冷蔵庫選びの基準が変わってきた。以前は、容量やサイズ、省エネ性能などで選ぶのが一般的だったが、最近の注目点は、食品の鮮度維持機能。各社とも、冷凍庫やチルドルーム、野菜室に独自の技術を投入して食品を美味しく長持ちさせる工夫をしている。これらの機能によって、家事の時短も可能だ。こうしたトレンドを踏まえて今回選んだおすすめ機種は、三菱電機・MR-MX50D、日立・R-XG51J、パナソニック・NR-F504HPX、シャープ・SJ-WA50E、東芝・GR-R510FZの5台。加えて、独自性が魅力の3機種を紹介しよう。【2019年5月10日更新】

冷蔵庫の選び方の基本をおさらい 

一般に、冷蔵庫を選ぶ際のポイントは、以下の6項目だ。

①容量 

基本的に、家族の人数が多いほど大きな容量が必要になる。いろいろな計算式があるが、もっともシンプルなのは人数×100L。つまり、2~3人なら300Lクラス、4~5人なら500Lが目安。ただし、料理の頻度、まとめ買いの量といった要素によっても変わってくる。迷ったら、ワンクラス上を選ぶといい。

②サイズ 

冷蔵庫自体の幅・奥行き・高さ。置き場所に、少し余裕を持って収まるサイズを選ぼう。忘れがちなのが搬入経路。玄関やキッチンの入口の幅、集合住宅ならエレベーターや階段が狭く、せっかく買った冷蔵庫が入らないことがある。その際、配送業者は持ち帰ってしまうので、別の冷蔵庫を選び直すことになる。

③ドアの開き 

置く場所に合わせて、右開きか左開きか買う前に決めておこう。ただし最近は、大型タイプを中心にフレンチドアといって両開き(観音開き)が増えている。冷凍室や野菜室は基本的に引き出し式で、大型冷蔵庫だと5ドアや6ドアなどドア数が多いモデルが多い。なお、シャープは右からも左からも開けられる「どっちもドア」に対応した機種を発売している。これなら、引っ越しで置き場所が変わっても安心だ。

④省エネ性能 

冷蔵庫は、24時間365日稼働する。そのため、電気代は気になるところ。今は省エネ技術が進んでいるので、かつてほど劇的に下がることは少ない。それでも、10年以上前の機種から買い換えると、少なくとも数千円、多いと1万円近く、年間の電気代を節約できる。

⑤デザイン 

冷蔵庫は、白モノ家電と呼ばれている。これは従来、ほとんどの製品が白だったため。しかし今は、ゴールドやブラウン、グレーなどいろいろな色がある。また、表面がガラスの機種が増えている。ガラスは光沢があって美しいだけでなく、汚れを落としやすい。

⑥付加機能 

手や肘でドアを押すと開く機能や、温度などの設定画面がドアに浮き出る機能を搭載した機種もある。さらに最近は、Wi-Fi機能を搭載した機種が出ていて、これならスマホで冷蔵庫の管理ができる。一度買うと長く使うものなので、ネット対応の機種で本格的なIoT時代に備えるのもいい。

肉・魚に加えて野菜室の鮮度保持機能が最新トレンド 

冷蔵庫の最大の機能は、食品を冷やして鮮度を保つこと。数年前まで各社がしのぎを削っていたのが、チルドルームを中心とする肉や魚の鮮度保持機能だ。約マイナス3℃で保存するパナソニックの「微凍結パーシャル」や、約0・8気圧の真空状態にして酸化を防ぐ日立の「真空チルド」などが代表的だった。

それに加えて、最近は野菜室の鮮度保持機能で各社が差異化を図っている。光触媒を使って炭酸ガスを増やすことで野菜の呼吸を減らす機能や、LEDによって葉野菜の光合成を促進してビタミンを増やす機能など、さまざまな機能が登場している。

