【耳の閉塞感や耳鳴り】緊張をほぐし不調を改善「首ストレッチ」のやり方

美容・ヘルスケア

耳の症状に悩む患者さんに共通するのは、耳周辺から首、背中にかけての緊張です。首ストレッチは、耳鳴りや難聴、耳閉感の予防・改善はもちろん、疲れ目にも効果を発揮します。デスクワークや読書、針仕事などの合間に行うといいでしょう。【解説】三宅さやか(はり治療院 睛聴院長)

解説者のプロフィール

三宅さやか(みやけ・さやか)
はり治療院睛聴院長。セタガヤ治療室の佐藤信雄院長に師事し、耳と目の症状緩和に特化した鍼治療を学ぶ。自身も耳鳴りやめまいを患った経験があるため、「相談しやすい」との声が多い。

耳への血流や神経の伝達がよくなり症状改善

私の治療院には、耳鳴りや難聴、耳閉感など、耳に関する悩みを持つ患者さんがたくさんいらっしゃいます。検査しても異常がなく、薬の効果も感じられずに、困り果てた末に来院されるかたも少なくありません。

耳の症状に悩む患者さんに共通するのは、耳周辺から首、背中にかけての緊張です。私の治療では、鍼を打って血流をよくし、かたさをほぐします。

鍼治療に来ていただくのは数週間に1回程度なので、次回の治療までの間、セルフケアとして、患者さんには「首ストレッチ」を行ってもらいます。

首から背中にかけての僧帽筋、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋をほぐすと、耳への血流や神経の伝達がよくなり、症状の改善や再発防止につながるのです(下記参照)。

私自身も4年前から、首ストレッチを続けています。実をいうと私は、過去に突発性難聴になったことがあります。一般に、突発性難聴は再発しないといわれていますが、私は3回もくり返し、再発の2回は鍼治療で回復しました。

首ストレッチをこまめに行うようになって以来、突発性難聴も、その前兆である耳閉感も起こっていません。私はよく飛行機に乗るのですが、搭乗を待つ間に首ストレッチをしています。飛行機に乗ってから耳が詰まったときも、首ストレッチを行うと、ほどなく通ります。

首ストレッチは、耳鳴りや難聴、耳閉感の予防・改善はもちろん、疲れ目にも効果を発揮します。デスクワークや読書、針仕事などの合間に行うといいでしょう。

首ストレッチの詳しいやり方は、下記を参照してください。ひととおり行っても2分程度で終わります。

耳のコリや緊張をほぐすセルフメンテナンス

首ストレッチでほぐすことができる、三つの筋肉について簡単に説明しましょう。

耳とかかわりの深い3つの筋肉

僧帽筋は、肩甲骨周辺から肩、首まで広く覆っている筋肉です。前かがみやネコ背の姿勢になると、緊張して固まりやすい筋肉です。

胸鎖乳突筋は、鎖骨の内側の端と乳様突起(耳の後ろの出っ張った骨)をつなぐ筋肉です。首を回したり曲げたりするときに使う筋肉なので、うつむきかげんでスマートフォンを操作するような姿勢では、かなりの負荷がかかります。

肩甲挙筋は、首の後ろ側から肩甲骨につながる筋肉です。小さい筋肉ですが、この筋肉が緊張すると、僧帽筋も連動してかたくなります。

首ストレッチは、1日に2〜3回行います。手の空いているときや、疲れを感じたときに、適宜行ってください。仕事の合間や入浴しながら、テレビを見ながらでもかまいません。大事なのは、毎日続けることです。

首ストレッチで血行がよくなると、一時的に耳鳴りの音が変わったり、音が大きくなったりすることがあります。これは体が反応している現れなので、心配せずに続けてください。

私たちはよく、「夕方になると目がショボショボする」とか「仕事が終わるころには足がむくんでパンパン」などといいます。目や足と同様、もしくはそれ以上に、耳も疲れます。症状がわかりづらいだけです。

耳のコリや緊張をほぐし、健康を維持するためのメンテナンスとして、首ストレッチを習慣にしてください。

ただし、突然耳の聞こえが悪くなったり、耳が詰まったり、耳鳴りが起こったりしたときは、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。重篤な病気が原因かもしれませんし、一刻も早い処置が必要なケースもあります。検査の結果、可能であれば、鍼治療やストレッチを併用することをお勧めします。

耳の悩みで来院される患者さんは男女問わず、大きなストレスを抱えています。首ストレッチを習慣にしたうえで、趣味の時間を持つなどしてストレスを解消しましょう。

「首ストレッチ」のやり方

上半身はまっすぐ、足は肩幅に開く。立っても座ってもよい。

頭を右真横に倒す。僧帽筋が伸びていることを意識しながら、20〜30秒保持する。頭をゆっくり(1)に戻す。

頭を右真横に倒してから、左ひざを見るように斜め左に倒す。肩甲挙筋が伸びていることを意識。20〜30秒キープする。頭をゆっくり(1)に戻す。

頭を右真横に倒してから、下あごを突き出すように真上を見る。胸鎖乳突筋が伸びていることを意識しながら、20〜30秒保持。頭をゆっくり(1)に戻す。

*反対側も同様に行う。
*呼吸を止めないように注意する。
*手を頭に添えたり、手の甲を背中に当てたりすると、ストレッチ効果が高まる。

この記事は『壮快』2019年9月号に掲載されています。

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