、安心・リラックスがあまりできなく、ストレスがかかると怒りが爆発してしまう。

(3)「回避型」

神経の波が窓の下で上下している

《当てはまるのはこんな人》
●孤独なほうだとは思うが、友人も何人かはいた。
●集団から疎外感を感じることがよくあるが、お酒を飲んだり、ゲームをしたりすることで気を紛らわせることができる。
●周りの人から頼られるのは耐えられない。
●勉強や仕事に没頭することがある。
●親との関係は近いとは思えないが、信用している部分がある。
●相手との関係が深まることに不安を感じる。

「とらわれ型」のストレス耐性
人に頼るのを好まず、独立心が強い。ストレスがかかると落ち込みがちで、原因不明の発熱や腹痛などの身体的な不調が出ることがある。

(4)「無秩序型」

窓の幅が狭く、神経の波が窓を飛び出してしまう不安定感がある

《当てはまるのはこんな人》
●安心感やホッとする感覚が今まであまりなかった。
●慣れない状況下で、どのように振る舞えばいいのかわからないときに、内心混乱することがよくある。
●心の中では不安や恐怖を感じていて、自分を傷つける行為をしたり、意識が途切れてしまったことがあったり、お酒や薬などで気持ちを紛らわせようと試みたことがある。
●自分がすることは、常にうまくいかないのでないかという感覚がある。
●自殺を考えたり、取っ組み合いのケンカをしたりしたことがある。
●過去に虐待を受けたり、つらい出来事を経験したりなど、何らかのトラウマがある。

「無秩序型」のストレス耐性
ストレスがかかったときの反応は、そのときどきで異なり不安定。ストレスの耐性があまりない。

この記事は『ゆほびか』2019年6月号に掲載されています。

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