【冷やし焼き芋】サツマイモはダイエットにピッタリ!便の量と回数を増やす効果を実験で確認

美容・ヘルスケア

サツマイモは昔から「お通じによい」といわれていますが、「イモは太る」というイメージもあります。その真偽を確かめるため、焼きイモ摂取による排便状況と体重の変化を調べようと、焼きイモを健康な女子大生22人に食べてもらう実験を行いました。【解説】笠岡誠一(文教大学健康栄養学部教授)

解説者のプロフィール

笠岡誠一(かさおか・せいいち)
1967年生まれ。文教大学健康栄養学部管理栄養学科教授。農学博士、管理栄養士。東京農業大学大学院・食品栄養学専攻修了(食品学修士)。山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て、2015年より現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。

「イモは太る」は本当なのか?

子どもの頃、おやつに焼きイモを食べたという人は多いのではないでしょうか。甘くて食物繊維が豊富なサツマイモは補食やおやつにうってつけで、最近はコンビニでも焼きイモが販売されるなど、手軽に食べられる食材となっています。

サツマイモは昔から「お通じによい」といわれていますが、別記事でお話ししたように、「イモは太る」というイメージもあります。

そこで私たちは、その真偽を確かめるため、焼きイモ摂取による排便状況と体重の変化を調べようと、焼きイモを健康な女子大生22人に食べてもらう実験を行いました。

実験では、焼きイモを毎日300gずつ1週間食べた後、1週間食べない休止期を設け、その後再び1週間毎日100gずつ食べました。実験期間の食事に特別な制限はせず、普段と変わらない食生活をしてもらいました。

なお、実験に用いたのは、ベニアズマ系の紅天使という品種のサツマイモです。焼きイモにして1日分をビニール袋に小分けした後、冷凍保存したものを被験者に渡し、食べる前日に冷蔵庫に移して解凍しました。

排便の量と回数がともに増えた

被験者は実験1週間前から、排便のたびにあらかじめ配っておいた直方体の木片(2.7cm × 2.6cm × 5.2cm)と便を見比べ、木片何個分の便量かを目測しました。

また、便の色、排便回数を記録し、毎週月曜日に体重を測定しました。このほか、おなかの調子、膨満感、おなら、便の硬さなどの項目に対して、アンケートを実施しました。

●排便の量
焼きイモを食べる前は1日当たりの排便量は平均66.4gだったのが、毎日100g食べた週は平均101g、300g食べた週は109.3gに変化していました。このことから、焼きイモを食べ続けると排便量が増えることがわかりました。

サツマイモでお通じの量が増えた!

●排便の回数
実験前は1週間に平均6.65回で、比較的規則正しい排便習慣の人が多かったのですが、焼きイモを100g食べると7.07回に増え、300gでは8.26回に増えました。

排便回数が週に3〜4回しかなかった被験者が4名いましたが、彼女たちも焼きイモ300gを食べたときには、回数が平均7.25回と改善しました。

●便の硬さ
食べ続けているときは「軟らかい」へ近づく傾向が認められ、「おなかの調子」に関しても「よくなった」との回答が多く寄せられました。

●膨満感
焼きイモを食べるとおなかが膨れる(膨満感)という説がありますが、被験者のアンケートでは膨満感に大きな変化は認められませんでした。

●体重
体重が増えるという変化は認められませんでした。

つまり、今回の調査で、サツマイモを食べても太らないと証明されたわけです。

むしろ、普段の食事に焼きイモを追加したのに体重が増えなかったということは、サツマイモがダイエットに適した食材であることを示しています。これで、安心してサツマイモを食べられるのではないでしょうか。

また、実験には加熱してから冷凍した焼きイモを用いたため、結果として冷やし焼きイモの状態となり、100g当たり0.72gのレジスタントスターチが認められました。

実験では300gのサツマイモを食べている期間もありますが、やりやすさや結果を総合的に考えると、1日100gを目安に冷やし焼きイモをとるとよいでしょう。

現在、20代女性の食物繊維摂取量は1日当たり6gほど不足しており、毎日100gの冷やし焼きイモで、不足分の約半分を補うことができます。

サツマイモ1本が約200gですから、2分の1本程度の焼きイモであれば、朝食として無理なく食べられるでしょう。

この記事は『安心』2019年10月号に掲載されています。

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