もう一つ、注目したいのが野菜室の配置だ。かつては上から冷蔵室、野菜室、冷凍室という配置が多かったが、ここしばらくは省エネ性の観点から野菜室を下に配置するモデルが主流になっていた。しかし、冷凍室よりも野菜室を頻繁に開け閉めする人にとっては、野菜室が真ん中にあるほうが出し入れしやすい。

食品の鮮度維持機能に着目 

①肉・魚などの鮮度保持機能には微凍結タイプや真空タイプがある 

肉や魚の鮮度を保持する機能のアプローチは、大きく3つある。

ひとつは、氷点下でドリップが出ない程度に微凍結させるというもの。もうひとつは、すばやく冷凍することで食材の旨味や食感を損なわない冷凍機能。さらに、チルド室の空気を抜いて気圧を下げ、酸化を防ぐというものだ。微凍結で保存した食材は、そのまま切れたり鍋に入れたりできるので調理時間の短縮にもなる。

画像: 「真空チルドルーム」に代わって2019年モデルから搭載された日立の「特鮮氷温ルーム」。肉や魚の乾燥を抑え、約-1℃で凍らせずに美味しく保存できる。 kadenfan.hitachi.co.jp

「真空チルドルーム」に代わって2019年モデルから搭載された日立の「特鮮氷温ルーム」。肉や魚の乾燥を抑え、約-1℃で凍らせずに美味しく保存できる。

kadenfan.hitachi.co.jp

②野菜室の鮮度保持は温湿度管理のほかに炭酸ガスやLEDなどの方式もある 

ここ数年で各社が差異化を図っているのが野菜室の鮮度保持機能だ。葉野菜などをしおれさせずに保存するために温度や湿度を最適に保つ機能のほか、光触媒によって野菜から出るガスを炭酸ガスに変えて野菜の呼吸を抑える機能、LEDの光を照射することで、葉野菜の光合成を促進し、ビタミンCなどの栄養素の含有量をアップさせる機能などがある。

また、パナソニックはナノイーX、シャープはプラズマクラスターと、空気清浄機などでおなじみの方式で野菜や果物の鮮度を維持する機能を搭載したモデルを出している。

画像: 3色LEDの光で野菜を保存している間にビタミンCが増える、三菱電機の「朝どれ野菜室」。野菜室全体のうるおいをキープして鮮度を長持ちさせる。 www.mitsubishielectric.co.jp

3色LEDの光で野菜を保存している間にビタミンCが増える、三菱電機の「朝どれ野菜室」。野菜室全体のうるおいをキープして鮮度を長持ちさせる。

www.mitsubishielectric.co.jp

③食品の鮮度を維持する機能がライフスタイルを変える 

肉や魚の鮮度保持機能も野菜の鮮度保持機能も、それぞれに持ち味があるので、どれが優れているというものではない。ただし、こうした機能を搭載しているモデルを選ぶほうが食材の廃棄は減るだろう。

また、食品を新鮮に保存できる期間が伸びると、まとめ買いできる食品の種類や量が変わる。たとえば、鮮度が落ちやすい葉物野菜を週に2~3回に分けて買っていた人も、週末の買いだめ1回で済むようになるかもしれない。

野菜室と冷凍室は自分が使いやすい配置を選ぼう 

冷蔵庫の省エネ競争が激化する中で、近年は野菜室が最下段に配置されるケースが増えていた。しかし最近は、野菜を頻繁に出し入れするユーザーに向けて野菜室を中央に配置したモデルが復活してきている。

冷凍食品を頻繁に使う人なら冷凍室が真ん中のレイアウトがいいだろう。しかし、野菜を頻繁に使う人は、野菜室を真ん中に配置したモデルを選びたいところ。重い野菜を下段から出し入れする回数が減れば、身体への負担も減る。

