腸の専門医がすすめる果物【キウイ】の有効成分 6つ!食物繊維バランスが理想的

美容・ヘルスケア

腸を動かす成分の代表といえば、食物繊維です。キウイに含まれる不溶性と水溶性の食物繊維の割合は2:1。腸にとって理想的なバランスとされています。大人でも子どもでも食べやすいキウイは、まさに理想の天然サプリメントと言えるでしょう。【解説】松生恒夫(松生クリニック院長)

解説者のプロフィール

松生恒夫(まついけ・つねお)
松生クリニック院長。東京慈恵医科大学卒業後、松島病院大腸肛門センター診察部長などを経て、2004年に松生クリニックを開業。これまで4万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた、便秘外来の専門医でもある。『「排便力」をつけて便秘を治す本』『腸の冷えを取ると病気は勝手に治る』(ともにマキノ出版刊)など著書多数。

不調を治したいなら腸の健康から始めよう

私は消化器内科の専門医として、日々診療にあたっています。近年、とみに増えているのが、消化・吸収・排泄に必要な腸のぜん動運動(腸の内容物を先へ送り出そうとする動き)が弱くなっている人です。

腸の運動が弱くなると排泄すべき老廃物や毒素が腸にたまります。すると腸が汚れて悪玉菌が増え、善玉菌が劣勢になって腸内環境が悪化します。

その結果、便秘おなかのはり疲労感ニキビ肌荒れなどさまざまな不調が起こるのです。特に夏場の気温が35℃を超すようなときには、体の水分が減るために便秘になりやすくなります。

不快な症状を改善するには、腸の運動を活発にする食品をとることがたいせつです。さわやかな酸味と甘みが持ち味のキウイフルーツ(以下、キウイ)は腸によい栄養素を豊かに含み、私が患者さんにお勧めしている果物のベスト5に入っています。

キウイは皮をむくだけでおいしく食べられる果物です。しかも体にもいい!それに量を多くとらなくてもいいのです。キウイを1日2個食べるだけで、じゅうぶんな栄養をとることができます。子どもなら2分の1個でだいじょうぶです。

大人でも子どもでも食べやすいキウイは、まさに理想の天然サプリメントと言えるでしょう。そんな簡単でお手軽に食べられるキウイの有効成分の働きについて、以下にお話しします。

キウイの食物繊維は理想的なバランス!

■食物繊維

腸を動かす成分の代表といえば、食物繊維です。キウイ1個でバナナ2本分の食物繊維をとれます。食物繊維には水に溶けない不溶性と、水に溶ける水溶性の2種類があり、それぞれ異なる働きをします。

不溶性食物繊維は、便のカサを増やし、排便をスムーズにして便秘の予防・改善、大腸ガンの予防に働きます。

水溶性食物繊維は便をやわらかくする働きや、腸管内の余分なコレステロールや糖の吸収を妨げ、老廃物、毒素に吸着し便として排泄します。悪玉菌を減らし腸内環境を整える働きもあります。

不溶性食物繊維ばかりをとっていると便が硬くなるので、水溶性食物繊維もいっしょにとることがたいせつです。キウイに含まれる不溶性と水溶性の割合は2:1。腸にとって理想的なバランスとされています。

■ビタミンC

コラーゲンというたんぱく質の合成を助け、皮膚や髪の、骨の健康維持に欠かせない栄養素です。万病の元である活性酸素を撃退する抗酸化力を発揮して生活習慣病を予防します。そのほか、免疫の強化、疲労回復にも役立ちます。

■ビタミンE

若返りのビタミンとも呼ばれ、強力な抗酸化力で、血管の老化である動脈硬化を抑え、心筋梗塞(※1)、脳梗塞(※2)を防ぎます。

ビタミンEはビタミンCといっしょにとることで抗酸化作用が高まります。2つのビタミンが豊富なキウイは、すぐれた抗酸化果物といえます。

※1 心臓の血管が詰まって起こる病気 ※2 脳の血管が詰まって起こる病気

■カリウム

体内のナトリウム(塩分)を排泄する働きがあり、高血圧やむくみを予防します。キウイ100gに301mgのカリウムが含まれ、1日の摂取量の目安量をまかなえます。

■葉酸

造血のビタミンとも呼ばれる葉酸は、赤血球の合成をつかさどり、貧血を防ぎます。細胞の分裂や増殖に関わり、胎児や乳幼児の発育に欠かせません。妊娠・授乳中の女性は積極的にとりたい栄養素です。

■ポリフェノール

抗酸化作用を発揮するポリフェノールを豊富に含んでいます。キウイを食べるとビタミンCとビタミンEもとれ、抗酸化作用が持続するというメリットがあります。

キウイ1個でバナナ2本分の食物繊維がとれるんです!

魚嫌いのお子さんでもおいしく食べられる

私はキウイにバルサミコ酢をかけて食べています。バルサミコ酢の奥深い甘みがキウイの酸味とマッチしておいしいデザートになります。

バルサミコ酢は値段が高いという難点があります。安価で入手しやすいリンゴ酢で作るキウイ酢なら、気軽に作ることできます。常備して料理にどんどん使いましょう。キウイと酢の有効成分がとれ、料理も美味しくなって一石二鳥です。

酢の酸味の成分である酢酸やクエン酸は、中性脂肪と悪玉コレステロールを減らし、腸からの糖の吸収を遅らせて血糖値の上昇を緩やかにする作用があるとされています。また、疲労回復や夏バテに酢が役立つことは、経験的に知られています。

酢は、料理の味を整える調味料です。イギリスの名物料理に「フィッシュ&チップス」という魚とポテトのフライがあります。この料理に酢(モルトビネガー)は欠かせません。酢の適度な酸味が揚げ物をさっぱりさせ、魚の生臭さを消してくれます。

魚料理にキウイ酢をかけると、魚嫌いのお子さんもおいしく食べられるでしょう。マリネやサラダにもキウイ酢はぴったりです。キウイ酢で肉を煮こむと、肉がやわらかくなります。

キウイ酢をとるにあたって注意点があります。酢は胃腸を刺激する作用があるので、キウイ酢を料理ではなくドリンクにする場合は、原液を必ず薄め、空腹時は避けて、食中か食後に飲みましょう。

また、キウイを食べて口のなかがかゆい、舌がピリピリする、ノドがイガイガするなどの違和感を感じたら、アレルギーの可能性があります。そんな場合には、キウイ、キウイ酢をとるのはやめておきましょう。

この記事は『ゆほびか』2019年7月号に掲載されています。

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