デジタル一眼カメラが人気だ。その醍醐味は、何といっても画質。そして、さまざまなレンズを使って、自由に絵作りができる点にある。そんな重要な交換レンズの選び方をわかりやすく解説していこう。

①交換レンズにはどんな種類があるの?

多くの人が、デジタル一眼のカメラを買うとき、標準ズームレンズ付きのレンズキットを購入するだろう。

では、ステップアップしたくてレンズを追加購入する場合は、どんな点に気をつけて選べばいいだろうか?

まず、基本的なことだが、レンズ取り付け部分の金具のサイズや形は、カメラメーカーやシリーズによって異なっている。これをマウント規格と呼ぶが、このマウントが同じものを選ぶ必要がある。

次に、レンズは大きく分けて、写す画角を連続的に変えられるズームレンズと、一つの画角に固定された単焦点レンズの2種類がある。ズームなら、さまざまな画角変化が得られて便利だが、単焦点レンズは一つの画角専用の設計なので、全体的に高画質で明るい(光を通す量が多い)傾向がある。

手持ちのレンズで得られない画角を得ることを念頭に、広大な景色を収める広角や、遠くのものを引き寄せる望遠、小さなものをクローズアップするマクロなど、さまざまな焦点距離のものを、目的に合わせて買い足していくといいだろう。

交換レンズの分類(マウント別)

画像: 交換レンズの分類(マウント別)

交換レンズの分類(焦点距離別=35ミリ換算値)

画像: それぞれの焦点距離の中に単焦点とズームがあり、そのほかにマクロレンズがある。

それぞれの焦点距離の中に単焦点とズームがあり、そのほかにマクロレンズがある。

②製品名にいろいろな数字が入ってるけど、読み解き方を教えて!

多くの交換レンズは、製品名そのものが、大まかなスペックを表している。特に大切なのが、数字の部分だ。

まず、「㎜」が付いている数字は焦点距離を表しており、フルサイズセンサーのカメラであれば、50ミリ近辺が「標準」画角である。24〜35ミリ程度が「広角」、85〜200ミリ程度が「望遠」というのを目安にしておこう。

数字が単独で書かれていれば、画角変化のない単焦点レンズだし、「〜」や「-」を挟んで二つの数値が書かれていれば、その焦点距離の間を動かせるズームレンズということになる。

次に、レンズの明るさを表すF値。これは、絞り調節を最大に開いたときの値で、数値が小さいほど、明るいレンズであることを示している。明るいほどレンズ本体も大きく重く、価格も高くなる傾向がある。

製品名がスペックを表す

画像: 上はキヤノン・EFレンズの製品名表記の例。下はシグマの例で、距離窓の下に小さく書かれている。

上はキヤノン・EFレンズの製品名表記の例。下はシグマの例で、距離窓の下に小さく書かれている。

画像: 製品名がスペックを表す

【レンズ名の読み方例】(キヤノンの場合)
①マウント規格
②焦点距離(画角に関係する数字) 
③F値(明るさを表す数字) 
④手ブレ補正 
⑤特殊な技術(超音波モーターUSMやステッピングモーターSTMなど)

③明るいレンズって、どんなメリットがあるの?

標準ズームレンズは、明るさの目安となるF値が4〜5.6程度のものが多いが、単焦点レンズはF1.4F2.8といったものが多く、この数字が小さいほど明るい。

明るいレンズなら、わずかな光でもたくさんカメラ内に取り込んでくれるので、暗い場所でもむやみに高感度に設定することなく撮影できる。これは、わかりやすいメリットの一つだ。

また、室内などで手ブレしそうな場合も、明るいレンズならば速いシャッター速度で撮影できるので、手ブレ防止にもなる。

さらに、ボケを大きくできる点も重要だ。見せたいものにだけピントを合わせ、背景をふわっとぼかせれば、より主題を引き立たせることができ、スマホ写真とは違う「一眼カメラらしい」写真を得ることが容易になる。

レンズは、同じ焦点距離であれば、F値が小さいほど、背景を大きくぼかす効果があるのだ。

もちろん、絞りをカメラ側で大きな数値に設定し、ボケを小さくすることも可能。つまり、明るいレンズはボケ描写のコントロールの幅が広く、これが、絵作りのうえでは大きなメリットといえるわけだ。

F値によって背景のボケの大きさが全然違う!

左が24-105ミリでF5.6のズームレンズ、右が85ミリでF1.4の単焦点レンズ。右のほうがボケが大きく、きれい。

④「純正品」と「レンズメーカー製」ってどう違う?

交換レンズには、そのカメラメーカーが発売している純正品と、レンズ専業メーカーが作っているレンズメーカー製のものがある。以前のレンズメーカー製は、低価格を追求し、性能はそこそこという製品も多かったが、最近は、純正品をしのぐ性能のものが増えてきている。

純正品の大きなメリットは、レンズ設計で取り切れなかった各種の収差(にじみや歪みなど)を、カメラとの連係で修正できるところ。レンズの設計データを自社で持っているので、カメラ内の画像エンジンで、それを補正できるというわけだ。

一方、レンズメーカー製は、純正品と同等か、それ以上の性能を安めの価格で提供できる点がメリット。さらに、純正品にはない焦点距離や明るさのレンズも発売されていて、近年、その魅力は高まっている。

デメリットとしては、ごくまれにではあるが、新発売のカメラに搭載された最新機能に対応していない場合があること。

ただ、これも、多くの場合はファームアップ(※)で対応できたりするので、大きな問題ではないだろう。

※「ファームアップ」とは、電子機器を制御するためのプログラムを入れ替えること。現在は、メーカーが提供する新しいプログラムを、ユーザーがインターネット経由で入手するのが一般的。

⑤「手ブレ補正機構」は、レンズとボディのどっちに入ってるのがいい?

手ブレ補正機構には、レンズ内蔵式ボディ内蔵式の二つがある。

現時点でユーザーメリットが大きいのは、ボディ内蔵式だろう。

メリットの一番は、どのレンズを取り付けても補正が働くこと。また、レンズ内蔵式に比べ、複数のレンズを持ち運ぶときでも荷物が重くなりにくいし、コストも安く済む。

また、レンズ内蔵式では回転方向のブレなどは補正できず、3軸までの補正が限界だが、ボディ内蔵式は5軸まで対応でき、さまざまなパターンのブレを軽減することができる。

最近は、ボディ内蔵+レンズ内蔵のハイブリッド式も登場。オリンパス・E-M1 MarkⅡを例に挙げれば、ボディ単体では約5.5段の補正効果だが、対応するレンズ内蔵方式のレンズを組み合わせると、最大で約6.5段までの補正が可能になっている。

ボディ内蔵式の概念図

画像: オリンパスのボディ内手ブレ補正の概念図。センサーを直接、ブレをキャンセルする方向に動かすので、レンズ内補正では不可能な回転方向のブレが補正できるのが特徴だ。

オリンパスのボディ内手ブレ補正の概念図。センサーを直接、ブレをキャンセルする方向に動かすので、レンズ内補正では不可能な回転方向のブレが補正できるのが特徴だ。

解説/吉村 永(カメラマン)

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