そのため今は、野菜室を真ん中に配置したモデルと、下段に配置したモデルでラインナップを分けているメーカーもある。こうしたレイアウトの違いにも注目したいところだ。

画像: 野菜や果物をよく出し入れする人は、野菜室の位置をチェック。

野菜や果物をよく出し入れする人は、野菜室の位置をチェック。

冷蔵庫おすすめランキング「ベスト5」

それでは、2019年春の「おすすめ冷蔵庫」を紹介していこう。
ここでは、ファミリーユースに最適な500Lクラスの製品をチョイスしている。 

【1位】
三菱
置けるスマート大容量MXシリーズ 

実売価格例:24万7000円(MR-MX50D/503L)
野菜室位置:中段

肉・魚・野菜の鮮度保持機能が充実した比較的スマートな「全部入り」モデル 

幅65センチで503リットルを実現した大容量冷蔵庫。マイナス7℃で微凍結保存する「切れちゃう瞬冷凍」や、氷点下で肉や魚を凍らせずに保存する「氷点下ストッカーD」、3色LEDの光で葉物野菜の光合成を促し、ビタミンCをアップさせる「真ん中クリーン朝どれ野菜室」など、鮮度保持機能が充実。野菜室を真ん中に配置しているほうがいい人におすすめだ。

画像: 三菱電機:MR-MX50D www.amazon.co.jp

三菱電機:MR-MX50D

www.amazon.co.jp

【2位】 
日立
真空チルドXGシリーズ

実売価格例:31万2130円(R-XG51J/505L)
野菜室位置:下段

ラップなしでも乾燥を抑えて食材を新鮮に保存できる真空チルドが魅力 

ルーム内を約0.8気圧に減圧して酸素を減らし、食品の酸化を抑えて保存できる真空チルドを搭載。マイナス1℃で凍らせずに保存するだけでなく、肉や魚から出るニオイ成分をプラチナ触媒が炭酸ガスと水分子に分解することで、鮮度を長もちできる。冷凍室の下段や野菜室は、食品をたくさん入れて重くなっても楽々と開閉できる電動式。メニュー部に触れると操作部が浮き上がる外観も特徴的。

画像: 日立:R-XG51J

日立:R-XG51J

【3位】 
パナソニック
HPXタイプ 

実売価格例:34万3440円(NR-F504HPX/500L)
野菜室位置:下段

マイナス3℃の微凍結パーシャルとワンダフルオープンが魅力の一台 

マイナス3℃で食品を微凍結させることで食品を長もちさせる「微凍結パーシャル」を搭載。解凍させずにそのまま切ったり、つまんだりして使えるのも便利だ。「Wシャキシャキ野菜室」は、新・モイスチャーコントロールフィルターやうるおいシャッターなどによって、温度や湿度を細かく保つ。野菜室や冷凍室の引き出しが奥のほうまで100%開く「ワンダフルオープン」も魅力だ。

画像: パナソニック:NR-F504HPX

パナソニック:NR-F504HPX

【4位】
シャープ
プラズマクラスター冷蔵庫どっちもドア 

実売価格例:34万510円(SJ-WA50E/502L)
野菜室位置:中段

500リットル超の大容量ながら左右両開きを実現 

タッチするだけで左右両側から開く「電動どっちもドア」が便利。得意のプラズマクラスター技術を活かして、野菜の甘味を引き出し鮮度を守る「雪下シャキット野菜室」と、魚や肉を鮮度保存する「うるおいチルド」「プラズマクラスター冷蔵室」を搭載している。170リットルもの大容量で冷凍食品をたっぷり保存できる「メガフリーザー」は、忙しい共働き家庭にとって大きな魅力。

画像: シャープ:SJ-WA50E

シャープ:SJ-WA50E

【5位】
東芝
VEGETAシリーズ 

実売価格例:35万6320円(GR-R510FZ/508L)
野菜室位置:中段

鮮度を守るだけでなく旨味を高めるチルド機能を搭載 

肉や魚を入れておくだけで旨味がアップする「低温チルドモード」によって、カツオは3日間で旨味成分が約3.3倍になり、牛肉は柔からさが約33%アップする。料理や飲物をすばやく冷やす「速鮮チルドモード」も便利。さらに、野菜の美味しさと栄養を約7日間新鮮な状態に保つ「もっと潤う摘みたて野菜室」を搭載する、東芝VEGETAシリーズのハイグレードモデル。

画像: 東芝:GR-R510FZ

東芝:GR-R510FZ

個性が魅力の冷蔵庫はコレだ! 

