シャープのスティック型掃除機「ラクティブ エア」の最新モデル「ラクティブ・エア・パワー」が発表されました。シャープはこれまで、「軽さ」を重視した商品を発表してきていましたが、今回発表されたモデルは現行製品より重くなっていました。なぜ、シャープは軽さ重視から大きく方向転換をしたのでしょうか。

シャープの最新掃除機が「重くなった」理由

●「技は力の中にあり」

7月2日に発表されたシャープのスティック型掃除機、「ラクティブ・エア・パワー(以下 パワー)」。「軽さ命」で、いろいろやってきたシャープからすると、かなりの方向転換。現行製品より重くなっているのですが 、私はイイと思いました。それは何故なのかをレポートします。

シャープ
RACTIVE Air POWER

画像: 写真は、プレミアムモデルのEC-SR3SX 集じん方式:遠心分離サイクロン 電源方式:充電式(リチウムイオン電池、25.2V)

写真は、プレミアムモデルのEC-SR3SX
集じん方式:遠心分離サイクロン
電源方式:充電式(リチウムイオン電池、25.2V)

画像: EC-SR3S

EC-SR3S

タイトルの言葉は、格闘技している人の間ではすごく有名な言葉です。格闘技の技とは、本来女、子どもの頃ような非力な者が、大男にも勝てるように、工夫されたものです。そんな意味では可笑しいとも言えます。

しかし、技は力を要求します。例えば、最高にいかした投げ技、一本背負い。相手の力を利用しますが、瞬時の膝の伸ばしが、相手の体重に負けると投げられません。

家電も同じです。「技術を駆使して」というのは、日本人が好きな言葉ですが、アメリカが採用している電圧:200Vに、敵わないことは、実に多くあります。

掃除機もその一つです。よく使われる「高い吸引力」は、どうやって効率の良い吸い込むエリアを作るのか、ゴミを吸いやすい態勢に持っていくかという、「ヘッド」の技術ノウハウと、吸い込む「モーター」パワーがあってはじめて可能なのです。

英ダイソン社は、ひたすらモーターのパワーとサイズの両立を狙って開発しており、モーターの名前=製品名にしているのは、このためです。

では、まず新モデルのパワーを動画で見てください。

鋼球の吸込。パイプを突っ込んでいるだけですので、鋼球を空気と共に吸い上げるわけで、まさに力業です。結果は、現行モデルが貧弱に見えるほど、モーターの吸込力が違っています。

コンセプトを「サブ」から「メイン」に変更

こんなにも違うモーターを搭載したのには、わけがあります。

それは、スティック型掃除機がメイン掃除機になったためです。それまでは、メイン キャニスター型、サブ スティック型の二刀流。キャニスターは、がっつりゴミを吸い込みますが、重く、『機動性に乏しい。ゴミを発見しても、戸棚から出して、コンセントを差し込んで・・・。書いてても億劫です。しかし、スティック型掃除機には、それはありません。さっと手に取り、さっと吸込み。で、終わりです。しかし、大掃除などになると、吸込がイマイチ、電池が持たない、となるわけです。

そして、今までのラクティブ エア(以下 エア)は、そのサブの「便利」さをメインに開発されました。

そのために、一番重視したのが、「軽さ」です。

シャープは軽さを実現するのに、「カーボンパイプ」を使っていました。細く、軽く、しかも硬いパイプ。自動車レースのF1のボディにも使われる素材です。豪華一点主義という言い方もできます。このためか、あとがプアな感じでした。

当然、製品発表時に、一番感じたのは、「シャープは、メイン掃除機をRactive Airシリーズで作る気がないのか?」ということでした。サブということなら軽さは大きな武器になります。

●前モデルとの重量差は400g

今までのエアと新製品のパワーの重量差は、約400gです。この400gにメインとサブの差が詰まっています。

一つは新型モーター搭載。一つはバッテリーの大型化。パワーがあるモーターを長時間使うためには、バッテリーの強化が不可欠です。ご存じの通り、バッテリーの持ちを良くしようとするとバッテリーはすぐ重くなります。

そして、ここにコストを掛けていますので、一点豪華主義の「カーボンパイプ」は使えません。今回使ったのはアルミパイプ。これも中々高い素材です。補強しては減量は、制約がある場合の常套手段ですが、スティック型掃除機はかなり厳しいです。そうして得たのが、1.9kgという本体重量です。

もう一つ面白いのは、掃除中の「筋負担」は3割軽減になったことです。スティック型掃除機は減量とバランスゲームのようなもので、手持ち型の場合、以下に手元に重たいモノ(バッテリーとモーター)を集中させるのかと、パイプの長さで変わってきます。

とくに、スティック型掃除機はパイプの長さ調整が出来ないモデル(エア、パワーもそうです)が多く、合わなければどうしようもない。メインとして使うと、キャニスター型以上に疲れてしまいます。今回は、この調整をトコトン行ったとのことで、3割負担減とのこと。

●アタッチメントも豊富

画像: ●アタッチメントも豊富

今ドキの掃除機らしく、パワーのアタッチメントは豊富です。「ベンリブラシ」「スグトルブラシ」「すき間ノズル」は標準装備ですし、プレミアムのEC-SR3SXには「はたきノズル」「コンパクトふとん掃除ヘッド」「延長ホース」が付いています。

まとめ

これで、有力メーカーの「メインで使える」スティック型掃除機が出揃うことになります。が、シャープはちょっとユニークで、独特の地位を占めそうです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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