続いて、上記ベスト5にはない、オリジナル要素を備えた機種を紹介しよう。

【個性派①】 
日立
ぴったりセレクトシリーズ 

実売価格例:46万2240円(R-KX57K/567L)
野菜室位置:切り替え方式

ライフスタイルに合わせて冷凍室と野菜室の組み合わせを変更できる 

中段と下段に用意された「ぴったりセレクト」は使い方に合わせて冷蔵と冷凍に切り替えることができる。野菜室として使う場合は、冷蔵の「弱め」に設定すればいい。また、両方とも冷凍として使う場合は、上段の冷蔵室を「まるごとチルド」にすれば葉物野菜も保存できる。結婚、育児、子どもの独立、引っ越しなど、ライフステージの変化に対応できるので長く使いたい人も安心だ。

画像: 日立:R-KX57K

日立:R-KX57K

【個性派②】
三菱
CGシリーズ 

実売価格例:18万3470円(MR-CG33E/330L)
野菜室位置:中段

300Lクラスで氷点下ストッカーを搭載した幅60cmのスリムモデル 

肉や魚、野菜などの鮮度を保つ機能を搭載した冷蔵庫は400L以上の大型タイプ。家族の人数や置く場所の都合で、もう少し小ぶりな機種を選びたい人もいるだろう。しかし、300Lクラスで鮮度維持機能を搭載するモデルは少ない。そんな中、2019年4月に発売されたMR-CG33Eは、魚や肉を凍らせずに鮮度を長持ちさせる「氷点下ストッカー」を搭載。野菜室も70Lあって使いやすい。

画像: 三菱電機:MR-CG33E

三菱電機:MR-CG33E

【個性派③】 
アクア
4ドア冷凍冷蔵庫 

実売価格例:28万200円(AQR-TZ51H/512L)
野菜室位置:中段

4枚ドアのスタイリッシュなデザインが際立つ美しい冷蔵庫 

大容量180Lで6ボックスの冷凍庫は、食材の旨味と食感を守る「クイック冷凍」に対応。中段に設置された「旬鮮野菜ルーム」は外から冷やす半密閉構造で野菜の乾燥を抑える。また、HCS-Vフィルターで余分な湿気を放出することで結露を抑制して野菜の水ぐされを抑制。見た目の美しさだけでなく、機能面でもトレンドを押さえた1台。449Lで2枚ドアのAQR-SBS45Hも魅力だ。

画像: アクア:AQR-TZ51H

アクア:AQR-TZ51H

まとめ 

大型狙いで最新テクノロジーの恩恵を満喫しよう

一見、変化が少ないように見える冷蔵庫も、最新のテクノロジーによって大きく進化している。肉・魚・野菜を長く保存して、しかも美味しく食べられる魅力的な製品がますます増えてきた。

ただし、そのほとんどは400L以上の大型タイプ。とはいえ今は、中型より大型のほうが消費電力が少ないケースもある。小さめの冷蔵庫に食品をギュウギュウに詰め込むと冷蔵効率が悪くなって、かえって電気を使ってしまう。置き場所と予算が許すならワンクラス上、これが2019年の冷蔵庫選びのコツだ。

※価格は記事作成時のものです。

◆高山とほ(プロダクトライター)
約5年に渡って家電量販店の店頭に立ち、いろいろなお客様に対応した経験から「それぞれのお客様にとって最適な製品を選ぶポイントを的確に伝える」ことをモットーにしているモノ派のライター。学生時代に工業デザインを学び、日本製家電の黄金期に郷愁を感じる世代。アウトドアを好み、道具にはこだわるほう。

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